育毛には頭皮環境の改善が重要だといわれます。
どうして薄毛の解消には頭皮環境が重要なのかおわかりですか?。
頭皮と育毛はどのような関係があるんでしょうか?。
毛髪診断士の勉強をしている私が頭皮環境の重要性をお教えします。
目次
頭皮環境はどうして育毛に重要なのか
頭皮とは読んで字のごとく、頭の皮で、約2mm位の厚さです。
頭皮も体の他の部位の皮膚と同じ構造をしています。
頭皮は他の皮膚と同様に3層でできています。
深い方から、
- 皮下組織
- 真皮
- 表皮
となっています。
皮下組織
皮下組織は皮膚の一番下の部位で、大部分が皮下脂肪です。
皮下脂肪は肥満の敵ですが、皮下脂肪には、クッションの役割をしていて、外部からの衝撃を柔わらげたり、外気の熱を伝えにくくして体温を一定に保つ働きをしたりしています。
また、皮下脂肪はエネルギーを蓄える役割もしていますが、蓄えすぎてはいけません。
皮下脂肪は体の部位によっては10mmやそれ以上にもなりますが、頭皮の皮下脂肪は体の他の部分とは異なった代謝をしており、肥満体になっても頭皮の皮下脂肪が増えることはありません。
真皮
真皮は皮下組織と表皮の間の層で、皮膚の大部分を占めていますから、皮膚の本体ともいえる主要な部分で、血管、リンパ管、汗腺などが存在します。
真皮は、大部分がコラーゲンという線維状の蛋白質で、その間をヒアルロン酸などのゼリー状の基質が充塡され多くの水分を含んで肌の潤いを保っています。
また、真皮にはエラスチンといわれる線維状の蛋白質も多く、肌に弾力を与えています。
表皮
表皮は皮膚の一番表面の部位で、体の部位によっても異なりますが、厚さはおよそ0.2mmと非常に薄い膜です。
表皮は非常に薄いのですが、4層に分かれています。
- 角質層
- 顆粒層
- 有棘層
- 基底層
の4層です。
基底層の細胞が細胞分裂をおこなって産み出された細胞が、有棘層、顆粒層、となり、最後に角化して角質層になり、やがて剥がれ落ちるのですが、剥がれ落ちたものがフケなのです。
基底細胞から角化細胞までの過程がターンノーバータイムといわれ約45日です
体の他の部位でも同じように変化し、剥がれ落ちたものが垢(アカ)となるのです。
頭皮には育毛に重要なものが一杯
頭皮には育毛に大事なものがいっぱいあります。
皮下組織から真皮にかけては、毛球といわれる毛を作り出す部分があります。また、血管やリンパ管が縦横に走っています。
また、汗腺であるアポクリン腺、エクリン腺もあり、真皮には皮脂を分泌する皮脂腺がありますが、頭皮の汗腺は手のひらや足の裏に次いで多く、皮脂腺は顔の目や鼻の周囲のTゾーンと言われる部位の2倍もあるのです。
頭皮が乾燥すれば角化層からフケが出、皮脂腺が詰まれば皮脂腺炎に、と、頭皮が健康でなければ健康な髪の毛が作られないのです。
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頭皮環境で育毛が左右される理由
頭皮の中にある器官で育毛に最も重要なのは、皮下組織から真皮にかけて存在する毛包と言われる、髪の毛を産み出す部分です。
毛包は、胎生期に作られ、出生後は作られませんから、髪の毛の本数は胎児の時に決まってしまうのです。
日本人の髪の毛は約10万本といわれます。
詳しく見る ⇒ 髪の毛の本数と構造
髪の毛は、頭皮の皮下組織にある毛球で作られ、毛孔から体表に顔を出すのですが、通常、1つの毛孔から3本くらいの髪の毛が生えてきます。
髪の毛は毛母細胞で作られる
髪の毛は、毛包の下の少し膨らんだ部分の毛球で作られます。
毛球の底部は少し盛り上がり、毛乳頭を形成しています。
毛乳頭の中には血管が入り込み、毛乳頭に酸素や栄養素を供給しています。
毛球部の内部では、毛母細胞が毛乳頭を取り囲んで、毛母を形成しています。
髪の毛は、毛母細胞の細胞分裂によって作られます。
髪の毛が成長するには酸素と栄養素
髪の毛は毛母細胞が作り出します。
- 毛細血管が毛乳頭に栄養素や酸素を届ける
- 毛乳頭細胞が毛母細胞に成長刺激を送る
- 毛母細胞は細胞分裂して髪の毛を産み出す
という過程で、良好な血流が必須なのです。
毛母細胞が細胞分裂をおこない、髪の毛を作り出すには、
- 充分な酸素と栄養素
- 毛乳頭細胞からの成長刺激
が必須なのです。
何らかの理由で、頭皮の血流が悪くなり、充分な酸素や栄養素の供給が滞れば毛母細胞の低下し、髪の毛の成長が悪くなるのです。
髪の毛の1ヵ月に1,200m伸びる
この続きは、明日にアップいたします。
髪の毛の成長速度は、1日に0.3~0.4mmです。
1ヵ月で1.2cm
です。
ですから、多くの育毛剤の宣伝のように、
- 3週間で黒々
- 1ヵ月でフサフサ
などということはあり得ないのです。
1ヵ月で1.2cmを少ないと思いますか?
1ヵ月で1.2cmを多いと思いますか?
しかし、髪の毛は10万本あります。
1ヵ月で1.2cmでも、
10万本のトータルでは、
1ヵ月に1,200mも伸びるのです。
1,200mという長さは、あのオリンピックの400mリレーの3倍の長さです。
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髪の毛が伸びるには充分な栄養と酸素が必要
先にも書きましたように、髪の毛は毛母細胞の細胞分裂によって産み出されます。
私達の体は、常に細胞分裂によって成長し、作り替えられているのですが、
毛母細胞は体の中で最も細胞分裂が盛んなところなのです。
がん細胞も非常に細胞分裂が盛んで無限に細胞分裂をおこなって増殖するために私達の体はダメージを受けてしまうのです。
がんの治療では、がん細胞の細胞分裂を止めるために、放射線療法や抗がん剤の投与をおこなうのですが、
放射線療法や抗がん剤の投与によって脱毛するのは、毛母細胞の細胞分裂もストップしてしまうからなのです。
毛母細胞が細胞分裂をおこなうためには、
- 充分な酸素
- 充分な栄養素
が必要なのです。
酸素も、栄養素も、頭皮の毛細血管によって運ばれます。
頭皮環境が悪くなって血流が滞れば、酸素や栄養素の供給が悪くなり、毛母細胞の細胞分裂が低下してしまうのです。
以前に、「薄毛の男性は頭皮が硬い」という記事を書きましたが、読んでいただけたでしょうか?。
頭皮の環境が悪くなれば、育毛が滞ってしまうのです。
育毛薬のリアップの作用は、「血管拡張作用」です。
リアップの化学成分であるミノキシジルは高血圧の薬で、血管を広げる効果があるのですが、副作用として発毛促進が見つかり、育毛薬に転用されたのです。
その他にも、多くの育毛剤には、サイカプシンなどの頭皮の血流を改善する作用のある物質が含まれているのはそのためなのです。
いくら高価な育毛剤を使っても、頭皮の環境が改善されなければ、充分な効果が望めません。
髪の毛は1ヵ月に1,200mも伸びるのです。
育毛には頭皮が健康であることが大事なのです。
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