日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
毛髪診断士の試験もいよいよ来月上旬です。勉強すること自体は苦痛ではないのですが、受験となると暗記ですから、キツいですね、、、。
今日勉強したのは、毛周期(ヘアサイクル)です、もうこのサイトでもヘアサイクルについては何回も書きましたのでお分かりだと思いますが、
薄毛と毛周期は密接な関係にあり、効果的な育毛には毛周期を理解する必要があるのです。
毛周期(ヘアサイクル)は髪の毛の一生
毛サイクとは、読んで字のごとく、「毛の周期」です。
頭皮のところでは、皮膚にはターンオーバーがあるとお話しましたが、それと同じようなことです。
皮膚は基底層で作られ、基底層 → 有棘層 → 顆粒層 → 角化層 、と順番に押し上げられていって最後には垢(垢)となって剥がれ落ちるのです。
この、基底層で細胞が作られてから、垢となって剥がれ落ちるまでが、皮膚のターンオーバーで、45日です。
髪の毛は、髪の毛の本数と構造のところでご説明しましたように、毛母細胞で産み出されて、成長して、やがて最後には抜け落ちます。
しかし、
抜け落ちた後、毛母細胞は再び髪を産み出しますから、
生まれる → 成長する → 抜ける → 生まれる 、、、、
これが、ヘアサイクル(毛周期)で、毛の一生ですが、抜けて後の再び生えてきますので、周期(サイクル)なのです。
ヘアサイクル(毛周期)は、
- 成長期 : 毛母細胞で髪の毛が作られ、長く太く成長する時期
- 退行期 : 毛母細胞の細胞分裂が止まり、成長は終了している時期
- 休止期 : 髪の毛が脱落し、やがて毛母細胞で新しい髪の毛が産み出される時期
の3期に分けられます。
成長期を、成長期前期、成長期後期 と2つに分ける場合もありますが、明確な区切りがあるわけではありません。
各期間の長さは、
- 成長期 : 4~6年
- 退行期 : 2~3週間
- 休止期 : 2~3ヵ月
と、毛周期(ヘアサイクル)の大部分は成長期が占めています。
体の毛は、一定の期間を経ると自然に抜け落ち、そして、抜け落ちたところから、また新しい髪が生えてくる。
このくりかえしの周期が毛周期(ヘアサイクル)なのです。
髪の毛の本数は約10万本ですが、85~90%の髪の毛が成長期にあります。
また、髪の毛の1本1本、毛周期の時期が異なり、脱毛する時期が違うので、一度にまとめて抜けるようなことはありません。
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髪の毛の長さと毛周期の関係
毛周期は髪の毛の一生ですから、長さがあります。
日本人の髪の毛の寿命は、4~6年と言われていますが、
日本毛髪科学協会の資料によると、
- 男性 2~5年
- 女性 4~6年
だそうですが、中には10年も伸び続ける人もいるそうです。
髪の毛の伸びるスピードは、先日、頭皮の構造のところでお話ししましたように、「1日に0.4mm」ですから、1年で16.5cm
- 男性で一番長い髪の長さ : 73cm
- 女性で一番長い髪の長さ : 99cm
ということになります。
相撲取りの逸ノ城関や遠藤関が関取になってもなかなか髷が結えませんでしたが、1年にせいぜい16.5cmですから、、、。
しかし、テレビのビックリ番組では、もの凄く長い髪の毛を持っている人が出たりしますが、10年も伸び続ける人がいたら2m位になるんですね。
ちなみに、他の部位の毛は、
- まゆげ : 8週間(成長期8週間、休止期13週間)
- 陰毛 : 2~3年(成長期1~1.5年、休止期1~1.5年)
- 手足のうぶ毛 : 36週間(成長期13週間、休止期13週間)
ということで、髪の毛の寿命は他の部位より非常に長いようです。
なお、髪の毛の伸びるスピードは、
- 年齢
- 体質
- 栄養状態
- 季節
等によっても異なり、
男性では17~20歳が髪の最盛期、女性では25歳頃が最盛期で、30歳頃から低下します。
