日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
はじめに
先日の毎日新聞の医療プレミアムでは、洗いすぎは髪と頭皮を傷め薄毛の原因との特集でしたがお読みになりましたか?
横浜労災病院皮膚科部長の齊藤医師は、頭皮の皮脂腺が活発な人は抜け毛が多いと信じてるヒトが多いと述べています。
あなたの薄毛も洗いすぎが原因かも知れませんが、大丈夫でしょうか?。
朝晩のシャンプーは洗いすぎで薄毛の原因
最近、女性だけでなく、髪の毛を気にする若い男性が増えています
1日に何度も鏡を見て、髪の毛に触り、抜け毛がないか気にしたり、おまけに、、
1日に3回(朝、帰宅後、寝る前)シャワーを浴びますが、そのたびにシャンプー、トリートメントしています。
1日に3回洗髪することは髪に悪影響でしょうか?
上は、Yahoo知恵袋の質問ですが、「不潔なのは絶対嫌なので、シャンプーは1日3回」というヒトも増えているのだそうです。
テレビのシャンプーのCMでは、江角マキコさんが夏の頭皮ケアについて、頭皮の皮脂量は顔に比べ2倍だとして、皮脂汚れをしっかり洗い流すことが大切だと宣伝していますね、、。
そして、こんな写真も良くでてきます。
皮脂が頭皮や髪の毛をバタべタさせ、フケの原因になったり、臭いの元になる。そして、そのままにしておくと、細菌が繁殖して臭いの原因になると、、、。
確かに、皮脂は頭皮に常在するアクネ菌の出すリパーゼによって脂肪酸に分解され、その脂肪酸に特有の臭があるため、頭髪の嫌な臭いの元になるのも事実です。
また、頭皮に常在するカビの一種であるマラセチア菌も皮脂を遊離脂肪酸に分解し、痒みの原因になることも事実で、マラセチア菌は春から夏にかけて増えることが知られています。
しかし、汚れや臭いが気になるといっても、洗いすぎは禁物です。
横浜労災病院皮膚科部長である齊藤典充医師は、 2016年3月9日の毎日新聞の医療プレミアムで、
「不潔」への不安、洗いすぎが髪と頭皮を傷めつける
と述べています。
齊藤典充医師の病院へも薄毛や抜け毛で相談に来る若いヒトが多いのだそうですが、
- 睡眠時間は1日3時間、食事は1食。でも、シャンプーは毎日しています。
- 絶対不潔にしたくないのでシャンプーは1日に3回しています。
などという話がポロポロと出てくるそうです。
これらのヒトでは、「頭皮の皮脂腺が活発な人は抜け毛が多い」、ということを信じているヒトが多いそうです。
このようなヒトは、抜け毛を防ぐ特別な治療法があると思って受診するのだそうですが、
睡眠や食生活など生活習慣の乱れや髪の洗いすぎが薄毛の原因
と伝えると拍子抜けしてしまう患者が多く、理解してもらうことに苦労しているそうです。
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洗いすぎは頭皮をいため薄毛の原因
皮脂は、皮脂腺と呼ばれる組織から分泌されます。
皮脂腺は、毛が生えている皮膚のどこにでもあり、頭皮では1センチ四方に800個もあり、体中で最も多いそうです。
その他では、 顔、背中、手足との順に多く、続き、顔では、ひたい、みけん、鼻、あごの順で多いそうです。
皮脂が多いというと、脂ぎったヒトや肥満体のヒトを思い浮かべ、皮脂は余計なものと感じてしまいます。
皮脂は髪や頭皮のクリーム
私達の皮脂の成分は、
- ワックスエステル
- トリグリセリド
- スクアレン
で、あなたが顔につけてい栄養クリームと同じ成分なのです。
成分は一緒です。つまり、本来なら、肌に潤いと張りを与える物質なのです。
あなたは、洗顔した後には必ず保湿クリームなどを塗りますようね。
皮脂は、毛穴の奥から分泌され、髪の毛の表面や頭皮を乾燥から防ぐために分泌されているのです。
シャンプーによる洗髪は、髪の毛の表面と頭皮を洗うために行いますが、必要以上に強くゴシゴシとこすったり、1日に何回も洗髪して全ての皮脂を取ってしまうのは髪の毛や頭皮にとって良くないことはあなたもお分かりになりますよね。
「髪の毛の根元に脂がたまって不潔で抜け毛の原因」だと信じているヒトは皮脂には髪の毛や頭皮にとって非常に大切な働きをしていることを理解してください。
