日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
前回の調べでは、「ノンシリコンシャンプーのメリットは不明瞭」という結論でした。
今日は、「メーカー側の主張」を調べてみましょう。
ノンシリコンシャンプーが出始めたのは2010年頃からです。
最初の頃は、美容サロンなどでしか使われておらず、また、かなり高価なシャンプーでしたが、今では、薬局、スーパー、ネット通販では「ノンシリコン」の大きな文字が目に付きます。
先日の、「ノンシリコンシャンプーはシリコンシャンプーより髪の毛に良いのか?」では、
- シリコンに害はない
- シリコンを除外するべき大きな理由はない
ということで、ノンシリコンシャンプーのメリットは明確でなかったのですが、今日は、販売者の主張を調べてみます。
ジャパンゲートウエーの言い分
ノンシリコンシャンプーの火付け役は2010年に「レヴール」を発売したジャパンゲートウエーです。
当時、
ノンシリコンシャンプーは美容室などで販売され、4,000円前後の高額商品でしたが、
ドラッグストアで1,000円以下の超激安価格での販売を開始して新たな市場を開拓し、
同時に、ファッション系の週刊紙『WWD BEAUTY』などへの掲載により一気に知名度を上げ、
さらには各エリアで地域密着型のドラッグストアを厳選して商品を置くことで希少性を高めるなどの戦略により、
一般的でなかった『ノンシリコンシャンプー』の知名度を一気に広めたのです。
ジャパンゲートウエーでは、ノンシリコンシャンプー「レヴール」は1.5秒に1本売れていると述べています。
そして、そのメリットは、、、
シリコンは、髪の毛をコーティングしてきしみを抑えたり、手触りを良くしたりします。その反面、シリコンの種類によっては頭皮や髪の汚れ、皮脂と一緒になって毛穴をふさいでしまう恐れがあります。
こうしてシリコンが残っていくと「すっぴん」になれず、美髪成分の滲透が阻害され、時には過剰に蓄積したシリコンと一緒にキューティクルがはがれて、髪が“ガサガサ”になることもあります。
シリコンはいわば、髪のファンデーションです。ファンデーションはメイクアップするためのアイテムなので、洗うこと、「すっぴん」にするためには適していないのは当たり前です。
だから、レヴールのシャンプーはシリーズ共通で、シリコンを配合しない「ノンシリコン」。レヴールなら、スキンケアと同じように、毎日のシャンプーのたびに頭皮や髪を「すっぴん」にすることができるのです。 ジャパンゲートウエー ホームページ
シリコンシャンプーは、
- 毛穴をふさいでしまう
- 美髪成分の滲透を阻害する
- キューティクルをはがしてしまう
ということです。
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資生堂の言い分
資生堂は誰でも知っている、日本国内シェア第1位、世界でも第5位の大手化粧品メーカーです。
資生堂では、シリコンについて実際に検証した上で、同社のホームページで下記の様に述べています。
(シリコンとシリコーンは全く違うもので、シャンプーに使われているのはシリコーンですが、さすが資生堂は正しく使っています)
シリコーンは、手袋やコンタクトレンズなどの医療器具、テッシュペーパーなどの日用品、スチーマーなどの調理器具、柔軟剤などの洗濯用品にも使われていて安全な物質です
- シリコーンは、毛穴に詰まったり、髪や頭皮にダメージを与える事実はありません
- シリコーンは、効果成分の髪への浸透を妨げるようなことはありません
- ダメージが気になる髪にはシリコーンが効果的です
そして、
シリコーンのメリットとして、
- 洗髪中に毛髪のきしみを抑え洗髪時の毛髪ダメージを軽減する
- 枝毛などのダメージも摩擦が減りなめらかに仕上がる
- シリコーンは髪につやを与える効果に優る
シリコーンが毛髪や地肌に悪影響を及ぼすことはありませんと述べています。
さらに、
シリコーン配合のシャンプーとシリコーンを配合していないシャンプーは、どちらも毛髪や地肌に悪い影響を及ぼすことはありません。
一般的には、シリコーン配合のシャンプーは、洗髪中の摩擦を軽減しながらなめらかな仕上がりを実現し、
一方のシリコーンを配合していないシャンプーは、細かな泡立ちで、
さっぱり、サラサラとした感触が得られるという特長があります。それぞれの違いは、洗髪時の感触や仕上がりに現れるため、
資生堂には、シリコーンを配合した商品とシリコーンを配合していない商品の両方がそろっています。
まずは、
シリコーンの特長や効果を正しくご理解ください。その上で、お好みに合わせて最適な商品をお選びいただくことをおすすめします。
そうか、、、。 資生堂は、「シリコンシャンプー」、「ノンシリコンシャンプー」の両方を発売してるんだね。
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花王の言い分
資生堂の検証実験で良く分かったのですが、花王の言い分も聞いてみましょう。
花王でも、検証実験をした上でシリコンの害の有無についてについてホームページにおいて下記の様に述べています。
-
花王のシリコーン配合シャンプーを通常使用した場合、1ヶ月連続使用した地肌の毛穴にシリコーンがつまる兆候は見られませんでした。
-
花王のシャンプーやコンディショナーなどの内部補修成分は、髪の内部まで浸透し、他の成分の浸透をさまたげません。
-
シリコーン配合のヘアケア品(シャンプー・コンディショナーなど)は、カラー剤やパーマ剤の浸透をさまたげません。
-
花王製品では、シリコーン配合の有無で、カラーの染まりやパーマのかかりに影響がないことを確認しています。
と、全く問題は無かったと言っていますね、、、。
シリコンは本当に害があるのか?
