日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
白髪が気になる、、、
急に白髪が増えてきた、、、
気になると切りが無いほど気になってしまう白髪です。
- 白髪の原因は?
- どうしたら白髪を予防できるのか?
東京医科歯科大学の研究グループは白髪になる原因を解明したと研究論文を発表しました。
白髪の原因が少しづつ明らかになってきましたが白髪の予防はあなたの髪お手入れや食生活が一番のようです。
東京医科歯科大が白髪の原因を解明
白髪の原因はなにか?
なかなか分からなかったのです。
その理由として、「10万本もある髪の毛を、生え替わるまでの約7年間にわたって1本の髪の毛をずっと研究し続けることは困難だからです」といいわけする研究者もいたのですが、白髪の原因はおおよそ分かってきたのです。
2011年2月に、東京医科歯科大学難治疾患研究所の西村栄美教授が、国際科学誌Cell Stem Cell(セルステムセル)に、毛包幹細胞が色素幹細胞を維持する仕組みの関する論文を発表したのです。
詳しく御紹介しますが、
一言で言えば、「17型コラーゲンが白髪と脱毛を抑える」
ということで、白髪ができる原因が随分ハッキリしてきました。
詳しく見る ⇒ 東京医科歯科大学プレスリリース
今回発表した研究の内容は、
17型コラーゲンが白髪と脱毛を抑えており、欠損すると毛包内の2種類の異なる幹細胞間での相互作用による幹細胞維持機構が破綻するため、白髪や脱毛を発症する
、ということなのですが、やや難しいので、順を追ってご説明しましょう。
髪の毛の色の基礎知識
ちょっとその前に、髪の毛の色について復習しておきましょう。
髪の毛の色は肌の色と同じように、メラニン色素に用って色が付いています。
世界中には様々な髪の毛の色を持っている人がいますが、それは、メラニン色素にはユーメラニンとフェオメラニンという2つがあるからです。
ユーメラニンが多いと髪の毛の色は濃く、フェオメラニンが多いと赤みを帯びた色になり、人種によって白色、淡褐色、赤褐色、黒色など多様な色があるのです。
メラニンは毛包部にあるメラノサイトというメラニン産生細胞が作り出しますが、メラノサイトは少し上のバルジ領域という部位にあるメラノサイト幹細胞によって産み出されます。
年齢を重ねるにつれて、どの人種においても、多くの人の髪の毛の色が年を取るにつれて生まれつきの色から灰色や白色に変化していきます。
アメリカ人では、40歳頃には40%以上のヒトで白髪が発生するといわれていますが、日本人でもほぼ同じ率だと思われます。
しかし、日本人の髪の毛の色が黒であるため白髪が目立ちやすく、気にする人が多いのです。
白髪の原因は、バルジ領域という部位にあるメラノサイトを生み出す幹細胞の働きが悪くなり、メラニンを作り出すメラノサイトが少なくなることによることは分かっているのですが、その詳しいことが不明だったのです。
⇒ どうしても気になるときには低刺激の白髪染めを選んでください
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白髪の原因
西村教授が2011年2月に発表した内容は、「17型コラーゲンの欠損が白髪と脱毛を引き起こす」という内容だったのですが、西村教授の研究グループはそれまでにも白髪の原因について多くの解明をおこなっています。
2009年6月には、「黒髪のもとになる色素幹細胞がゲノム損傷ストレスにより分化成熟し自己複製しないため幹細胞が枯渇し白髪になる」ということを発表していますが、順を追って易しく説明していきましょう。
メラノサイト幹細胞のゲノム損傷
ノーベル賞を取った山中伸弥教授の研究でも有名になった幹細胞ですが、幹細胞とは色々な機能を持つ細胞に分化できる能力を持つ細胞です。すなわち、髪の毛になったり爪になったり、様々な臓器に変化できる細胞です。
黒髪の元になるメラノサイトというメラニンを作り出す働きをする色素細胞は、毛包といわれる部分に存在しています。毛包にある毛母細胞は細胞分裂することによって髪の毛を作り出し、成長させています。
メラノサイトはメラニンを作り毛母細胞に供給すると同時に、自分も細胞分裂して多くのメラノサイトを作り出しています。
さらに、
上でも説明しましたように、メラノサイトになる元の細胞は毛包の少し上の部分にあるバルジ領域という部分にあるメラノサイトの幹細胞が生み出しているのです。
- メラノサイト幹細胞がメラノサイトを作り出す
- メラノサイトは細胞分裂してマラのサイトを増やす
- メラノサイトはメラニン色素を作り出す
という流れで、メラニン色素が作られ、髪の毛の黒色が維持されています。
メラノサイトはメラノサイト自身もメラニン色素をも作り出せるのですが、メラノサイト幹細胞にゲノム損傷が起きるとメラノサイトを作り出す能力がなくなってしまうのです。
