乳がん抗がん剤治療を受けた女性のほとんどで髪の毛の脱毛を経験します。
がん細胞を死滅させるためにはどうしても避けられない副作用なのです。
抜けた髪の毛は、時間はかかりますが必ず回復します。
髪の毛の伸びるスピードは、1日に0.4ミリ。
1ヵ月で1.2センチ、1年で12センチと、残念ながらフサフサになるまでは時間がかかります。
しかし、
抗がん剤での脱毛はあなたが考えているほど周囲の方は気にしていないのですよ。
そして、
早く回復するためにはどんなことをすれば良いのかを今から知っておくことも大事なことです。
目次
抗がん剤でどうして脱毛するのか
抗がん剤治療の副作用には、嘔吐、食欲不振、白血球減少などの様々な副作用があり、脱毛も頻繁に見られる副作用です。
脱毛の副作用は、抗がん剤の種類や投与量、投与期間で異なりますが、乳がんで抗がん剤治療を受けた女性のほとんどが髪の毛の大半を失う副作用を経験するといわれます。
一般的に、抗がん剤の治療が始まって2 ~ 3 週間後に髪の毛が抜け始めます。
抗がん剤は癌細胞の細胞分裂を止める
通常、細胞はある程度分裂すると細胞分裂が止まるのですが、がん細胞は無限に増殖を続けて大きくなり、他の臓器を浸食して死に至らしめるのです。
抗がん剤はこの癌細胞の細胞分裂を止め、がんの成長をストップさせる作用があるのです。
抗がん剤ががん細胞にだけ作用すれば良いのですが、他の細胞にも影響を及ぼすことから副作用が生じるのです。
毛母細胞は体で最も細胞分裂が活発
髪の毛は毛根部の毛包という部分にある毛母細胞の細胞分裂によって作り出されます。
髪の毛の成長は1ヵ月に1センチ程度ですが髪の毛は10万本のあり、1ヵ月に伸びる長さは合計で1,000メートルにもなるのです。
毛母細胞は私達の体の中で最も細胞分裂が活発な細胞なのです。
抗がん剤は、細胞分裂が活発な細胞に作用しますので、がん細胞に作用すると同時に、毛母細胞へも作用しその細胞分裂をストップさせてしまうのです。
毛には、成長期、退行期、休止期という「毛サイクル」があり、毛母細胞の細胞分裂は成長期において最も活発におこなわれています。
髪の毛の他にもいろんな部位に体毛がありますが、「毛周期」は、髪の毛、まゆ毛、陰毛など身の部位によって異なりますが、髪の毛は80 ~ 90%が細胞分裂の活発な成長期にあることから、体毛の中で最も抗がん剤の影響を受けやすいのです。
抗がん剤が投与されると血流で全身に運ばれ、がん細胞とともに各細胞の細胞分裂に影響を与えるのですが、
分裂のスピードが遅い正常細胞は、抗がん剤で傷つけられても酵素の働きによって元に戻ることができることから、
抗がん剤の影響が比較的少ないのですが、細胞分裂の激しい毛母細胞や骨髄細胞などに影響を与え、脱毛、白血球減少、貧血、嘔吐、食欲不振などの副作用が引き起こされるのです。
しかし、
最近、抗がん剤を投与する時に頭皮を冷却して頭皮の血行を悪くし、抗がん剤が毛根の毛母細胞にできるだけ影響を与えないようにする、
が開発され、脱毛予防に非常な効果があるのです。
我が国でも開発中で、実用化される日も間近です。
詳しく見る ⇒ リーブ21が抗がん剤による脱毛を抑制
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抗がん剤による脱毛は回復するのか?
がん細胞が死滅したことが確認されれば抗がん剤の投与は終了します。
治療が終了して3 ~ 6 ヵ月、早い人では2 ~ 4 ヵ月を経過すると髪の毛は再び生え始めるといわれています。
生え始めは赤ちゃんのうぶ毛のような細くて柔らかい髪の毛ですが1 年程度でほぼ治療前の状態の髪の毛に戻るといわれていますが人によって様々なようです。
抗がん剤による脱毛の回復には個体差がある
抗がん剤による脱毛の回復状況については余りデータがなかったのですが、
最近、埼玉医大総合医療センターの矢形寛教授らによって、抗がん剤による脱毛の回復について長期的な実態が明らかになりました。
研究グループは、2013年に、
全国47の医療機関で乳がん手術と抗がん剤の治療を受け、抗がん剤治療が終了してから5年以内の1,478人の女性(平均年齢54.7歳)にアンケート調査をおこない、
抗がん剤による脱毛の回復状況を調べたのです。
抗がん剤による脱毛状況
- 全て脱毛/8~9割が脱毛 : 94%
と、乳がんで抗がん剤治療を受けたほとんどの人で、ほぼ全ての髪の毛が脱毛しています。
抗がん剤治療終了後の頭髪の回復状況
脱毛が8割以上回復した人の割合は、
- 1年未満 53%
- 1~3年未満 64%
- 3年以上 62%
ということで、
必ずしも脱毛の回復は年数経過と比例するわけではないようです。
さらに、
抗がん剤の治療から3年以上経過して回復が5割以下という女性が16%もいるのはちょっと驚きで、
通常いわれている、「1年程度で回復する」というわけにはいかないようです。
私だけの情報ではなく、国立がんセンターなどの公的機関のサイトでも、がん脱毛は回復すると述べています、、。
詳しく見る ⇒ がん脱毛は必ず回復するのか?
