タンポポ茶が人気を呼んでいます。
タンポポ茶は戦時中にコーヒーの代用として飲まれたのですが、最近話題になっています。
タンポポ茶には育毛効果があるというのです。
はたして、タンポポ茶の育毛効果には科学的根拠があるのでしょうか?
目次
タンポポ茶・タンポポコーヒーとは
タンポポ茶は、第二次世界大戦中には、ドイツで代用コーヒーとして広く飲まれた歴史を持ちますが、国内でも戦時中のよく飲まれたようで、年配の方は良く知っています。
そんなタンポポ茶ですが、森三中の大島美幸さんが妊娠中に愛飲していたとか、女性誌STORY(ストーリー)のモデルである芳川あずさ”んが不妊治療中に飲んで無事に懐妊したとかで若い女性を中心に人気が復活しています。
タンポポ茶というのはまさしく、あの道ばたに生えているタンポポを使ったお茶です。
コーヒーの代用として飲まれたことから、「タンポポコーヒー」とも呼ばれていますが、タンポポ茶の方が一般的のようです。
しかし、ジャスミン茶のように花を使うのではなく、「タンポポの根」を使ったお茶です。
タンポポの根は漢方薬として使われています
中国では、タンポポの生薬は「蒲公英(ホコウエイ)」と言われ、むくみの改善、冷え性の改善、便秘解消、健胃作用、強肝作用、血圧低下、血糖低下、解熱など、様々な症状に効果があると言われ、欧州でも肝臓や胆嚢の症状や尿路結石等の治療に利用されてきた歴史があります。
タンポポ茶はタンポポコーヒーとも言われるように、風味や味わいがコーヒーに近いのですが、コーヒーに含まれるポリフェノースの一種であるクロロゲン酸化合物がタンポポ茶に含まれているからです。
コーヒーのクロロゲンには強い抗酸化作用があることが知られており、クロロゲンのアンチエイジング作用や薄毛予防効果に注目が集まっています。
タンポポ茶を自分で作る
タンポポ茶はネットで購入出来ますが、自分で作ることも出来ます。
タンポポの根を集めてください、茎や花ではなく、タンポポの根を使うのです。
収穫したタンポポの根の土を綺麗に洗い、1、2センチの長さに切って充分に水にさらし、灰汁(あく)を抜きますが、苦みが気にならないのであれば余り水にさらす必要はありません。
それを天日でよく乾燥させ、軽くフライパンで焙煎しますが、苦みが好きな人は深煎利した方が良いでしょう。
焙煎後に荒熱を取り、ミキサーやフードプロセッサーで粉末にすればOKです。
作り方は至って簡単ですが、タンポポの根を集めることが難しければ購入した方が楽でしょう。
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タンポポ茶の生理的効果
タンポポ茶は漢方薬として使われており、様々な健康効果が期待できます。
その中で、若い女性の間でタンポポ茶が人気を呼んでいるのは、
- 母乳の分泌を良くする
- 生理不順や不妊治療効果
ということです。
タンポポの根には性ホルモンのバランスを整えたり、分泌を促進したりする作用を持つ成分が含まれるているからです。
そして、見逃せないのが、
- 育毛効果
なのです。
タンポポの根の生理的効果について、簡単に説明しましょう。
母乳の出を良くする
森三中の大島美幸さんが妊娠中に愛飲していたと公表し、女性誌STORY(ストーリー)のモデルである芳川あずさんが不妊治療中にタンポポ茶を飲んで無事に懐妊したということでタンポポ茶の人気が出ているのですが、タンポポ茶には母乳の出を良くしたり、母乳の質を良くする効果があることが知られており、妊婦さんや母乳で育児中のお母さんに人気があるのです。
これらの効能はタンポポの根に含まれてる苦味成分によるものと考えられています。
利尿作用
タンポポの根には強い利尿作用があります。利尿作用とは、腎臓に作用して水分のろ過を促進する、水分排泄作用です。
腎臓の尿排泄機能が低下すると、体内に水分が溜まりムクミの原因になるのですが、利尿作用があるタンポポ茶は利尿作用を促進し、腎臓の負担を軽減することから、腎臓の機能の保護も期待できるのです。
健胃作用や強肝作用