ゲノム損傷とは遺伝子情報を伝えるDNAが壊れてしまうことで、DNAが壊れてしまうと複製作成能力がなくなってしまうのです。
すなわち、
メラノサイト幹細胞はメラノサイトを作り出せなくなり、しいてはメラニンが不足し、足りなくなってしまうのです。
メラノサイト幹細胞に限らず、ゲノム損傷の原因としては、加齢やストレス、紫外線、たばこ、活性酸素などが考えられていますが、単一の因子ではなく複合要因ではないかとする報告もあり、白髪の原因である、メラノサイト幹細胞のゲノム損傷の原因はまだ良く分かっていません。
17型コラーゲンが幹細胞の維持に重要
黒髪が維持されるためにはメラノサイトが充分にメラニン組織を作り出す必要があり、そのためにはメラノサイト幹細胞からメラノサイトの供給が必要なのです。
メラノサイト幹細胞が存在するバルジ領域には髪の毛を生み出す毛母細胞になる毛包幹細胞も存在しており、毛母細胞の元を送り出しているのです。
西村教授らのグループが今回明らかにしたのは、
バルジ領域にある毛包幹細胞の産生する17型コラーゲンが毛包幹細胞活性を維持し、同時に17型コラーゲンはメラノサイト幹細胞の機能維持にも重要な働きをしていることが分かったのです。
17型コラーゲンはメラノサイト幹細胞とメラノサイト幹細胞の機能を維持し、白髪と脱毛を抑えているのです。
そのメカニズムは、やや専門的になるのですが、毛包幹細胞がTGF−βというシグナルを介してメラノサイト幹細胞の機能を促進制御しているのですが、そのためには17型コラーゲンが必要で、を17型コラーゲンが無いとTGF-βシグナルが失われ、メラニン幹細胞の機能が低下し白髪になるのです。
- 毛包幹細胞が産生する17型コラーゲンは毛包幹細胞の機能維持に必須
- 毛包幹細胞はTGF−βシグナルを介してメラノサイト幹細胞の機能を維持している
- 17型コラーゲンが幹細胞を維持することによって白髪と脱毛を抑制している
ということが明らかになったのですが、
さらに発展することにより、白髪や脱毛の予防と治療、そしてアンチエイジングや再生医療への応用が期待できるのです。
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白髪は治るのか?
白髪を防ぐにはメラノサイト幹細胞の機能維持が重要であることは、理化学研究所・発生・再生科学総合研究センターの西川氏らの研究でも明らかです。
西川氏らは、バルジ領域のメラノサイト幹細胞の活動について詳細に調べています。
毛サイクルの休止期ではメラノサイトはバルジ領域にしか見られませんが、成長期に毛包が形成されるとメラノサイトは毛包の基底部に移動し、メラノサイトはバルジ領域と毛包の基質部の2ヵ所で見られるようになりますが、基質部のメラノサイトは盛んに分裂してメラニンを分泌するようになるのです。
西川氏らは、メラノサイト幹細胞が存在している限りにおいてはメラノサイトが再び活性を取り戻せば白髪が再び黒くなる可能性はあり、「若いのに白髪になったがしばらくして再び黒髪が戻った」ということはあり得ることだと述べています。
しかし、老化に伴う白髪では、このバルジ領域に保存されるメラノサイトが失われるので元には戻らないといいます。
メラノサイト幹細胞のゲノム損傷を防ぐには
西村氏らの研究報告によれば、17型コラーゲンコラーゲンを補うことによりメラノサイト幹細胞や毛包細胞幹細胞が活性化し、白髪や脱毛が抑えられるのですが、残念ながら現時点では17型コラーゲンコラーゲンを人工的に作ることができないのです。
早く17型コラーゲンを作る仕組みが究明できて、抜毛や白髪の予防や治療につながって欲しいところですが、17型コラーゲンコラーゲンの産生を促進するような薬物が開発されれば白髪や脱毛を治療することは夢ではないということです。
なお、西村栄美教授らのグループは、2016年に、
薄毛の原因は17型コラーゲンの減少による
という論文を発表しています。
詳しく見る ⇒ 薄毛の原因はコラーゲンの減少
17型コラーゲンを増やすことができれば、白髪も薄毛も治ると言うことで希望がでてきます。
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白髪を防ぐには食事と、、
白髪の原因はメラニンを産生するメラノサイトを生み出すメラノサイト幹細胞の活性を維持する必要があります。
つまり、幹細胞のゲノム損傷を抑える必要があるのです。
ゲノム損傷の原因としては、
などが挙げられています。
若ハゲを防ぐには髪の毛に良い食べ物と規則正しい生活だということです
しかし、、、
白髪の回復には時間がかかります。
どんなときには染めるのが一番ですが、できるだけ低刺激のものを得たんでください。
詳しく見る ⇒ どうしても白髪を染めたいときには利尻昆布
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