日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
毎日続くこの暑さ。
暑くても仕事のために帽子やヘルメットを被らなければならない人は沢山います。
帽子やヘルメットを被れば頭はムレムレ、、、。
帽子やヘルメットを被ることはハゲの原因になるのでしょうか?。
帽子やヘルメットはハゲの原因?
冬は暖かくて良いのですが、夏のこの暑さの中で帽子やヘルメットを被ると頭はムレムレです。
いくら安全のための帽子やヘルメットだと言っても、頭髪に対する影響が心配ですよね、、、。
2016年1月に、「帽子内環境研究会」が発足しました。
帽子内環境研究会は、
- 北里大学医学部寄附講座再生医療形成外科学 の佐藤明男教授
- 九州工業大学の小西直樹准教授
- 順天堂大学の和田裕雄准教授
などの研究者が中心になり、
- 帽子内の湿度、温度や血流など、帽子を被った状態がどのような環境になっているのかを科学的に検証し
- 頭皮に対する影響を探る
という目的で設立されました。
佐藤明男教授は、頭髪治療の東京メモリアルクリニック・平山の院長も務めているのですが、今までに頭皮や毛髪に関して悩みを持つ患者10,000人以上を診療してきたのだそうですが、
帽子は頭皮や髪に影響があるのですか、、、
との質問を度々受けたのだそうです。
帽子内環境研究会によれば、国内に、何らかの理由で、
1週間に2時間以上帽子を被る人は2,000万人以上
もいるのだそうです。
その中で最も多いのは、
- 工場作業員 : 約740万人
- 土木・建築作業員 : 約400万人
仕事上で帽子の着用は安全面や衛生面で、また夏場において屋外で労働する人にとっては熱中症の予防など労働環境を守る上で必需品ですが、
長時間の帽子やヘルメット着用では頭が蒸れるから頭髪に悪そう
というイメージを持っている人が多いものの、
帽子やヘルメットの着用が頭皮や毛髪にどのような影響を与えているかについての科学的な検証はほとんど無く、
- 帽子やヘルメット被ることにより帽子内の環境がどのように変わるかを科学的に検証し
- 帽子やヘルメットの着用に対する適切な対処法を探る
という趣旨の元に設立されたのです。
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帽子やヘルメットの中は劣悪な環境
帽子内環境研究会は、2016年5月30日、「
帽子内環境研究会発足メディアセミナー」を開催し、
「ヘルメットを被り肉体労働をした想定」で簡易実験を実施し、頭皮や毛髪が晒される環境データを発表しています。
この実験は、4月13~17日の5日間、東京で行われたのですが、
- 成人男性51人
- 新品のヘルメットを被り
- 自転車型トレーニングマシンで3時間有酸素運動
を行い、
- 運動中のヘルメット内部の温度と湿度をリアルタイムで計測
し、ヘルメット内の環境変化を測定したのです。
さらに、
- 運動前
- 運動後
- 運動後に洗髪した後
において計3回、
- 頭皮の汚れと血流、付着する細菌量を測定
して帽子を被ったことによる頭皮に対する影響をも調べました。
頭皮は汚れている
実験では、帽子を被ることにより頭皮がどの程度汚れるかを検証しています。
- 運動前
- 運動後
- 運動後に洗髪後
の3回、頭皮の汚れを数値化するルミテスターPD-30計測しました。
2. ヘルメットを被っての運動により、頭皮はさらに汚れる
3. 洗髪により運動前、運動後よりも清潔化された
ということです。
51人の被検者の頭皮は、実験前に既に汚れており、食品工場や厨房などの手指の汚れ度のチェック基準よりも汚れていたそうなのです。
ヘルメットを被った運動により頭皮はさらに汚れ、細菌検査では、 ニキビの原因となるアクネ菌や呼吸器感染症を起こす肺炎桿菌など13種の細菌を検出されています。
しかし、
洗髪により細菌数は大幅に減少し、運動前よりも清潔になったそうですから、日頃からの頭皮の手入れが大切です。
研究グループは、
- 帽子を被った後に放置すると頭皮は汚れて菌量が増加する
- 洗髪により汚れや付着した菌を洗浄できる
として、ヘルメットを被った後には必ず洗髪するように薦めています。
ヘルメット内は熱帯地域の環境
ヘルメット内の温度や湿度の変化については、
被帽後30分でヘルメット内の不快指数がレベルD領域に達した
そうですが、
不快指数のレベルD領域とは、
- 熱帯のシンガポールやマレーシア・クアラルンプールの年平均の温度や湿度
- 猛暑で知られる埼玉県熊谷市の8月の平均温度や湿度とほぼ同じ
と、非常に劣悪な環境で、
- ヘルメット内の不快指数は、ほぼ全員が不快と感じる80
だったそうです。
運動中のヘルメットや帽子の中は明らかに不快な環境になっていることが分かりました。
研究会の東京メモリアルクリニック・平山の佐藤明男院長は、
- 今回の実験では、帽子やヘルメットと脱毛の因果関係を明確には解明していないものの、
- 今回明らかになったヘルメット内の劣悪な環境は頭皮や毛髪に悪影響を及ぼす可能性が高い、
したがって、猛暑の夏には、
- 30分を目安に帽子やヘルメットを脱ぐこと
- 水かぶりや洗髪などの習慣化が大切
と結論づけています。
帽子内環境研究会は、かつらや女性用のウイッグについても実証研究を行う計画だそうですから、判明次第、お知らせいたします。
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帽子やヘルメットを被ってもハゲるわけではない
今回の、帽子内環境研究会の実験では、ヘルメット内が劣悪な環境にあることが分かりましたが、脱毛やハゲとの関係までは言及していません。
確かに、亜熱帯並みの不快指数80は毛髪や頭皮に悪影響を及ぼしているわけではありませんが、
ヘルメットを被って仕事をしているヒトがハゲるわけでは有りません。
以前にお知らせしました、「薄毛が多い職業と職種」をお読みくださいましたでしょうか?
薄毛の多い職業とそれぞれの原因や対策をご紹介したのですが、
薄毛が多い職業のランクは、
- 農業
- 漁業
- 自動車などの修理業
- 建築・建設現場
- タクシーや長距離運送業
- 生鮮食品の加工所・売り場
- 介護
- インターネットの仕事
- 旅館・ホテル業
- 夜の飲食業
ということで、
ヘルメットを被る職業は、
4位の建築・建設現場、だけなのです。
薄毛の多い職業として、上位にあるのは、
- 農業
- 漁業
で、ヘルメットを被って仕事をしている人達ではありません。
この職業の共通点は、
- 紫外線
です。
農業や漁業では長時間にわたって髪の毛が強い紫外線や潮風にさらされているのです。
手ぬぐいや帽子を被ってはいるものの、紫外線防止には役立ちません。
その点、ヘルメットは紫外線を遮断する働きもありますから、農業や業業を職業とする人よりはハゲや薄毛が少ないのでしょう。
まとめ
帽子やヘルメットを被っているとハゲや薄毛になるわけではありません。
しかし、ヘルメット内は非常に劣悪な環境ですから、仕事後には充分に洗髪をしてください。
洗髪は、髪の毛だけでなく、充分に頭皮も洗ってください。
帽子内環境研究会の報告でも明らかになったように、頭皮の汚い人が多いのです。
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