日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
はじめに
男性型脱毛症(AGA)の治療薬であるプロペシアは、
国内では2005年12月に万有製薬(現在はMSD)が発売しまし、
3年後の2008年には、
- プロペシアを処方する医療機関は3万施設以上
- 服用者数は18~19万人
- 国内売上げは127億円
と万有製薬が発表しました。
その後10年、国内のプロペシアの服薬者数は50万人を超し、
インターネットによる個人輸入者を含めるとその数倍はいるとも見られています。
プロペシアはED(勃起不全)になるともいわれていますが、
プロペシアの有効成分であるフィナステリドを飲むと前立腺がんにならないとの報告が発表されました。
プロペシアは前立腺がんを抑制するのか?
プロペシアの有効成分はフィナステリドという化学物質で、
2018年8月以降に発売された8種類のプロペシアのジェネリックの有効成分も全てフィナステリドです。
米国立衛生研究所の系列である米国立がん研究所が支援した前立腺がん発症の疫学調査の結果が公表され、
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは前立腺がんの発症リスクを低下させる
ことが明らかになりました。
Long-Term Effects of Finasteride on Prostate Cancer Mortality.
くわしく読む ⇒ 原著論文
Prostate Cancer Prevention Trial(PCPT;前立腺がん介入試験)では、
前立腺がんがではない55歳以上の男性1万8,882人が登録され、
- フィナステリド群(1日1回5mg投与) : 9,423人
- 非投与対照群 : 9,457例
に分けて、
- 最長7年間にわたって前立腺がんの発症
を追跡調査したのです。
その結果、
- フィナステリド群では前立腺がんのリスクが30%低下する
ということがわかったのですが、
- 悪性の前立がんの発生が高まる
ということも判明したのです。
今回の報告では、
さらに長期間にわたってフィナステリド服用による前立腺がんによる死亡率を解析したのです。
約30万人のがんによる死亡例を分析したところ、
- フィナステリド群で42例が前立腺がんで死亡
- プラセボ群で56例が前立腺がんで死亡
という結果が得られ、
フィナステリド群では前立腺がんの死亡リスクが25%低下する
明らかになったのです。
しかし、死亡例が100例に満たず、残念ながら統計学的な有意差はありませんでした。
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プロペシアは前立腺がんの薬
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、
アメリカのメルク社が開発した5α-リダクターゼ抑制薬です。
男性型脱毛症(AGA)に関心のあるからならご存じのように、
5α-リダクターゼは男性ホルモンであるテストステロンを、
さらに活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に分解する酵素なのです。
DHTは前立腺肥大症や前立腺がんの原因になることから、
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは前立腺肥大症や前立腺がんの治療薬として発売されています。
さらに、
DHTは男性型脱毛症の原因でもあることから、
プロペシアはAGAの治療薬として発売されたのです。
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プロペシアのフィナステリドは副作用が懸念される
プロペシアを飲めば、
- AGAが治る
- 前立腺がんでの死亡リスクが減る
ということは嬉しいことですね。
しかし、プロペシアには副作用もあるのです。
あなたが知っているのは「プロペシアの性機能に関する副作用」だけかもしれませんが、
プロペシアにはその他にも重大な副作用の懸念があるのです。
国内でも週刊現代で、
として報じられたのでご存じかもしれませんが、
プロペシアには、服用を中止した後にも消えない副作用があり、
として、海外では大きな問題になっているのです。
まとめ
プロペシアを飲めば、
- AGAが治る
- 前立腺がんでの死亡リスクが減る
ということは嬉しいことです。
プロペシアは医薬品で、医者の処方箋で入手できる薬です。
しかし、
インタネットの個人輸入で、
- 処方箋なしで入手できる
- 安く手に入る
ことから、インターネットによる個人輸入で服用している人が数十万人もいるというのです。
上にも書きましたように、
プロペシアの有効成分であるフィナステリドには、
のような怖い副作用があるのです。
プロペシアを服用するなら必ず医者の診察を受けるべきです。
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