日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
女性だけに限らず、男性でも長いまつげに憧れます。
まつげが少し長いだけで顔の印象が変わり、ハーフ顔に間違えられたりします。
まつげが長い人は実は育毛剤で伸ばしていたりするんですね、、、
そして口コミで人気なのが、
そう、まつげを伸ばすといえばルミガンですが、
ルミガンは安全なのでしょうか?
ルミガンってなんだかご存じですか?
ルミガンはどんな薬なのか
まつげを伸ばす、といえばルミガン(Lumigan)ですが、
ルミガンは緑内障治療薬です。
ルミガンは緑内障の医療用医薬品
眼球内では、房水と呼ばれる水分が循環しています。
房水は、内圧を高めて眼球を球状に保つことや、目に栄養分を運ぶ働きがあるのですが、房水が溜まりすぎると眼圧が上昇して視神経を圧迫し、視野が狭くなったり視力が落ちたりする障害が生じます。
これが緑内障です。
緑内障は昔は「青そこひ」と呼ばれていたのですが緑内症と統一されました。西洋人では緑内障になると眼球が青~緑になるのだそうですが、日本人では緑にはなりません。
緑内障の治療では眼圧を下げる作用のある目薬を点眼して眼圧を下げ、視神経の障害を防ぐのです。
そして、緑内障の治療に使われる点眼薬がルミガンです。
ルミガンは、アメリカのアラガン社の製品ですが、国内においては、千寿製薬が製造し、武田薬品が販売しています。
ルミガンは医療用医薬品で医者の処方箋がなければ入手することはできません。
ルミガンの有効成分はビマトプロスト
ルミガンは房水の流出量を増加させることによって眼内圧を低下させる緑内障治療薬ですが、ルミガンは商品名で、有効成分はビマトプロスト(Bimatoprost)という化学物質で、プロスタマイドF2α誘導体で、プロスタグランディンの1種です。
プロスタグランジン (prostaglandin, PG) は、プロスタン酸骨格をもつ一群の生理活性物で、血圧低下、血小板凝集、睡眠誘発、子宮筋収縮、痛覚伝達など様々な作用を示します。
ルミガンはビマトプロストを0.03%の濃度で含む水溶液で、その他には添加物として塩酸、水酸化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸水和物、ベンザルコニウム塩化物、塩化ナトリウムなどが含まれています。
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ルミガンの副作用
ルミガンの有効性や副作用については、ルミガンの添付文書に詳しく記載されています。
添付文書とは医者や薬剤師のために医薬品に添付されている資料で有効性や副作用などが記載されていますが、患者には医者や薬剤師が口頭で説明しますから患者が目にすることはありません。
詳しく見る ⇒ ルミガン添付文書
ルミガンの添付文書には、「承認時の臨床試験での総症例 323 例中 259 例(80.19%)に副作用が認められた」と記載されています。
80.19%は凄い数字です。
ルミガンは眼瞼に対する副作用が多い
ルミガンの副作用は具体的には、
- 睫毛の異常 149 例(46.13%)
- 結膜充血 147 例(45.51%)
- 眼瞼色素沈着 62 例(19.20%)
- 虹彩色素沈着 40 例(12.38%)
- 眼そう痒症 30 例(9.29%)
などです。
一番多い副作用が、「睫毛の異常」ですが、睫毛の育毛剤として使われるのは、
ルミガンは、副作用として「まつげが伸ばす作用」があるのです
その副作用を利用して、「まつげを伸ばす」ために使われているのです。
副作用の中で特に懸念されるのは眼瞼(まぶた)に対する作用で、
重要な基本的注意
本剤の投与により、虹彩や眼瞼への色素沈着(メラニンの増加)による色調変化、あるいは眼周囲の多毛化があらわれることがある。これらは投与の継続により徐々に進行し、投与中止により停止する。眼瞼色調変化及び眼周囲の多毛化については、投与中止後徐々に消失、あるいは軽減する可能性があるが、虹彩色調変化については投与中止後も消失しないことが報告されている。混合色虹彩の患者では虹彩の色調変化は明確に認められるが、暗褐色の単色虹彩の患者(日本人に多い)においても変化が認められている。特に片眼投与の場合、左右眼で虹彩の色調に差が生じる可能性がある。これらの症状については、長期的な情報が十分に得られていないので、患者を定期的に診察し、十分観察すること。投与に際しては、これらの症状について患者に十分説明し、また、眼瞼色調変化、眼周囲の多毛化の予防あるいは軽減のため、投与の際に液が眼瞼皮膚等についた場合には、よくふき取るか、洗顔するよう患者を指導すること。
と記載されています。
その他、添付文書には、「くぼんだ眼 7例(2.17%)」と記載されていますが、アラガン社の医家向けパンフレットには、まぶたが凹んでしまう「眼瞼溝深化」の副作用があると記載されているそうで、この副作用については治療の方法はないそうです。
まぶたに色素が沈着してパンダのようになる「眼瞼色素沈着」、黒目が濃くなる「虹彩色素過剰」、「眼瞼溝深化」など、眼瞼に起きる副作用が深刻のようです。
ルミガンのその他の副作用
その他にも気になる記載があります。
- 妊娠中の投与に関する安全性は確立していない
- 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること
動物試験では流産や早産が見られ、また、乳汁中への移行が確認されているのだそうです。
妊娠中のお母さんの使用は絶対厳禁です。
緑内障の点眼薬としては、ルミガンの他にも、トラタバン、タプロス、キサラタンなどがありますが、いずれも同じ薬効ですから同じ副作用が出る可能性があります。
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ルミガンをネットで購入するのは安全か?