ジャパンゲートウエーでは、シリコンシャンプーは、
- 毛穴をふさいでしまう
- 美髪成分の滲透を阻害する
- キューティクルをはがしてしまう
と主張しているのですが、
資生堂や花王の検証ではその様なことは認められていません。
ジャパンゲートウエーの主張する、「シリコンの害の根拠」は何処にあるのでしょう、、、
ジャパンゲートウエーにシリコンの害の根拠を問い合わせたところ、
「製造を委託しているOEMメーカーが効能などについては検証しているが、データの開示はできない」
と述べたそうです(週刊ダイアモンドOnLine)。
これでは判断の仕様がありません、、、、。
ジャパンゲートウエーは製造会社ではなかった
私も上の記事を見て初めて知ったのですが、ジャパンゲートウエーはシャンプーの製造メーカーではないのです。
ジャパンゲートウエーの製品はOEM製品なのです。
OEMというのはOriginal Equipment Manufacturingまたは Original Equipment Manufacturerの略語で、委託者のブランドで製品を生産することで、「相手先ブランド製造」というものです。
例えば、イオンがキューピーにマヨネーズを製造して貰い、そのマヨネーズにイオンのマークを貼って販売するようなことです。
研究開発の施設や製造施設を持たなくても、製品を生産できるということです。
詳しく知る >>> OEM製品の仕組みとメリット
ジャパンゲートウエーとはどんな会社か
ジャパンゲートウエーは、女性衣料最大手ワールド(神戸市)に勤務していた堀井昭一氏が、2006年に立ち上げた、シャンプーなどのヘアケア製品を販売の主力とするが、自社では生産を行わず、企画・販売のみを行う会社で、Wikipediaによると従業員50名とのことです。
2014年7月に東京国税局の税務調査により、2013年5月期までの4年間に約3億円の所得隠しをしていたと指摘され、悪質な仮装・隠蔽を伴う所得隠しとの認定を受け、重加算税を含めた追徴税額 約1億円を納めています。
むむむむむ、、、、。
ノンシリコンシャンプーを使うメリットはない
いかがでしょうか。
このサイトでは、
結論 : ノンシリコンシャンプーを使うメリットはない
と判断します。
大手化粧品メーカーは実証実験をおこなってシリコンが髪にダメージを与えることはないと立証し、中立的な立場かでも、「問題ない」としています。
ノンシリコンシャンプーを主力にしているのは中堅・新興メーカーが多いようで、シリコンシャンプーを販売する大手メーカーの市場を奪う戦略で急成長しているようです。
資生堂などの大手メーカーもノンシリコンシャンプーを販売しており、ノンシリコンシャンプーは今に始まったものではないのです。
ジャパンゲートウエーなどの新興メーカーが強烈にノンシリコンを打ち出した販売戦略をし、ブームになったというのが真相です。
最後はあなたの判断ですが、シリコンシャンプーは、「毛穴がつまる」、「キューティクルがはがれる」といって、ノンシリコンシャンプー・レヴィールを販売するジャパンゲートウエーでさえ、シリコントリートメントを使うように進めている事実を最後にお知らせします。
レヴールのヘアケアシリーズの「リッチ&リペア」、「モイスト&グロス」、「フォカラー」のトリートメントは、シリコン配合。髪は死んだ細胞なので、一度しんでしまうと自力で美髪に戻ることはできません。ここで、コーティング効果や外部からの汚れ、乾燥などから守るシリコンが大いに役に立ちます。ノンシリコンシャンプーで洗って、シリコン配合トリートメントでコートすることによって美髪成分が浸透し、シリコンが包み込んで守ります。これが最もヘアケアに適した組合せだとレヴールは考えます。
シリコン入り、ノンリシコンというコマーシャルに振り回されず、効能を見て、実際に使い、あなたの髪の毛に合ったシャンプーを選んで下さい。
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