ノンシリコンシャンプーは本当に髪の毛に良いのか?
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
育毛剤を選ぶ時、
ノンシリコンがキーワードなのか?
どうしてノンシリコンなのか、、、
シャンプーはどうしてノンシリコンなのか
薬事法ドットコムマーケティング研究所が、
薄毛で悩んだことのある30歳から60歳代の女性300人を対象にした、
「ヘアケア商品」に関するアンケート調査によると
ヘアケア商品を購入する際に重視するキーワードは、
1位 : ノンシリコン 35.3%
2位 : スカルプケア 27.3%
3位 : 植物性 16.3%
が挙げられたそうなのです。
シャンプーやリンスへのシリコンの添加についてはメリットやデメリットを指摘するさまざまな意見もあますが、
店頭には様々なノンシリコンシャンプーが並んでおり、
シャンプーやリンスの購入では『シリコン』に注意を払っている女性が多いようなのです。
シリコンとは何なのか
ところで、ノンシリコンシャンプーのシリコンとは何でしょうか?
シリコンとシリコーンは異なる
シリコン(silicon)とシリコーン(silicone)は別物です。
「ノンシリコンシャンプー」と言っていますが間違いで、正しくは、「シリコーン」で、
「ノンシリコーンシャンプー」なのです。
シリコンとは圭素のことで、
岩石や土壌の主成分として自然界に存在し、地球上で酸素に次いで多く存在します。
通常、二酸化ケイ素 (シリカ)の形で存在し、シリカの結晶が石英です。
ケイ素は、組織間の結合を担うコラーゲンの結びつきを強める働きがあり、骨や腱、血管、歯、爪などの主要な組織を形成する大切な元素でもあるのですが、私たちの身の回りでは、シッカロールやベビーパウダーとかに含まれています。
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シリコーンとは
シリコーンは、ケイ素樹脂のことで、シリカを元にして作られたケイ素を含む有機化合物の総称で、天然には存在しません。
シリコーンには、油状、ゴム状、樹脂状などの物理的形状が異なるものがあり、耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性、耐摩耗性に富んでいることから、
潤滑油、接着剤、シーラント、コーティング材などさまざまな用途に使われています。
シリコーンオイルはシャンプーや化粧品の基剤に、シリコーンゴムはスイミングキャップや医療用手袋、コンドームなどに使われています。ちょっと変わったところでは、豊胸手術の原料にも使用されていますね。
シャンプーにふくまれるのは正しくはシリコーンなのですが、ここでは紛らわしいのでシリコンで統一しますね。
シリコンをシャンプーに入れる理由
シャンプーにシリコンが入っていると良くない?
では、どうしてシャンプーにシリコンを添加するのでしょう。
シリコンのメリット
- 指の通りが良くなる
- 髪の毛にツヤをつくる
- 髪の毛同士の摩擦を低減しさらさら感を出す
- はがれかけたキューティクルをくっつける
- 枝毛がくっつける
- ドライヤーの熱から髪を保護する
などの効果を期待するためです。
シャンプーをしたときに、この効果がないとどうでしょう、、、
- 髪の毛がサラサラせず
- 髪の毛同士の抵抗でグチャグチャ
- 髪の毛に指が入らない
- ドライヤーの熱でダメージを受けやすい
など、ちょっと困ってしまいます。
シャンプーに配合されているシリコンは、髪をコーティングし、髪の滑り、撥水性、被膜形成をしてコンディショニング効果のために添加されいるのです。
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シリコンは髪の毛に悪いのか
最近はノンシリコンを謳うシャンプーがたくさん売られています。
メーカーも、
- 「シリコンフリーなので地肌にやさしい」
- 「ノンシリコンなので安心です!」
などと、シリコンが髪に悪い作用を及ぼすような宣伝も目にします。
シリコンってそんなに髪の毛に悪い成分なのでしょうか、、、。
シリコンに害は認められていない
シャンプーに使われるシリコンオイルは、それ自体がほとんど化学変化せず、熱や水や電気にも強い、酸化、分解をしないなど、毒性の低さは群を抜いている化学物質だそうです。
シリコンは本当に害がある物質なのでしょうか、、、
『シャンプーの選び方』のページにも書きました、「一般社団法人 日本シャンプー分析協会」では、
シリコンの毒性については、海外の研究でもあまり報告がないとう状況にもかかわらず、このように日本のインターネットで「シリコン=悪」と書かれているのは、一部のメーカーが自社のシリコン無配合のシャンプーを数多く販売したいがために、消費者の不安を煽っていることが原因の一つと考えられます。
したがって、「シリコン=悪」を営業文句にしているシャンプーを購入する際は、冷静に検討しましょう。シリコンの入っていないノンシリコンシャンプーを購入する際は、別途髪に有用な成分が入っているかがポイントです。髪の手触りを重視するならシリコン配合のシャンプーの方が、その効果が高いのが一般的です。ただし、シリコンの濃度が高すぎると、重たい仕上がりになるので注意が必要です。
今後、当研究会でもシリコンの毒性については注視していきますが、皆様もこのような消費者を煽る発言に踊らされないように心掛けていただきたいと思います。
と述べています。
シリコンのデメリット
シリコンは疎水性(そすいせい:水になじみにくい)のものに優先して吸着する性質があります。髪の毛では表面のキューティクルが相当し、軽度なダメージを受けたキューティクルや枝毛などを接着するのに有効です。
しかし、キューティクルは剥がれてしまうようなダメージを受けたときには、シリコンは髪の内部の親水性の部分にも吸着してしまいます。
上記のような、キューティクルが剥がれてしまったような時には、髪の毛の内部にシリコンが吸着してしまうと、
- 髪の毛が硬くなったりする
- 髪の毛がねったりする
- 髪の毛の内部が乾燥する
- カラーリングがしにくくパーマがかかりにくい
ということが起こります。
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メーカーの宣伝に惑わされるな
結論から言うと、
シリコンはそれ自体全く安全で害のない成分だといえます。
日本シャンプー分析協会のコメントのように、
- シリコン無配合のシャンプーを数多く販売したいがために消費者の不安を煽っている
- シリコン無配合シャンプーでは別途なにが入っているかに注意が必要
ということです。
シリコンが入っていないシャンプー、例えば石鹸で髪を洗ったことがある方ならご存じですが、髪の毛同士の抵抗で、髪の毛の中に指が入りませんし、全くまとまりません、、、
ノンシリコン = 他の物質を添加している
ということなので、「他の物質は何か」を注意する必要があると言うことです。
私も、
シリコン = 髪の毛に悪い
と思ってしまっていましたが、そうではないと言うことが分かりました。
また、注意すべきことは、
- ノンシリコンシャンプーを使っても、
- リンスにはシリコンが含まれている。
ということを忘れてはいけません。
明日は、「メーカー側の主張」を調べてみます。
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