タンポポの根に含まれる成分には、胃の働きを活発にする作用があり、胃もたれ、食欲不振などの改善に有効だといわれています。
また、漢方では胆汁の分泌を促進する作用があるとして、健胃効果や強肝効果を期待して使用されています。
冷え性や便秘の改善
タンポポ茶には毛細血管における血液循環を促進させる作用があることから、冷え性の改善が期待できます。
また、緩下作用という便を軟らかくして排便を促進する作用もあり若い女性に人気があるようです
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タンポポ茶の育毛効果
さて、お待たせしてしまいましたが、タンポポ茶の育毛効果です。
タンポポの根は発毛・育毛作用があるとして、薄毛に悩む人に人気のようです。
タンポポの根の漢方薬であるホコウエイ根エキスには育毛・発毛作用があるということについては科学的に証明されています。
漢方薬メーカーである、ツムラ・ライフサイエンス社(ツムラから分社化、現在は(株)バスクリンとしてアース製薬の子会社)が、
ホコウエイ根エキスに含まれる物質に、育毛・発毛に関与しているとHGF(肝細胞増殖因子)が含まれ、
毛包を構造的に強くする三種類の蛋白質(レペチン、トリコヒアリン、インボルクリン)の産生を高める作用があると報告しています。
タンポポ茶の育毛効果の科学的根拠
ツムラライフサイエンス社は、2008年9月に、
- 女性特有の変調による脱毛や薄毛・細毛に着目し、漢方や中医学で、女性機能の正常化のために用いられている生薬の中からホコウエイ根に着目
- HGF(肝細胞増殖因子)産生促進作用」と「毛包・毛髪強化因子の発現促進作用」を新たに発見した
ことを日本生薬学会第55回年会で発表しています。
詳しく見る ⇒ プレスリリース
ホコウエイ根エキスの育毛・発毛効果に関するメカニズムの一つは、HGF産生促進作用であると推測されました。
さらに、ホコウエイ根エキスは、髪のケラチンを束ねたり、毛包の鞘の部分を強化するたんぱく質である repetin、trichohyalin、involucrinの遺伝子発現を高めたことから、毛包を太く強くし、毛髪のハリ・コシを高めることが期待されます。
として、
タンポポの根のエキスが、HGFの分泌を促進することによりマウスの発毛を促進し、さらに、髪のケラチンを束ねたり、毛包を構造的に強くする3つのタンパク質の産生も促進する効果があることがわかった、
と報告しています。
さらに、
当社は今回得られた知見を活用し、ヒトでの効果検証などさらなる研究開発を進め、ホコウエイ根エキスを配合した育毛剤の発売を目指してまいります。
と公表していましたが、
ツムラライフサイエンス社(現、バスクリン)は、髪姫(はつひめ)、髪殿(はつとの)を発売しています。
ちなみに、髪姫の成分は、
- 生薬有効成分 : ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンジンエキス
- その他成分 : 無水エタノール、モウコタンポポ根エキス、牡丹エキス、エタノール
と、タンポポの根のエキスはその他の成分の扱いで育毛作用の主成分は、センブリエキスのようですから、一般的な育毛剤と同じ作用のようです。
タンポポの根のエキスのHGF分泌作用については全くアピールしていないのが残念です。
HGFやIGF-1などは、毛母細胞を刺激する毛髪の成長因子なのですが、これらの分泌を促進する育毛剤もあります。
フィンジアやM-1育毛ミストなどですが、フィンジアはアセチルテトラサイクリンペプチドという今話題の機能性ペプチドの育毛剤ですし、
女性に人気のあるM-1育毛ミストも毛母細胞を活性化する成長因子を分泌させて育毛を促進するのです。
タンポポ茶の原料であるタンポポの根のエキスには育毛を刺激する成分が含まれていることは科学的に証明されています。
しかし、タンポポ茶を飲むと育毛が促進されるかについては定かでないようです。
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