抗がん剤の治療では副作用がしばしば見られます。
- 吐き気や嘔吐
- 下痢や便秘
- 口内炎
など、さまざまな副作用ですが、
抗がん剤によって髪の毛を作る細胞がダメージを受けるために、
髪の毛やまゆ毛の脱毛もよく見られる抗がん剤の副作用です。
北斗晶さんが乳がんの治療で脱毛したことは有名ですし、
先日亡くなられた有賀さつきさんは抗がん剤の副作用による脱毛でカツラを使っていたそうです。
日本では乳がんが増加しており、日本人女性の11人に1人は生涯で乳がんの経験を持つといわれていますが、
乳がん治療における抗がん剤の副作用ではがん脱毛がしばしば見られるのです。
しかし、
乳がん治療における副作用としてのがん脱毛は回復する!
といわれていることはこのサイトでも何回か書いてきました。
抗がん剤によるがん脱毛を予防する方法も開発されているのですが、
今回は「がん脱毛は回復する!」ということについて再度調べてみました。
がん脱毛は必ず回復するのか?
認定NPO法人キャンサーネットジャパンは、
がん患者が本人の意思に基づき治療に臨むことができるよう、科学的根拠に基づく情報を発信している非営利団体ですが、
がん治療における脱毛については、
一般的に、抗がん剤投与後2〜3週間後で脱毛がはじまることが多いといわれています。
脱毛の程度は人それぞれですが、たいていの人は治療が終わると1~2ヶ月で再生がはじまり、
3~6ヶ月(早い人では2~4ヵ月)経過すると、ほとんど回復します。
とのべ、 さらに、
通常、治療開始後2〜3週間後に脱毛がはじまり、
治療が終わると1~2ヶ月で再生がはじまり、その後3~6ヶ月でほとんど回復します。
多くの場合、抗がん剤による脱毛は一時的なものですが、個人差、治療の組み合わせにより異なります。
詳しく読む ⇒ 治療から再び生えるまで
さらに、
国立がん研究センターのがん情報サービスでは、
放射線治療による脱毛については、
放射線を頭に照射した場合には頭の毛は抜けますが、頭以外の毛は抜けません。
照射を受けた部位の皮膚が皮膚炎を起こし、その程度がひどいと毛根まで影響が及び、通常治療開始2~3週間より脱毛が始まります。
個人差と毛根の障害の程度にもよりますが、治療終了後、2~3ヵ月で毛が生え始めます。
そして、
抗がん剤治療による脱毛については、
抗がん剤による脱毛は一時的なものです。通常1~3週間で抜け始めます
治療が終わると1~2ヵ月で再生が始まり、3~6ヵ月でほとんど回復しますが、個人差、治療の組み合わせにより異なります。
また、脱毛は薬の種類によってその影響が異なります。
と記載されています。
詳しく見る ⇒ 国立がん研究センター
これらから総合的判断すれば、
がん治療によるがん脱毛は回復すると考えて良いのではないでしょうか。
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がん脱毛は回復するが毛質が変わることがある
抗がん剤治療の副作用による脱毛は、
個人差があるものの回復すると考えて良いようです。
しかし、
読売新聞の医療プレミアム・髪の健康相談室において、
横浜労災病院皮膚科の齊藤典充部長は、
がんの患者さんからよく聞く毛髪の悩みとしては、
- 髪の毛の量が4割~6割ほどしか戻らない
- 髪の質が変わった
- 髪の毛が縮れる
- 髪の毛が切れやすい
- 前髪が伸びにくい
- 白髪が増えた
などの相談があると述べています。
詳しく読む ⇒ 医療プレミアム
がん細胞は非常に細胞分裂が激しく、無秩序に増殖して正常な組織にダメージを与えてしまうのです。
そこで、
抗がん剤を投与してがん細胞の細胞分裂を止めるのですが、
髪の毛を作り出す毛母細胞も体の中で一番細胞分裂が激しい細胞で、抗がん剤の影響を受けてしまうのです。
髪の毛には「毛サイクル」という周期があり、
- 休止期
- 成長期
- 退行期
という周期をくり返しているのです。
抗がん剤の影響を受けるのは、細胞分裂が盛んな「成長期」の毛母細胞で、「休止期」にある毛母細胞は影響を受けないと考えられているのですが、
しかし実際には、全ての髪の毛が抜けてしまうのです、、、。
さらには、
まつ毛は髪の毛に比べて成長期が非常に短く休止期が長いという毛サイクルが特徴で、多くのまつ毛は成長期を過ぎた「休止期」にあるのですが、
まつ毛も全てが抜けてしまうのです、、、。
横浜労災病院皮膚科の齊藤典充部長は、
- 抗がん剤は、本当に細胞分裂が活発な細胞だけに作用しているのか?
- どうして休止期にある毛まで抜けてしまうのか?
などを含めて、
抗がん剤による脱毛や回復した毛の性状についても正確には解明されていない
と述べています。
髪の毛の縮れは、生えてから縮れるのではなく、毛包の変形によるのです。
抗がん剤による脱毛が回復しても「縮れるた髪の毛が生えてきた」という悩みがあることから、
毛母細胞だけでなく毛包が影響を受けている可能性もあるのです。
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がん脱毛を早く回復するには
抗がん剤による脱毛は、
- 治療が終わると1~2ヵ月で再生が始まり
- 3~6ヵ月でほとんど回復します
としてもできるだけ早く回復させたいものです。
横浜労災病院皮膚科の齊藤典充部長は、
- 髪の毛の回復には : リアップ
- まつ毛の回復には : グラッシュビスタ
を勧めています。
グラッシュビスタはビマトプロストという主成分とし、
2014年にまつ毛が少ない睫毛貧毛症(しょうもうひんもう)の治療薬として承認されましたが、
がんの化学療法によるまつ毛の脱毛も適応症になっています。
詳しく読む ⇒ グラッシュビスタ
リアップはご存じですよね。
大正製薬から発売されたミノキシジルを有効成分とする育毛剤です。
リアップx5プラスは男性用でミノキシジルの5%溶液ですが、
女性用は「リアップリジェンヌ」でミノキシジルの2%溶液です。
斉藤部長は、
ミノキシジルは頭皮の血流をよ促進するので抗がん剤治療中は使用しない方が良いという情報を見かけるが、科学的には証明されていない。
また、抗がん剤治療終了後いつからミノキシジルを使用したら効果があるかもはっきりと分かっていない。
と述べています。
リアップは一般医薬品で、壮年性脱毛症や女性の薄毛における効果については臨床試験で明らかにされていますが、
がん脱毛を対象にした臨床試験は行われていないため、
したがって
がん脱毛に効果がある
とは科学的根拠はないと言わざるをえないのです。
同じように、
その他にも医薬部外品としての「M-1育毛ミスト」や「ビタブリッドC」など人気の育毛剤がたくさんあるのですが、
がん脱毛に効果がある
との科学的根拠はないのです。
しかし、誤解して欲しくないのですが、
がん脱毛に効果がないのではない
ということです。
がん脱毛に効果があるというためには、
抗がん剤で脱毛した多くの人を対象にした臨床試験をおこなわなければいけないからなのです。
いかがでしたでしょうか。
多くの公的サイトでも「がん脱毛は回復する」と述べています。
希望を持って良いのではないでしょうか。
そして、
抗がん剤治療による脱毛を予防する方法も開発されていますし、
抗がん剤による脱毛に対する保険もあるのです。
心配する必要はありません。
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