日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
たった3ヵ月でフサフサと!
わずか3ヵ月で黒髪がよみがえった!!
こんな育毛剤の宣伝をよく目にします。
そんな効果がある育毛剤なら購入しよう!!!
ついつい、そんな気持ちになってしまいます。
しかし、
そんな簡単に、そんな短時間で薄毛が解消することはあり得ません。
薄毛が解消するためには半年から1年もかかるということを理解してください。
薄毛が3ヵ月で解消することはあり得ない
先日、
『3ヵ月でフサフサな髪がよみがえる』という育毛剤を目にしたのですが、
この育毛剤は本当に効果があるのでしょうか?
という質問をいただきました。
3ヵ月でフサフサな髪がよみがえる
という、育毛剤の効果を私は検証していないので、
- ウソだ!
- あり得ない!!
とも否定できませんし、
かといって、有効な成分が入っていないともいえません。
髪の毛は伸びるスピードを知っていますか?
髪の毛の伸びるスピードは、1日に0.3~0.4ミリにすぎないのです。
したがって、髪の毛が伸びるスピードは、
- 1日に0.4ミリ
- 1ヵ月に1.2センチ
- 3ヵ月で3.6センチ
なのです。
髪の毛は、頭皮の2ミリ程度下にある毛包という部分で作られます。
毛包の下部には毛母細胞があり、毛母細胞の細胞分裂によって髪の毛が産み出されるのです。
髪の毛の伸びるスピードは、1日に0.3~0.4ミリにすぎないのですが、髪の毛は10万本もあることから、
全ての長さ合計すると髪の毛は1ヵ月に300メートル以上も伸びるのです。
毛母細胞は体の中で最も細胞分裂の激しい細胞だと言われます。
がん細胞も非常に細胞分裂が激しい細胞で、抗がん剤の投与で髪の毛が抜けてしまうのは、抗がん剤でがん細胞と同時に毛母細胞の細胞分裂も止められてしまうからなのです。
薄毛を早く治すためには髪の毛の成長スピードを上げれば良いのです。
科学的には毛母細胞の細胞分裂を促進することは可能なのだそうですが、毛母細胞が「がん化」してしまう危険があるのだそうです。
髪の毛の成長は3ヵ月に3.6センチが限界のようです。
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薄毛を解消するには髪の生理を知って下さい
髪の毛には「ヘアサイクル」(毛サイクル)というものがあります。
簡単にいえば、「髪の毛の一生」です。
髪の毛には、生まれたから抜けてしまうまで、
- 成長期 : 髪の毛が生まれて成長する期間
- 退行期 : 成長が止まり抜け毛に向かう期間
- 休止期 : 脱毛し休みの期間
という3つの周期があります。
そして、その周期の長さは、
体の各部位の毛によってサイクルの長さは異なるのですが、
髪の毛のヘアサイクルは、
- 成長期 : 4~6年
- 退行期 : 3~3週間
- 休止期 : 2~3ヵ月
といわれています。
すなわち、髪の毛は、
- 1日に0.3ミリの長さで伸び
- 4~6年をかけて太く長く成長
するのです。
そして、
- 成長が止まり脱毛
- 毛母細胞は休み
- 再び髪の毛を産み出す
というのがヘアサイクルで、ヘアサイクルが1巡するのに正常では4年~6年くらいの期間が必要なのです。
このヘアサイクルを変えることはできませんから、
薄毛の解消は短時間でできるものではないのです。
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プロペシアで薄毛を治すには6ヵ月
育毛剤といわれる国内の製品は4種類に分類されます。
- 医療用医薬品
- 一般医薬品
- 医薬部外品
- 化粧品
医療用医薬品は、医者が処方するプロペシア等。
一般医薬品は、薬局で購入出来るリアップです。
医薬部外品というのは、
厚労省が育毛に効果があると認めた成分を含んでいる育毛剤
ですが、
化粧品に分類される育毛剤にも、“知られていない有効成分”が含まれている可能性があるのですが、
医療用医薬品や一般医薬品は有効性の科学的根拠が立証されています。
その、薄毛治療の医療用医薬品であるプロペシアですが、
国内における臨床試験では、
- 12週以降になって統計学的な有効性が確認され
- 24週以降で明らかな効果が確認された
とされています。
24週とは、6ヵ月です。
医療用医薬品であるプロペシアでも発毛があったと認められるまでに6ヵ月かかるのです。
ただ、プロペシアには使用中止後も副作用が残るというポストフィナステリドシンドロームが問題になっていますから注意してください。
リアップの効果は最低4ヵ月かかる
一般医薬品のリアップではどうでしょうか?
リアップの使用注意事項には、下記の様に記載されています。
有効性は4ヵ月後から認められています
と、記載されています。
医療用部外品や化粧品に分類されている育毛剤にも、
“知られていない有効成分”が含まれている可能性がある
ので、もちろん効果がないわけではありませんが、薄毛を治すには長時間かかると考えていた方が良さそうなのです。
しかし、育毛剤を選ぶ時には、
「3ヵ月で治る」
というような、キャッチコピーに惑わされずに、科学的根拠に注意を払うべきです。
例えば、
AGAといわれる男性型脱毛症を治すには、5α-リダクターゼといわれる酵素をブロックすることが必要なのですが、
フィンジアのように5α-リダクターゼを抑制することが科学的に立証されている育毛剤を選ぶ必要があるのです。
育毛剤を選ぶ時には、
- 3ヵ月などのキャッチコピーに気を取られない
- 有効性の科学的根拠を確認する
ということに注意してください。
育毛剤だけでは薄毛は治らない
では、有効な育毛剤を使えば薄毛は解消するか?、というと、そうではありません。
薄毛を治すためには育毛剤だけでは治りません。
上でも話しましたように、
毛母細胞は体の中で最も細胞分裂が盛んな細胞です。
細胞分裂が盛んだということは、充分な栄養が必要だということです。
植物を育てるときに、成長促進剤をいくら使っても順調には成長しません。
綺麗な花や立派な木を育てるには、
- 日光(環境)
- 土壌(栄養素)
も必要だということと同じように、
薄毛を治すにも、
- 生活環境(睡眠やストレス解消)
- 食生活(栄養)
が必須なのです。
健康的な髪を作るためには身体と同じように健康的な生活や食生活も大切なのです。
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