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シャンプーで薄毛に毛が生えるのか?

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。

 

はじめに

育毛効果を謳ったシャンプーのコマーシャルが溢れていますが、

市販の「育毛シャンプー」で毛が生えるのでしょうか?

No!

大阪大学医学部の皮膚・毛髪再生講座の板倉智教授は、

科学的に育毛効果が認められたシャンプーはない

と言っています。

 

 

育毛シャンプーが氾濫している

市場には「育毛シャンプー」が数え切れないほどあります。

「薬用」という記載のあるシャンプーもたくさんあり、薄毛の人にとっては「これを使えば毛が生えてくる!」と期待を持たせてしまいますが、

市販されているシャンプーに発毛や育毛の効果はありません。

 

発毛に有効だといわれる成分が含まれているシャンプーもあるのは事実ですが、「育毛シャンプー」で頭を洗ったら毛が生えてくるということは確認されていないのです。

頭皮を綺麗にし、毛穴の皮脂を除去し、洗髪を兼ねたマッサージで頭皮環境を整えれば発毛や育毛の条件は整いますが、洗髪しただけで毛が生えてくるようなことはないのです。

 

頭皮や毛穴が汚れていると薄毛になるのか

それでは、頭皮を不潔にしているとハゲるのでしょうか?

例えは悪いのですが、ホームレスの方を見かけたことがおありだと思いますが、ハゲていたでしょうか?

 

もう何年も床屋にも行かず、何年も洗髪もしたことがないような、腰まで髪の毛を伸ばした方を見かけはしますが、

意外にハゲのホームレスの方を見かけるいことはほとんどありません。

 

作家の五木寛之さんは洗髪嫌い、として有名で、「1ヵ月半に1回」しか髪を洗わないそうです。

それも、「1ヵ月半に1回」の洗髪を習慣としたのもごく最近で、それ以前はもう何十年も春夏秋冬の年4回しか洗わなかったそうで、ブラッシングもせず、指でとかす程度だったそうです。

シャンプーの宣伝に踊らされるな

確かに、皮脂で毛穴が詰まって細菌が繁殖して脂漏性皮膚炎による『粃糠性脱毛症』というのがあるのですが、

上記のように髪を洗わないことが原因ではなく、皮脂の分泌異常による脱毛症なのです。

 

日本人は清潔好きで毎日お風呂に入り、朝晩シャンプーをする人も多いのですが、シャンプーをしなかったからハゲになるわけではありません。

シャンプー業者はたくさん買って欲しいので、様々なキャッチコピーで売ろうとしますが、それに小田らされる必要はないのです。

 

テレビCMやネット広告で「〇〇シャンプーを使い続けたら毛が生えた」という様なものや、

有名お笑いタレントのコマーシャルを見て、本当に生えてきたと感じてしまうでしょうが、「△△シャンプーは発毛効能がある」というような宣伝をすれば虚偽広告として薬事法違反になります。

 

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シャンプーの価格

とはいっても、洗髪しないわけにはいきませんので誰でもシャンプーを使います。

どうせシャンプーを買うなら、少しでも髪にいい、少しでも育毛に良いシャンプーを選びたいものです。

それでは、どんなシャンプーを選んだら良いのでしょうか?

 

安いシャンプーは髪に悪いか

500円のシャンプーと、1,500円のシャンプーがあって、1,500円のシャンプーには「髪の毛に優しい」とか書かれていたら、薄毛に悩むあなたは迷わずに1,500円のシャンプーを選んでしまうのではないでしょか?

安いシャンプーが髪の毛に悪いと言うことはありません。

 

洗髪の目的は、頭皮から外に出た髪の毛と頭皮を洗うことで、頭皮から数ミリ中の毛包までシャンプーが届くことはありません。

髪の毛は毛包の毛母細胞や毛乳頭細胞で作られるのですが、毛を作る部分までシャンプーの成分が届くことはないのです。

ただし、体表に出た部分の髪の毛については洗いすぎることによってキューティクルが傷んだり、切れ毛の原因になります。

高いシャンプーでは髪の保湿成分など、洗浄成分以外のを含んだものが多く、それが高価格に繋がっていることが多いのです。

 

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シャンプーの成分

シャンプーは「化粧品」と「医薬部外品」のどちらかに分類されます。

  • 「化粧品」 : 人体を清潔に保ち保護するという衛生的な目的や見た目を変えるという美容的な目的を有するものです。
  • 「医薬部外品」 : 人体に何らかの薬理的効果を与えるという目的で、薬効成分が配合されています。

 