あなたの髪の毛や頭皮は、皮脂腺から分泌された皮脂によってコーティングされることによって、乾燥から守られているのです。
過度な洗髪で皮脂を落としすぎると頭皮は乾燥して弱くなり、髪の毛も光沢が失われます。それは、顔や手が乾燥するとガサガサとした乾燥肌になることと全く同じなのです。
フケが多いとして洗いすぎるとさらに乾燥してフケが多くなります。先の、横浜労災病院皮膚科部長の齊藤医師の話でも、フケに悩んでいた人が、調べてみたら髪の洗いすぎにより頭皮が乾燥しすぎて頭皮が荒れていたのが原因、という例が多いそうです。
テレビにおけるシャンプーのコマーシャルでは、頭皮や毛根部に溜まった皮脂、毛穴に皮脂が詰まった写真などが強調され、毛穴に皮脂が詰まって不潔と感じてしまう人も多いのですが、皮脂は不要なものではなく、ある程度ないと頭皮や髪の毛のトラブルの原因になるのです。
「髪の毛は週1回洗えば十分」という皮膚科の医師も居ますが、大昔は洗髪はほとんどしませんでしたし、作家の五木寛之さんは洗髪嫌いで、今は1ヶ月半に1回は洗髪するものの、かつては春夏秋冬の年4回しか洗髪しなかったそうです。
詳しく見る ⇒ シャンプーで薄毛に毛が生えるのか
頭皮の臭いは皮脂の酸化や、頭皮の常在菌が排出する脂肪酸によって生じるのですが、毎日ひどく汗をかくヒトや、仕事上で帽子やヘルメットを1日中被っていなければならないような人でも1日一回の洗髪で頭皮の臭いは充分防止できるのです。
頭皮や髪の毛を清潔に保つことは大事ですが、洗いすぎは頭皮と毛髪の健康に逆効果なのです。
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朝シャンは薄毛の原因
朝シャンとは朝に洗髪する(シャンプーする)ことで、1987年の新語・流行語大賞の新語部門・表現賞を受賞しましたが、朝食を抜いてもシャンプーはするのがおしゃれと、女子高生の間で流行になり、資生堂のCMの「朝のシャンプー」を女子高生達が略して「朝シャン」としたのです。
All Aboutのiモードユーザーに対する調査[男のヘアケア] で、94,346名に「シャンプーをいつするか」を調査したところ、
- 夜1回 : 68%
- 朝1回 : 16%
- 朝と夜2回 : 15%
- 1日3回以上 : 1%未満
- あまり洗わない : 1%未満
だったそうです。
朝に洗髪するヒトが男性でも「朝1回」、「朝と夜2回」を合わせて31%もいるのですが、
朝シャンは、抜け毛や薄毛の元
なのです。
その理由は、朝は慌ただしく、時間が十分でないためにゆっくりと洗えず、
- 頭皮をゴシゴシこすったりする
- すすぎをしっかりしない
- 髪を充分乾燥させない
- 紫外線の影響を受けやすい
ということが髪の毛に悪影響を与えるのです。
特に、これからの夏に迎季節は日差しが強く紫外線も一番強い季節ですが、皮脂には紫外線の保護の皮膜のような働きもしているのですが、洗髪後直ぐには髪の表面に行き渡らず、さらに充分乾燥させないとキューティクルが開いたままで、髪の中まで紫外線の影響を受けてしまうのだそうです。
洗髪後に外出するのは、シャンプーしてから6時間以上経ってからと言われています。
朝シャンプーは気持ちの良いことではありますが、髪にとっては良くないことなのです。
また、髪の毛の成長も成長ホルモンが促しますが、成長ホルモンが最も分泌されるするのは副交感神経が活発になる夜22時~2時の間なのです。
朝シャンだけで夜にシャンプーをしない場合には、毛穴に詰まった汚れや皮脂で毛穴は塞がれたまま放置することになり、髪の成長を妨げてしまうことになるのです。
シャンプーには、髪の毛にやさしいアミノ酸系シャンプーを使うことをお薦めしますが、洗髪は夜にゆっくりとした気分で行ってください。
まとめ
生活習慣の乱れは、髪の毛の状態にそのまま影響を及ぼします。
睡眠時間が短かったり、イライラすると肌荒れを起こしやすくなりませんか?
頭皮も皮膚の一部で、頭皮の中にある髪の毛を作り出す毛母細胞も影響を受け、髪の毛も同じように傷んでしまいます。
髪の毛の成長には、体の他の部分と同じように、蛋白質、炭水化物、脂質、そしてミネラルやビタミンなどの栄養素が必要なのです。
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