日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
はじめに
毛髪の再生医療の開発が進んでいますが、実用化には未だ時間がかかりそうです。
髪の毛の再生医療には、iPS細胞や幹細胞を用いて毛根を再生する再生医療。
そして、
自毛の毛根を体外にて増殖して頭皮に戻す再生医療。
さらには、
幹細胞由来の成長因子を用いたHARG療法などのような広義の再生医療などがあります。
最近、PRP療法という毛髪の再生医療に注目が集まっているようです。
PRP療法はスポーツ外科や美容外科で確立された治療法のようですが、
薄毛治療におけるPRP療法とはどんな療法なのでしょうか?。
PRP療法とはどんな治療法か
PRP療法というのは、Platelet Rich Plasmaの略です。
Plateletは血小板、rich は豊富な、plasmaは血漿(血液の液体成分)のことですから、日本語では、「多血小板血漿療法」ということになります。
この、PRP療法は、
1990年頃から、アメリカのマイアミ大学の外科医であるロバートマークス教授らが始めたと言われています。
マークス教授は自著のなかで、
「血小板に含まれる増殖因子は創傷に対して驚異的な治癒力を持っており、血小板は創傷治癒を開始する重要な細胞であることを発見した」と書いています。
血小板は、中学や高校の生物の時間に習ったと思いますが、
血小板 は 血液凝固に必要な因子
なのです。
さらに、
血小板は様々な増殖因子を分泌することも分かっており、
- 血小板由来増殖因子
- トランスフオーミング増殖因子
- 血管内皮増殖因子(VEGF)
- 上皮増殖細胞(EGF)
- 繊維芽細胞増殖因子(FGF)
など、成長因子や種々の作用を持った多くのサイトカイン(局所ホルモン)を分泌するのです。
人間の血液は、
- 血球 : 赤血球、白血球、血小板、リンパ球
- 血漿 : 液体成分
から成っており、
普通は、血小板は血球の1%程度ですが、
PRP療法では、血球を濃縮して血小板の濃度を94~96%まで高め、増殖因子の効果を強化した治療法なのです。
具体的には、
- 自分の血液を20cc程度採血
- 血液を遠心分離して血小板を含んだ血漿と、赤血球とに分離
- 遠心分離後には血漿の下部に高濃度の血小板が集まる(この部分がPRP)
- PRPを自分の目的の部位に注射
という手順です。
PRP療法はどんな症例に有効か
PRP療法では、自分の血液を濃縮して自分に注射するのですが、
- 傷の治癒促進(火傷、肉離れ、骨折、靭帯損傷、アキレス腱炎)
- 火傷
- 皮膚外傷
- 皮膚壊死
- テニス肘
- ゴルフ肘
- 肉離れ
- アキレス腱障害
- 靭帯損傷
などに応用されています。
さらに、美容への応用として、
- 肌の若返り(しわ・たるみ・きめの改善)
- にきび痕
などにおいても施術されており、PRP注入による皮膚組織の若返りを目的とする療法は、自己細胞による若返りを意味するACR療法(Autologus Cell Rejuvenation,)と呼ばれています。
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ヤンキースの田中もPRP療法を受けていた
ヤンキースの田中将大投手は、2014年に右肘靱帯の部分断裂により戦列を離脱したのはご存じですよね、、。
その田中投手が受けたのが、PRP療法です。
通常は、靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)は復帰までに1年以上を要する手術なのですが、PRP療法による保存療法により、最短6週間での復活を目指したのです。
その他にも、
- タイガーウッズ選手は、PRP療法によるアキレス腱断裂の治療や靭帯損傷の治療を行った。
- Jリーガーのウェリントン・ロシャ選手へは、関節内側部痛、特に底屈時の自発痛及び後脛骨筋部分に一致した局所圧痛を認めPRP療法 を行った。
- Jリーガーのレオミレイロ選手は、右膝内側側副靭帯損傷の治療でPRP療法 RP療法を施術した。
など、海外ではNBA、メジャーリーグで活躍するトップアスリート、オリンピック金メダリストなど多くのアスリートがPRP療法で故障のケアを行っています。
国内でも、
- プロゴルファー平塚哲二選手
- プロゴルファー平塚哲選手
- 走高跳日本記録保持者の醍醐直幸選手
など、多くのスポーツ選手がPRP療法の施術を受けているのです。
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PRP療法は薄毛治療に有効か
この、PRP療法が薄毛治療にも応用されているのです。
薄毛治療でPRP療法をおこなっているのは、
アヴェニュークリニック
です。
アヴェニュークリニックは、
- アヴェニュー表参道クリニック
- アヴェニュー六本木クリニック
の2つのクリニックがあり、
- 美容クリニック
- 薄毛クリニック
の診療科があるようですが、
さらに、美容への応用として、
- 肌の若返り(しわ・たるみ・きめの改善)
- 薄毛治療
においてPRP療法をおこなっているようです。
アヴェニュークリニックで行っているのは、
W-PRP療法と言われるもので、PRPでは血小板と血漿ですが、W-PRPには血小板に加え白血球が含ませることで、より多くの線維芽細胞を誘導することが可能で、効果がアップするのだそうですが、薄毛治療ではPRP療法のようです。
アヴェニュークリニックでの薄毛治療におけるPRP療法は、
施術の流れは、
- カウンセリングで、医師があなたの悩み・症状について伺います。
- あなたにあった治療内容を説明し、納得されたら治療を始めます。
- 約15ccの血液を採取し、採取した血液を遠心分離機にかけます。
- 血小板が濃縮された血漿(PRP)を採取し、頭皮の気になる部分に細かく注射します。
という診療・治療手順で、
この療法を、6ヵ月~1年のサイクルで繰り返すことにより、
- 薄毛の解消
- 年齢と共に痩せた髪にハリやコシを取り戻す健毛効果
が期待できるそうです。
なお、
さらに発毛効果を期待したい人は、ミノキシジル(リアップ)などの薬も併用するそうです。
気になる料金は、
PRP毛髪療法
- 1単位2cc/1キット 216,000円
- 同日追加(1キットにつき) 108,000円
だそうです。
これを、6ヵ月~1年のサイクルで頭皮に注射するということですから、、、結構、高額な療法のようですね。
残念ながら、
- 治療効果の実際
- 治療例
は開示していませんから、残念ながらご紹介できません。
「PRP」+「薄毛治療」で検索すると、いくつかのクリニックでPRP療法による薄毛治療を行っているようです。
新東京クリニックでは、
- 1回 : 120,000円
- 5回コース : 500,000円
とのことですから、金額的にはほぼ同じかも知れません。
しかし、PRP療法は、厚生労働省に対する再生医療提供施設としての届出が受理されている医療機関でのみ施術することが許されています。
PRP療法で薄毛治療をするのであれば、金額にとらわれず、厚生労働省への届け出を行っている信頼あるクリニックで行うことをお薦めします。
PRP療法による薄毛治療は、自分の血液の濃縮した血小板を頭皮に注射して発毛を刺激する療法です。
PRP療法は、多くのスポーツ選手の怪我の治療でも施術されており信頼ある治療法です。
薄毛治療の発毛効果は確認出来ませんでしたが、
PRP療法で薄毛治療を行うときには厚生労働省への届け出を行っている信頼あるクリニックを選んでください。
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