「化粧品」は法律で全成分表示が義務付けられていますが、「医薬部外品」では薬事法で主な有効成分の表示で良いとされています。

 

シャンプーの主成分は界面活性剤

シャンプーを使う目的は「皮脂や汚れの除去」ですから、シャンプーの主成分は界面活性剤です。

界面活性剤とは、水と油を水和すること、つまり脂を水に溶けやすくするもので、脂を包み込み水で洗い流すことができるようにするのです。

 

界面活性剤には下記の6種類があります。

  1. 天然物 (天然物由来)
  2. 石けん系 (天然物由来)
  3. 脂肪酸エステル系 (天然物由来)
  4. アミノ酸系 (天然物由来)
  5. 高級アルコール系 (石油由来)
  6. 石油系 (石油由来)

 

原料では、天然物由来、石油由来に分けられますが、一般的に原料が石油由来の界面活性剤の方が安いため、価格が安いシャンプーの多くでは「石油由来の界面活性剤」が使用されています。

石油由来の界面活性剤は、洗浄力が強く必要な油分までとってしまい乾燥や髪のきしみの原因となってしまいます。人によっては刺激が強すぎたり脱脂力が強すぎたりするので選ぶ時には注意しましょう。

ただし、表示には「石油由来界面活性剤」とは書かれていません

  ラウリル硫酸Na
  ラウリル硫酸カリウム
  ラウレス硫酸Na
  ラウレス硫酸TEA

というのが石油由来界面活性剤です。

 

表示に「ラウリル」、「硫酸」と書いてあるものを選ばないようにすれば石油由来界面活性剤のシャンプーを避けることができます。

 

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髪の毛に有用な成分

シャンプーには頭皮や頭髪の皮脂や汚れを洗浄するために界面活性剤が入っていますが、

その他に、頭皮を保湿するための成分、保湿成分、頭皮の血行を促進する成分などが入っている製品があります。

 

医薬部外品に分類される薬用シャンプーでは、フケやカユミを抑える成分や、育毛成分などの有効成分が配合されているシャンプーもあります。

シャンプーに含まれる髪に有用な成分は作用により大きく2つに分けることができます。

 

髪の内部に浸透して髪を補修する成分

髪の主な構成成分は蛋白質であることから、髪と同じ蛋白質系の成分が配合されているシャンプーがあります。

  1. 加水分解ケラチン
  2. 加水分解シルク
  3. 加水分解コムギ蛋白

などですが、蛋白質以外にも、パンテノールなど髪に浸透して補修する効果のある成分を含むものもあります。

 

髪の表面をコーティングする成分

一番有名なのがシリコンです。

シリコン以外には、ツバキ油、ホホバ油、ポリクオタニウムなどの成分があり、頭皮の保湿・保護にも有用です。

 

タイプ別シャンプーの特徴

上の成分だけではなかなかシャンプーの特徴が掴めません。

最近は、「アミノ酸シャンプー」、「ノンシリコンシャンプー」などを良く聞きますが、シャンプーのタイプ別に特徴をお知らせします。

 

アミノ酸シャンプー

アミノ酸シャンプーは、上に書きましたように、使われている界面活性剤がアミノ酸系界面活性剤のシャンプーのことです。
肌と同じ弱酸性なので低刺激で頭皮や髪の毛にも優しく、髪や頭皮の皮脂を取り過ぎるようなことがありません。

ただ強い洗浄成分が入っていないので、初めて使う場合には泡立ちが悪いと感じるかもしれません。

   詳しく見る >>>  アミノ酸シャンプーがネット通販で人気です

 

ノンシリコンシャンプー

シリコンはキューティクルをコーティングして保護する作用があるのでスキンケアやヘアケアに広く使われ、髪の手触り良く艶を出すなどの効果があります。

しかし髪をコートするだけで、髪を補修したり浸透して保湿するような効果はありません。

そのため、この成分に頼ったヘアケアを続けていると、髪の傷みを進行させてしまうことがあるとも言われています(確定していません)。

このシリコンを配合していないのがノンシリコンシャンプーです。

しかし、

ノンシリコンシャンプーと謳っていて、シリコンはが入っていないものの、安価なラウリル系の合成界面活性剤をつかっているものもありますから、「ノンシリコン」だけで判断しないことが大切です。

   詳しく見る  ⇒  ノンシリコンシャンプーは本当に髪の毛に良いのか?