ウイッグ(かつら)の使用期間
脱毛をカバーするために多くの方がウイッグ(かつら)を使用したと答えていますが、その使用期間は、
- 1年未満 42%
- 1年~2年未満 29%
- 2年~3年未満 5%
- 3年以上 4%
と、かなり長期に亘ってかつらを必要だった人もいるようです。
乳がん治療に伴う抗がん剤による脱毛は
回復するが個人差があり、長期間かかる人もいる
というのが実情のようです。
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抗がん剤治療前にウィッグや帽子の準備を
黒髪は女の命 ともいい、髪を失うことは非常に辛いものです。
しかし、がんを退治し、命が助かるためには一時的に髪の毛を失うことは仕方がありません。
時間がかかっても、必ず再び生えてくるのですから覚悟して治療に専念しましょう。
上に書きましたように、
- 抗がん剤治療を受けた94%がほとんど全て脱毛
するのですから、治療を開始後に脱毛が始まってから慌てないように、抗がん剤の治療が始まる前に医療用ウイッグや医療用帽子を準備しておきましょう。
最近の医療用ウィッグや医療用帽子は機能的にも美容的にも非常に進歩しています。
脱毛は治療を開始して2週間くらいから見られますので、入院中は医療用帽子、退院したら医療用ウィッグが良いかも知れません。
ウエッブ上では、抗がん剤による脱毛を経験した女性のコメントを見ることができますが、本人が気にするほど周りの方は脱毛を気にしていなかった、、とのコメントを多く見ることができます。
周りの方は、がんと闘い辛い抗がん剤の治療を耐えたあなたを褒めることはしても、脱毛を見にくいと思うヒトはいないのです。
がんに打ち勝ったあなたの顔は輝いて見えるはずです。
医療用ウイッグの医療費控除は難しい
最近の医療用ウィッグは非常に優秀でウィッグだとは感じないほど自然なのですが、価格もそれなりに高くなってしまいます。
通常の製品でも10万円台、高いものでは30万に手が届くくらいの価格になってしまいます。
高価格のウィッグほど優れているわけではなく、格安なウィッグでもバンダナと併用したら凄く自然で、ウィッグだとは気づかれなかった、、とコメントしていた人もいました。
それでも高額なウィッグを購入したら医療費の控除はできるのでしょうか?
医療費控除の基本的な考え方
- 治療はOK、予防はNG
- 医師の指示によるものはOK
- 美容や健康目的はNG
ということで、医療用ヴィックは医療用と称されていても医療費の控除が難しいというのが現状のようです。
しかし、「医師の指示によるものはOK」と判断されることもあることから、、「診断書に医療用帽子が必要とか、医療用ウィッグが必要」と記載されていれば認められることもあるようですから、誠に申し訳ございません、担当医に相談してみるべきでしょう。
また、領収書には必ず「医療用」と記載して貰うことが重要です。
しかし、大手保険会社では、がん脱毛に対する保険給付があるがん保険を開始しています。
詳しく見る ⇒ がん脱毛は保険でカバー出来る
抗がん剤脱毛を早く回復するためには
このサイトでは、薄毛や脱毛に有効な食べ物や育毛剤について紹介しています。
抗がん剤による脱毛は加齢などによる脱毛とは原因が異なりますが、「発毛を促進する」ということは同じです。
発毛促進は髪の毛に良い食べ物
毛母細胞が髪の毛を作り出すためには、充分な栄養素が必要です。
髪の毛に重要な栄養は、「まごわやさしい」です。
詳しく見る ⇒ 髪の毛に良い食べ物は「まごわやさしい」
毛母細胞を刺激する育毛剤
抗がん剤による脱毛は、抗がん剤による毛母細胞がダメージを受けたことが原因です。
毛母細胞を活性化するのは、IGF-1やIGF-7だということが分かってきました。
加齢に伴う女性の薄毛は毛母細胞の活性低下によるもので、IGF-1やIGF-7などで毛母細胞を活性化することで回復が早まるのですが、抗がん剤治療による脱毛も同じですから、「M-1育毛ミスト」など、IGF-1やIGF-7などで毛母細胞を活性化する育毛剤が適しているのです。
詳しく見る ⇒ 毛母細胞を刺激するM-1育毛ミスト
また、M-1育毛ミストのように、アルコールなどが含まれていない育毛剤の方が頭皮にもダメージを与えることがないので適しているので、育毛剤を選ぶ時には注意して下さい。
抗がん剤治療による脱毛は必ず回復します
回復期間は人によって異なりますから髪に良い栄養を摂って気長に待ってください
髪の毛は失ってもがんに打ち勝ったあなたの顔は輝いています
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