日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
プロペシアのEDの副作用は本当か?
本当です!
先日、このブログにプロペシアの副作用に関する記事を記載したところ、
たくさんの方がその記事を見に来てくれているようです。
詳しく見る ⇒ プロペシアの性機能に関する副作用は本当です
やはり、「プロペシアでAGAを治したいけどEDが怖い」という人が多いのですね。
というか、恐らく、インターネットの輸入代行を通じてプロペシアを購入しているヒトが多いということだと思います。
なぜかというと、AGAクリニックや皮膚科にてプロペシアを処方して貰っている方がEDに対する不安があれば、
必ず診察の時にその疑問を医師にぶっつけ、不安は解消していると思われるからです。
国内で医師からプロペシアを処方して貰っているAGA患者は50万人程度といわれていますが、個人輸入で入手して服用している方はその3倍くらいいると見られています。
即ち、その150万人の方達が不安を持っておられるのだと思います。
プロペシアのEDに関する副作用の不安は発売元のメルク社が正確な情報を出していないからだと思いわれます。
メルク社のホームページで、プロペシアの添付文書を入手できるのですが、
性機能に関する副作用は発売当時のものです。
プロペシアのEDについて無責任なコメントが多い
さらに問題を複雑にしているのは、プロペシアの販売サイトにおける無責任なコメントの多さです。
EDに関する副作用はいずれも数%と割合としては非常に低いです。
また、有効成分の入っていないプラセボからも偽薬でも副作用を訴えた方がいます。
この割合はプロペシアを飲んだグループとほとんど変わりません。
これが何を意味しているのかというと、プロペシアでは性機能の低下があるとの思い込みによって引き起こされている可能性が高いということです。
男性機能はかなりナイーブであることは、男性の方はよくご存知ですよね?
緊張とか会社でのストレスとか、ちょっとした事で勃たなくなることがあると思います。
つまり、男性機能は思い込みの影響を非常に受けやすいのです。
そこに男性機能に影響があると言われるプロペシアを飲むと、「俺、プロペシア飲んでるから勃たなくなるんじゃねぇかなぁ・・・」という不安が生じます。
この不安が男性機能障害を起こしていると考えられのです。
これらを読む限りにおいては、「気のせい」だから安心というコメントですね。
日本のAGAでプロペシアを処方している医師や学会が最近のフィナステリド症候群の知識をほとんど持ち合わせていないというのも大きな原因で、日本の医師のプロペシアの副作用に対する知識は非常に遅れているといわれています。
プロペシアはテストステロンをDHTに変換する5α-リダクターゼを阻害するだけですので、直接テストステロンを減らすわけではありません。
テストステロン濃度が減少したとしても、フィードバック作用により、テストステロンの分泌がより高まりますから性機能に関する障害はないのです。
と記載しているAGAクリニックもあるくらいです、、、。
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プロペシアの副作用は深刻です
2014年の4月に、米国のFDA(日本の厚生労働省と同じような省庁)は、プロペシアの発売元であるメルク社に、
プロペシア1mg(注;フィナステリド1mg含有)と、プロスカー5mg(注;フィナステリド5mg含有)に対して、
性機能不全、勃起不全、射精不全の危険性を製品の注意書きに追加するように、
メルク社に正式要請したと発表した。
またプロスカー5mgについては、精子に影響をおよぼす可能性も有ることも発表しました。
この背景には、ジョージワシントン大学のマイケルアーウィング博士によって、
プロペシアの副作用は、服用を中止後に改善するといわれているのだが、
その後の経過観察などで再発やさらなる治療が必要な状態が続くことが明らかになり、
『ポストフィナステリド症候群』として、
2014年1月に、泌尿器科の医療ジャーナル「Sexual Medicine Reviews」に発表されたことがあるのです。
フィナステリド症候群は、ポストフィナステリド症候群(PFS)ともいわれ、
プロペシアの主成分 フィナステリドを一定期間服用した人が、服用を中止したあとに起こる症状として非常に問題になっている症状です。
言わばフィナステリドの後遺症ともいうべき症状だといえます。
しかしながら、プロペシア(フィナステリド)を服用した全員でPFSが起こるわけではなく、