   詳しく見る  ⇒  ノンシリコンシャンプーは本当に髪の毛に良いのか?(その2)

 

石鹸(石けん)シャンプー

合成界面活性剤が入っていない石けん成分だけでできているシャンプーです。
もちろん石けんシャンプーにも石けん系界面活性剤が入っています。石けん系界面活性剤の洗浄力も合成洗剤にも負けませんが、ある濃度以下に薄くなると急に洗浄力が無くなり、界面活性作用を失う特徴があります。

また、

髪の汚れを落とすだけなので、洗い上がりの手触りが悪く、髪がきしんだようにも感じることがありますが、うるおいや手触りはコンディショナーで補充することで問題は有りません。

   詳しく見る  >>>  石鹸シャンプーは髪の毛に良いのか?

  詳しく見る  >>>  弱酸性シャンプーは薄毛の髪に良いのか?

 

オススメのシャンプー

ハッキリ申し上げて、分かりません、、、。

数が多すぎ、シリーズででているなど、比較するだけでも困難で、試しに使うことなど不可能です、、、。

一般社団法人 日本シャンプー分析協会

という組織があります。 

一般社団法人日本シャンプー分析協会

一般社団法人 日本シャンプー分析協会の目的

当協会は、日本市場におけるシャンプーの調査、分析研究をおこない、一般消費者に対してシャンプーに関する情報を提供し、消費者の適切な選択に寄与することを目的とします

一般社団法人 日本シャンプー分析協会の誓約事項

当協会は、本妻と内のシャンプーの評価において、シャンプーの販売元から報酬を受けることにより評価をゆがめることはおこないません

 この協会では、各シャンプーメーカーのシャンプーを分析しています。

  化粧品のシャンプー  83種類

  医薬部外品のシャンプー 13種類

その評価結果をお教えします。

 

評価は、

  1. 頭皮への影響
  2. 髪への影響
  3. 安全性
  4. コストパフォーマンス

の4項目を5段階評価で評価しています。

 

が、最も高得点は、

ココイルエクストラモイストシャンプー

販売元 : ココイル

価格 :300ml:1,800円、1000ml:3,800円

総合評価:4.38
ココイルエクストラモイストシャンプーは、頭皮や髪に優しいシャンプーを低価格で販売することをコンセプトにした商品である。使用している界面活性剤やそれ以外に含まれる成分から、頭皮に優しいというコンセプトが反映されているのが分かる。また商品の価格も比較的安価で、コストパフォーマンスも非常に高い

頭皮への影響:4.5
メインの界面活性剤であるココイルグルタミン酸TEAは、アミノ酸系界面活性剤で比較的マイルドな洗浄力である。次に濃度が高いコカミドDEAは非イオン性の界面活性剤であり、メインの界面活性剤の補助として使用されているとうかがえる。その他も含めた界面活性剤全体を見ても頭皮に優しく低刺激と言える。

髪への影響:4 
シリコンは配合されていない。ココイル加水分解コラーゲンK、サクシニルアテロコラーゲンなどで、髪のハリコシや手触り感を整えていると思われる。

コストパフォーマンス:4.5
サロン向けのシャンプーとして、低刺激な界面活性剤、ノンシリコン、植物エキス配合などのこだわりがあるにもかかわらず、この料金設定はコストがパフォーマンスが高いと言える。

 

ファシナートシャンプーAB

販売元: フィヨーレコスメティクス

価格 : 250ml:1800円、700ml:3,000円

総合評価:4.63
フィヨーレコスメティクスのファシナートシャンプーABは、頭皮と髪の臭い予防をコンセプトにしたシャンプーであるが、頭皮を洗いすぎることもないマイルドな界面活性剤が使用されており、髪のダメージをケアする成分も配合されているなど、完成度の高い商品である。

頭皮への影響:5.0
メインの界面活性剤、それに続く界面活性剤ともに低刺激でマイルドなものである。また、多くの植物エキスや、頭皮を保湿保護するアミノ酸成分も多く配合されており、頭皮によいシャンプーと言える。

髪への影響:4.5
シリコン無配合。髪をしっとりさせる成分や、ヘマチンなど髪の修復を促進する成分など、髪にとって良い成分が多く配合されており、髪にとってもよいシャンプーと言える。

安全性:4.5
使用されている界面活性剤は安全性が高いと言ってよい。硫酸亜鉛は腋臭防止剤(簡単に言えば発汗予防)として、(独)製品評価技術基盤機構のWEBサイトでも紹介されている物質であり、「硫酸」と付くからと言って懸念する必要はない。

コストパフォーマンス:4.5
10ml当り72円の単価であり、安価ではないものの、使用されている界面活性剤やその他成分を考慮すると、10ml100円を超えていても不思議でないと考えられ、コストパフォーマンスはよいと言える。 

 

あなたの薄毛対策のシャンプー選びに参考になりましたでしょうか、、

 

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