ミノキシジルの新しい発毛作用をロート製薬が発見
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
はじめに
ジェネリックが発売されたことから最近話題になっていますが、
- 大正製薬の リアップ
- アンファーの メディカルミノキ5
- ロート製薬の リグロEX5
これらの有効成分は皆同じミノキシジルという化学物質です。
ミノキシジルは、アメリカのファルマシアという製薬会社が高血圧の薬として開発していたものです。
多毛症という副作用が見つかったことから育毛剤としての開発も行われたのです。
ミノキシジルの育毛作用の科学的根拠については先日、書かせていただきましたが読んでくださったでしょうか?
詳しく見る ⇒ ミノキシジルの発毛効果の科学的根拠
さらに10月の初めには、ロート製薬が、
世界で初めて!ミノキシジルが発毛因子を高めることを確認した
と発表しました。
今日はロート製薬が発見したという、ミノキシジルの新しい発毛作用について説明させていただこうと思います。
ロート製薬はミノキシジルの新しい発毛作用を発見
ロート製薬は2018年10月9日、
世界初!ミノキシジルが脂肪由来幹細胞からの発毛因子の遺伝子発現を高めることを確認
とプレスリリースしました。
ロート製薬は再生医療研究をおこなっているのですが、
このの再生医療研究を「発毛の研究」へ応用し、ミノキシジルの新しい発毛作用を世界で初めて見出したというのです。
詳しく見る ⇒ ロート製薬・プレスリリース
ロート製薬は、再生医療の事業化を目指して再生医療の核となる幹細胞研究を進めています。
脂肪由来間葉系幹細胞の有用性の研究において、
「再生医療研究」×「発毛研究」
に着目した研究において新たな知見を見出したというのです。
幹細胞というのは「どんな細胞にでも変化できる細胞」のことです。
ノーベル賞をもらった中山教授が見出したiPS細胞は人為的に作り出した幹細胞です。
私達の体の中には、
- 脂肪幹細胞
- 骨髄幹細胞
が、脂肪や骨髄の中にあるのです。
ロート製薬の研究グループは、
ミノキシジルは脂肪幹細胞からの、
- FGF7
- VEGFA
- PDGFA
などの発現を高めたというのです。
FGF7、VEGFA、PDGFAは、発毛促進因子といわれ、
それぞれ、
- FGF7 : 毛髪の伸長に重要
- VEGFA : 血管誘導に重要
- PDGFA : 発毛に重要
であることが分かっているのです。
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先日、ミノキシジルの発毛効果の科学的根拠 でお話ししたように、
ミノキシジルには、
- 細胞増殖作用
- 細胞成長因子産生作用
- もう細胞アポトーシス抑制作用
- 血流改善作用
のあることが分かっているのですが、
今回のロート製薬の研究グループの研究成果によってミノキシジルの発毛作用がさらに確実になったのです。
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ミノキシジルには5α-リダクターゼ抑制作用はない
このようにミノキシジルの発毛作用については科学的な根拠が(エビデンス)がありますから、
薄毛に悩む男性には積極的に使ってもらいたい発毛薬なのです。
しかし、、、
ちょっと心配なこともあるのです。
薄毛に悩む男性なら絶対にご存じだと思うのですが、
AGAといわれる男性型脱毛症の大きな原因は男性ホルモンです。
男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼという酵素によって、
ジヒドロテストステロン(DHT)という強い男性ホルモンに変わるのですが、
DHTが髪の毛の成長を抑えてしまうのです。
ですから、AGAの治療薬であるプロペシアもザガーロも5α-リダクターゼを抑制する治療薬なのです。
しかし、
ミノキシジルには男性ホルモンに対する作用はありませんから、
リアップもメディカルミノキ5もリグロEX5も5α-リダクターゼを抑制しないことから、
AGAの大きな原因であるDHTの産生をストップできないのです。
AGAクリニックでは、
- プロペシアなどの5α-リダクターゼ抑制薬
- 経口剤のミノキシジル
による治療をおこなっており、
AGAの治療には5α-リダクターゼ抑制薬の処方が必要なのです。
プロペシアやザガーロは医者の処方箋がなければ手に入りませんが、
には5α-リダクターゼ抑制作用がある育毛剤ですから、
AGAをより確実に改善するのであれば併用した方が安心です。
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