症状のまったく起きない人、軽微で気づかない人、非常に重篤な人と個人差が大きいようで、
実際に問題になるのはプロペシア(フィナステリド)を使用した人の5%程度ではないかといわれているのですが、
昨今のジェネリックの普及や個人輸入による服用で実態が掴ねない状況だといわれています。
国内では学会レベルでもポストフィナステリド症候群については余り話題にならず、情報が有りませんが、
アメリカでは、ポストフィナステリド症候群財団(PFS)が設立されています。
国外のサイトであれば、下記のようなものが有りますので、参考にしてください。
Propeciahelp.com : http://www.propeciahelp.com/
PFSの解説サイト : http://finasteridesyndrome.blogspot.jp/
PFS財団サイト : http://www.pfsfoundation.org/
その他には、
『ポストフィナステリド症候群のこと』:http://postfina.blog.fc2.com/
としてブログを書いておられる方がおられ、
生死に関わるPFSで苦しまれている様子がうかがわれるのですが、内容の真偽については確認を取っていませんので判別できません。
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ポストフィナステリド(PFS)症候群とは
国内の内分泌系学会のサイトを探してもなかなか資料が見つかりません、、、、。
私も、PSFがどのような症状を伴うのか、どのような機序で起こるのかが充分理解出来ていないのですが、概略は以下のようです。
ポストフィナステリド症候群(PFS)の発症
プロペシアなどの、フィナステリドの服用を中止してから10~20日以内に、性機能や肝機能に関する副作用は一時的に解消する。
服用中止後、数週間~数か月後において内分泌物系が完全に破綻し、男性ホルモンであるテストステロン、性腺刺激ホルモンであるLH、FSHのホルモンのレベルが、性腺機能低下症に相当する値まで急激に低下する。
さらに、エストラジオール、TSH、 プロラクチン、 SHBGの上昇と、3a-diol-Gレベル、ビタミンDレベルの低下を伴う。
同時にかつ急激に、性腺機能低下症と共通の症状が現れる。
それらの症状は不可逆で永続的(数年継続もあり得る)であり、症状は緩和増悪を繰り返す。
性機能に関する症状
- 性衝動の減退あるいや完全消失
- 勃起困難、勃起不全
- オーガズムの消失
- 精液減少
- 性器の委縮
- ぺイロニー病
- 陰嚢委縮や陰茎の感覚喪失
身体に関する症状
- 女性化乳房
- 慢性疲労、倦怠感
- 筋肉萎縮、虚弱
- 皮脂の減少
- 乾燥肌、肌が薄くなる
- 肥満、体重増加
- 体温低下
- HDLコレステロール低下、空腹時血糖/トリグリセリドの上昇
精神に関する症状
- 記憶/想起障害
- 思考速度低下
- 問題解決力の低下、理解力の低下
- うつ
- 不安
- 無感情、快感消失
- 不眠症
何とも、、、なんといって良いのやら、、、
凄い症状です。
上のブログの運営者がこのような症状にあったとしたら、あのような記事を書くことが充分に理解出来ます。
今後のプロペシアの副作用問題
FDAはプロペシアは製造販売してるメルク社に重篤な性機能障害が発生するリスクに関して全ての情報を出すように勧告を行なっていますし、
アメリカを中心に、海外ではポストフィナステリド症候群の集団訴訟も起きています。
考えれば、同じホルモン関係の問題で、避妊薬(ピル)と乳癌や子宮癌の誘発問題があったことを思い出します。
ポストフィナステリド症候群(PSF)の問題に決着が付くまでに恐らく10年の年月を要すると想像されます。
プロペシアはAGAに有効であることは間違いないのですが、ホルモン関係の副作用は長期に亘って検証しないと分からないことが多いのです。
恐らく、アメリカではプロペシアは処方されなくなる可能性が強いことが予想されます。
薄毛はなんとか解消したいものですが、PFSは重篤すぎます、、、、。
5α-リダクターゼ抑制作用の有る育毛剤は、プロペシアの他にもあるのです。
薄毛を治すために体調を壊してしまったら、元も子もありません。
もし、どうしてもプロペシアでAGAを治療したいというのであれば、AGAクリニックや専門医の診察を受けて服用すべきです。
輸入代行でプロペシアのジャネリックを服用するのは絶対にすべきではありません。
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