季節では、気温が高くなる4月頃から伸びるスピードが速くなり、7~8月頃がピークで、その後はだんだん遅くなります。
髪の毛が伸びるのは、身長と同じように、成長ホルモンの分泌が盛んな夜に伸び、
それもノンレム睡眠と呼ばれる体も脳も活動が低下する深い睡眠の時ですから、薄毛解消には睡眠の質が重要です。
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薄毛と毛周期の関係は成長期の短縮
さて、
髪の毛の伸びるスピードは男性では20歳頃が最も速く、女性では30歳頃がピークです。
従って、
髪の毛の最盛期は、
- 男性では : 17~20歳
- 女性では : 25歳頃
なのですが、これにはホルモンが大いに関係しています。
薄毛の原因は成長期の短縮
薄毛の原因にはいろいろあるのですが、
最終的には、
毛周期の成長期が短縮する
ことです。
通常、成長期は4~6年で、その間に髪の毛は、長く、太く、成長するのです。
しかし、様々な原因により成長期が短縮し、
- 充分長くならない
- 充分太くならない
その状態で、休止期に入り、やがて抜けてしまうのです。
従って、
髪の毛は、
- ハリがない
- コシがない
髪の毛になってしまうのです。
男性で、ほとんど毛がないほどにハゲた人でも、よく見ると、うぶ毛のような細い毛が生えているのです。
全く毛がなくなってしまうのは、毛母細胞がダメージを受け、細胞分裂を止めてしまった時で、例えば、円形脱毛症や抗がん剤による脱毛のようなときです。
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成長期の短縮はホルモンの影響
成長期の短縮は、男性でも女性でもホルモンの影響によります。
そのホルモンは、男性ホルモンです。
エ?!
女性でも男性ホルモンとお思いでしょうが、女性でも副腎などで男性ホルモンが生産され、脇毛や陰毛などの性徴に関与しているのですが、髪の毛にも影響を及ぼしています。
男性型脱毛症(AGA)
AGAといわれる男性型脱毛症の原因についてはもう良くご存じだと思います。
男性ホルモンであるテストステロンは、髪の毛の毛包部分にある5α-リダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変えられるのですが、DHTは毛母細胞の細胞分裂を抑制してしまうのです。
DHTは、細胞のエネルギー源であるブドウ糖に作用して、エネルギーとなるATPの合成を阻害するため、毛母細胞は蛋白質を作ることができなくなり、細胞分裂を止めてしまうのです。
AGA治療薬であるプロペシア、育毛剤であるフィンジア、プランテルなどが5α-リダクターゼ抑制作用を有していることは良く知られています。
また最近、薄毛が進行している人では、エネルギー代謝に関与するグルコース6リン酸脱水素酵素(G6GPDH)の活性が低下していることも明らかになっています。
女性男性型脱毛症(FAGA)
上に書きましたように、女性の薄毛にも男性ホルモンの影響があるのです。
最近徐々に明らかになっているのが、FAGAといわれる女性男性型脱毛症です。
女性の薄毛の悩みは、閉経前後から見られる頭頂部の薄毛ですが、男性ホルモンの影響があることが分かってきました。
閉経によって、女性ホルモンが急激に減少することによって、相対的に男性ホルモンが増加し、そのことが薄毛に影響しているというのです。
しかし、女性の、FAGAでは5α-リダクターゼが薄毛の原因ではないため、プロペシアなどの5α-リダクターゼ抑制作用のある育毛剤は効果がなく、M-1育毛ミストのような、毛母細胞の細胞分裂のような作用を有する育毛剤が有効なのです。
薄毛の原因は、毛周期における成長期の短縮です。
育毛剤を選ぶ時には、
- 男性では5α-リダクターゼ抑制作用のあるもの
- 女性では毛母細胞の活性促作用のあるもの
が有効です。
毛髪診断士に合格して、もっともっと信頼性のある情報をできるように努力します!!
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