ノコギリヤシには育毛効果には科学的根拠があった
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日はノコギリヤシの話です。
ネットでニコニコニュースというのを見ていたのですが、
東京トータル美容クリニックの久保田院長が、
20代からのハゲ防止・最新サプリと“一番髪にいい食べ物”
というコメントを書いていたのです。
このブログも「髪の毛に良い食べ物で若ハゲ克服」というテーマですので非常に興味深く読んだのですが、
育毛剤の医薬品には、
ミノキシジルのリアップでは顔がむくんだり朝起きたときに目が腫れる、
プロペシアでは男性ホルモンを抑えるためにEDなどの副作用が避けきれないとして、
ノコギリヤシのサプリメントを推薦しているのです。
ノコギリヤシについては随分前になりますが、
という記事を書きましたが読んでくださったでしょうか?
その時の結論としては、
ノコギリヤシには育毛効果が期待できそうだが、
科学的根拠が乏しく、
ノコギリヤシの有用性が早く立証されて欲しいものです
という結論にしました。
そこで今回は再び、
ノコギリヤシの育毛効果の科学的根拠を調べてみたのです。
ノコギリヤシは前立腺肥大に効果があるのか?
ノコギリヤシは大西洋沿岸やメキシコ湾岸の砂浜に群生している植物です。
上の写真のように、葉っぱがギザギザしているのでノコギリといわれるのですが、
ヤシといってもヤシの木のように高くはならずせいぜい2~4mの高さにしかならないそうですが、
成長が非常に遅くフロリダでは樹齢500~700年と推定されるノコギリヤシもあるそうなのです。
アメリカインディアンはノコギリヤシの実を食用としたり絞って食用やランプの油として使っていたそうなのですが、
果実を乾燥させて、
- 利尿剤
- 強壮剤
として使っていたそうで、
1960年頃になって欧米で多くの研究や臨床試験がが行われ、
利尿作用や強壮作用に効く有効成分が確認されています。
ノコギリヤシといえば最近、新聞広告を良く目にするのはこの人です。
そう、中尾彬夫妻です。
ノコギリヤシには前立腺肥大を改善する効果があるので、
夜間頻尿に効果があるといわれているのです。
小林製薬は、ノコギリヤシ EXというサプリメントを販売しているのですが、
日本人の軽度前立腺肥大症患者において諸症状において有効かつ安全である可能性が示された
との学会発表を行っています。
ノコギリヤシ・クコの実・ヤマイモ含有食品の日本人軽度前立腺肥大症患者における臨床評価
詳しく見る ⇒ 小林製薬・発表
ノコギリヤシには、遊離脂肪酸の一種であるオレイン酸が含まれていることから、
前立腺肥大症の原因の一つである5α-リダクターゼの生成を抑制したり前立腺の炎症を抑える作用が有るといわれているのです。
厚生労働省は2014年から、「統合医療」情報発信サイトを立ち上げ、
- 民間療法
- 補完療法
- 代替療法
についての科学的根拠(エビデンス)の情報を公開しているのですが、
ノコギリヤシの前立腺肥大症に対する効果については、
- 前立腺肥大に関連する泌尿器症状は軽減されません
- てプラセボと同等の効果しかない
- 症状の改善は認められませんでした。
として、充分な科学的根拠は得られていないと結論しているのです。
ですから、
中尾彬夫妻です。の広告でも「〇〇〇に効果がある」とは宣伝していないのです。
残念です、、、
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ノコギリヤシの育毛効果の科学的根拠
ノコギリヤシの前立腺肥大症に対する効果について厚生労働省では充分な科学的根拠に乏しいとしているのですが、
海外ではノコギリヤシには5α-リダクターゼ抑制作用があるとする科学論文も発表されています。
あなたもご存じのように、
5α-リダクターゼはAGAの原因だといわれています。
男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に変わり、
DHTが髪の毛の成長を止めてしまうのです。
AGAの治療薬であるプロペシアもザガーロも5α-リダクターゼを抑制する作用があるのです。
前回のノコギリヤシについての記事では、
多くの薄毛に悩むヒトのためにもノコギリヤシの有用性が早く立証されて欲しいものです
と結論したのですが、
ノコギリヤシには育毛効果があるとする科学的根拠となる論文があったのです。
今回、丸一日かかって探し出しました。
この論文は、
Efficacy of a Nutritional Supplement, Standardized in Fatty Acids and Phytosterols, on Hair Loss and Hair Health in both Women and Men
詳しく読む ⇒ Journal of Cosmetology & Trichology
というもので、
2017 年6月にイタリアの研究者が発表した論文です。
日本語では、
脂肪酸および植物ステロールを標準化した栄養補助食品の男女における脱毛症や毛髪の健康における有効性
ということでしょうか。
この研究では、
脱毛症のミノキシジル(リアップ)やフィナステリド(プロペシア)などの治療薬には副作用があるので、
副作用の心配がないオメガ 3-6-9、抗酸化物質、天然の5α-リダクターゼ抑制物などを組み合せた栄養複合体による脱毛症の改善効果を調べたというのです。
注意点は、
ノコギリヤシの単一の作用ではなく、
「栄養複合体」とする、
- ノコギリヤシ油
- ルリジサ油
- 亜麻仁油
- 小麦胚芽油
- マツ抽出物由来植物
- ライ麦抽出物
の混合エキスを用いています。
この「栄養複合体」を、
- 脱毛症患者30人
- 6ヵ月間の服用
をおこなって、
- 髪の毛の量
- 毛髪の健康
を調べたのです。
この「栄養複合体」は、
試験管内における試験で、
プロペシアと同等な5α-リダクターゼ抑制作用がある
ことが確認されています。
6ヵ月の服用により、
- 頭皮の血管新生の改善
- 髪の毛の直径の増加
- 発毛数の増加
が確認され、
論文には6ヵ月の服用による脱毛症の改善効果の写真も掲載されています。
栄養複合体はビュリクシール
飲んだだけで薄毛が改善するというのは、
残念ながらノコギリヤシの単一成分ではなく、
- ノコギリヤシ油
- ルリジサ油
- 亜麻仁油
- 小麦胚芽油
- マツ抽出物由来植物
- ライ麦抽出物
の6種類からなる「栄養複合体」ですから、
ノコギリヤシだけの育毛効果ではなさそうです。
この「栄養複合体」は、国内でもSHEE サプリメント という名前で販売されおり、
東京トータル美容クリニックの久保田院長が「ドクターズサプリ」として紹介していたのもこのSHEE サプリメントで、
私も白髪が多かったのですが、ビュリクシールを飲んで1年でほとんど目立たなくなりました
とコメントしています。
これまでは医療クリニックでの販売しかされていなかったようですが、
健康食品という名目で一般に販売も可能になったのですが、
あくまでも健康食品ですから、
- 発毛効果がある
- 抜け毛が減る
という効能効果は宣伝できませんが、
- ノコギリヤシによる5α-リダクターゼ抑制効果
- ヒハツエキスによるtai2の活性化で頭皮血流改善
などが期待できるようです。
を回線の老化を防ぎ毛細血管を修復する効果があるとされ、
- 30代~40代の男性
- 40代~50代の女性
を中心に人気が高まっているようです。
ノコギリヤシの育毛効果について、
前回は、「ノコギリヤシの有用性が早く立証されて欲しいものです」としたのですが、
ノコギリヤシを主成分にする「栄養複合体」には育毛効果がある
と変更させていただきます。
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