フライドポテトで薄毛が治るの真相

 

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。

 

はじめに

今まで、フライドポテトなどは髪の毛にあまり良くなという記事を書いてきました。

その理由の一つは、

トランス脂肪酸は髪の健康に悪いからです。

しかしつい先日、

フライドポテトを食べれば薄毛が治るって本当です
か︖

という質問がありました。

エッ!

と思ってネットで調べてみたら結構な数がヒットするのです。

  マックポテト + 薄毛 → 60,900 件

  フライドポテト + 薄毛 → 62,000件

しかし、

ということで、「フライドポテトで薄毛が治る」は誤報のようです。

どうしてこんなウワサが広がったのでしょうか?

 

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フライドポテトで薄毛が治る?

2月16日のロイターによれば、

フライドポテトを調理する際に使われる化学物質が、毛髪の減少食い止めに役立つ可能性があるとの研究が発表されたが、研究者らは、フライドポテトを食べれば薄毛が治るわけではないと警告した。

とあります。

 

これによれば、

 

フライドポテトを作るときに使われる物質に薄毛の予防に役立つ可能性があるとの研究が日本の研究者によって発表されたが、
研究者らは、フライドポテトを食べれば薄毛が治るわけではないと警告した。

 

というのです。

 

フライドポテトを作るときに使われる物質」というのは、

ジメチルポリシロキサンというシリコンの一種で、マクドナルドがフライドポテトを揚げる時に、油の泡立ちを防ぐために使用しているのだそうです。

 

そのことから、

Newsweekにまで、

マグドナルドのフライドポテトが薄毛に良いかもしれない

と掲載されたのです。

フライドポテトで薄毛が治るは誤報でした

 

 

Newsweekは本社がアメリカのニューヨークにある政治や社会情勢などを扱うアメリカの週刊誌で、発行部数はタイム誌に続く第2位です。

どうしてこんな権威ある週刊誌に間違ったニュースが載ってしまったのでしょうか?

 

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フライドポテトで薄毛が治るの真相

ロイターに書かれた「日本の研究者」というのは、

横浜国立大学・理工学部 化学・生命系学科の福田淳二教授らの研究グループなのです。

 

では、福田教授らのグループは間違った論文を発表したのでしょうか?

 

福田教授らのグループが発表したのは、

下記の論文で、アメリカのBiomaterialsという科学誌に2月1日に掲載されました。

 

Spontaneous hair follicle germ (HFG) formation in vitro, enabling the large-scale production of HFGs for regenerative medicine.

詳しく読む ⇒ 原著論文

 

内容はというと、難しいのでですが、ごくごく簡単にいえば、

ジメチルポリシロキサンの培養器を用いて毛の素の細胞を移植したところ大量の発毛に成功した

という内容でしょうか、、、。

 

この、ジメチルポリシロキサンという物質は、

上に書きましたように、

マグドナルドがフライドポテトを油で揚げるときに、油の泡を消すために使っている

ことから、

 

Newsweek誌が、

マグドナルドのフライドポテトが薄毛に効果があるかもしれない

と面白おかしく紹介したことから、

 

フライドポテトを食べれば薄毛が治る!

として一気に拡散してしまったのです。

 

そのため、

ロイターが福田教授らを取材し、

フライドポテトを食べれば薄毛が治るわけではない

と警告したというわけです。

 

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ジメチルポリシロキサンは薄毛に効果があるのか?

Newsweekの記事を見て、福田教授のもとには、

ジメチルポリシロキサンには育毛効果があるのか?

と、化粧品会社からも問い合わせがあったそうです。

 

ジメチルポリシロキサンというのは液状の物質で、

消泡作用をもつ化合物

であることから、

オナラになる胃腸のガスを少なくする目的で医薬品などにも使われています。

 

キッセイ薬品から発売されているガスコンの主成分ジメチルポリシロキサンで、ガスをコントロールするという意味でガスコンという商品名がつけられたようです。

 

 

 

福田教授らの研究ではジメチルポリシロキサンは育毛効果があったのでしょうか?

 

髪の毛は、毛根部になる毛包と呼ばれる部分にある毛母細胞によって産み出されます。

 

自毛移植では毛包をハゲた部分に移植するのですが、何千本と移植すれば移植の元の部分がハゲてしまうことから、

頭髪の再生医療では「毛包を増やす技術」が課題となるのです。

 

福田教授らの研究は、

マウスにおいて毛包の元となる毛包原基を大量に培養しそれらを移植して毛を再生することができた

という内容だったのです。

 

そして、毛包の元の細胞である毛包原基を培養するときに使われるマイクロウェルアレイチップといわれるシリコン容器にジメチルポリシロキサンが使われたというのです。

 

毛包細胞を培養するのですから、シリコン容器は酸素の透過性のあるジメチルポリシロキサンが最適だったということなのです。

 

 

残念ながら、

マグドナルドのフライドポテトが薄毛に効果があるわけではなく

ジメチルポリシロキサンが薄毛に効果があるわけではありません、、、。

 

しかし、この研究成果により、

毛包の大量培養が可能になれば、

自毛移植が一段と進歩することは間違いありません。

 

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