ルミガンは医療用医薬品ですから、国内では 医者の処方箋がなければ入手できません。
インターネットではルミガンの販売サイトがたくさんあり、簡単に、しかも安く購入することができます。
インターネットによる海外からの医薬品の個人輸入は、育毛薬の個人輸入は性機能関係に次いで2番目に多いのです。
詳しく見る ⇒ 個人輸入の実態調査:厚労省
ネットで購入出来るのは海外のルミガン
インターネットで購入出来るのは、国内販売されているルミガンではなく、海外のLumiganです。
国内で医療用医薬品を勝手に販売することは薬事法で禁止されていますが、個人使用の目的で、自己責任で輸入することは認められています。
これらのサイトでは、販売するのではなく、
あなたが海外から医薬品を個人的に輸入することについて代行するという形になっており、ネットの業者はその手続きを代行して注文しているのです。
アメリカでは、アラガン社のルミガンは「まゆげの育毛剤」としての販売も許可されています。
また、ルミガンの主成分であるビマトプロストのアラガン社の特許は切れており、
- ケアプロスト
- ビマトアイドロップス
- ガンフォート
など、インドの製薬会社が製造しているジャネリック品もだいぶ出回っているようです。
世界保健機構であるWHOは、ネット上で販売されている医薬品の60%は模造品だと報告しています。
詳しく見る ⇒ 一般社団法人 偽造医薬品等情報センター
副作用があるから医療用医薬品
あなたもご存じのように医薬品には、
- 医療用医薬品 : 医者の処方箋がなければ入手することができない
- 一般医薬品 : 薬局で自由に購入出来る
の2種類があります。
どうしてこのような区別があるのでしょうか?
それは、
- 医療用医薬品には副作用がある
- 医療用医薬品は医者の監視下で使用する必要がある
からなのです。
海外から医薬品を個人使用の目的で購入することは違法ではありませんが、
副作用についても自己責任なのです。
安全なまつげの育毛剤
安全なまつげの育毛剤はないのでしょうか?
いえ、あります。
ビマトプロスは医療用医薬品
ルミガンは緑内障の医療用医薬品ですが、国内でもビマトプロストが睫毛(しょうもう)貧毛症治療薬として2014年3月に承認されました。
アラガン社と塩野義製薬が共同販売しており、商品名はグラッシュビスタ外用液剤です。
ビマトプロスト0.03%溶液ですから、緑内障治療薬のルミガンと同じですが、ルミガンのように眼球に滴下するのではなく、片眼ごとに、1滴を専用のアプリケータに滴下し、1日1回就寝前に上眼瞼辺縁部の睫毛基部に塗布するのです。
グラッシュビスタは医療用医薬品で、ルミガンと同じように医者の処方箋がなければ入手できませんが、睫毛(しょうもう)貧毛症は保険適用されず自由診療になるため価格は各医療機関で異なるようで70日分で1万~数万円のようです。
ルミガンもグラッシュビスタも両者とも全く同じビマトプロスト0.03%溶液ですから、副作用についてはどうなんでしょう、、、
アイラッシュ ワンが安全
今注目されているのが、
アイラッシュワン( EYELASH ONE)です。
アイラッシュワンは、まつ育成分「ヒト幹細胞エキス」をはじめとする5つの成分を組み合わせて配合した、まつげ美容液としては初めての製品なのです。
まつげ育毛剤が人気ですが、
どれを選ぶかは最終的にはあなたの判断です。
医療用医薬品である、ルミガンもグラッシュビスタを使うときには医師の指示に従って下さい。
医療用医薬品を自己判断で使用するのは危険なのです。
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