糖尿病は薄毛の原因です
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
「デブはハゲる」と良く言われるのですが、これは科学的根拠があることです。
肥満だけでなく、糖尿病も薄毛の原因だということをご存じですか?
東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎さんは、
糖尿病を治したら薄毛も治ったというのは有名な話で著書まで出されています。
薄毛は糖尿病や心臓病による死亡の予測因子だという研究報告まであるのです。
あなたの薄毛は糖尿病による高血糖が原因かも知れません。
薄毛を治したいなら高血糖を先に治すべきです。
脱毛症は糖尿病・心臓病による死亡の予測因子
男性型脱毛症(AGA)は、男女共に、糖尿病や心臓病による死亡の予測因子であるという研究報告があるのです。
これは、少し前に2013年に台湾の研究グループがJAMA Dermatology誌2013年5月号に発表したもので、
「本所見は、中等度~重度のAGA患者では、糖尿病や心臓病のリスク因子に識別するものとして、メタボリックシンドロームの有無にかかわらず、重大な意味を持つ可能性がある」
と結論しているのです。
詳しく見る ⇒ Association of androgenetic alopecia with mortality from diabetes mellitus and heart disease.
研究グループは、
男性型脱毛症(AGA)は、糖尿病や心臓病による死亡の予測因子になる可能性があるとして、AGA患者と糖尿病や心臓病による死亡との関係について調べたのです。
- 対象は30~95歳の7,252例
- Norwood の分類法にてAGAを評価
これらの対象者を5年間に亘って追跡し、糖尿病と心臓病による死亡を調べたのです。
主な結果は、、
- 追跡期間57ヵ月の間に、糖尿病および心臓病にで70例が死亡
- AGA患者の糖尿病死亡リスクは有意に高い
- AGA患者の心臓病による死亡リスクは有意に高い
AGAの重症度は糖尿病や心臓病による死亡率の上昇と明らかに関連していることが明らかになったのです。
この研究では、AGAと糖尿病や心臓病の死亡による因果関係については言及していませんが、
メンズヘルスクリニック東京の研究グループは、2012年に第16回欧州毛髪学会(European Hair Research Society;EHRS) でAGAと肥満や高血圧、高血糖との関連について発表しています。
詳しく見る ⇒ 日本人男性における肥満、血糖、血圧と男性型脱毛症(AGA)の進行関連
この報告では、AGAが心筋梗塞や狭心症と関連性があることは既に報告されていますが、
AGAの進行には遺伝(親の薄毛の有無)や年齢に加えて、肥満、高血糖、血圧などが関連していることを発表しています。
Sponsored Link
糖尿病では高血糖で血液はドロドロ
よく、「サラサラ血液」、「ドロドロ血液」といいますが、実際の血液はサラサラした水のような血液ではありませんよね。
出血した経験は誰でも持っているはずですが、結構ドロッとしていますよね。
健康な血液では、液体成分である血漿(けっしょう)と、固形である細胞成分(赤血球・白血球・血小板)の割合がおおよど6:4ですから、水と比べたらドロッとして、粘度は水の4.5倍だといわれています。
血液がドロドロになるのは、
- コレステロール量の増加
- 中性脂肪量の増加
- 血糖の増加
- 水分の低下
によって血液の粘度が増し、ドロドロの血液になるのです。
詳しく見る ⇒ デブがハゲる理由
血液がドロドロになると
血液がドロドロ状態になると、正常な血液の流れが阻害され、
- 末梢毛細血管の血液の流れが悪くなる
→ 体の隅々にある細胞まで酸素や栄養素が行き渡らなくなり、細胞の活力が低下する。 - 赤血球の働きが悪くなる
→ 酸素の運搬と二酸化炭素の排泄が順調に行われなくなり細胞の代謝活動が低下する - 白血球の働きが悪くなる
→ 免疫力や抵抗力が低下し自然治癒力も衰える - 老廃物や毒素が体内に溜まりやすくなる
→ 腎機能が低下しでドックスも阻害される - 血栓ができやすくなる
→ 血液の流が悪く血管内壁にくっつきやすくなり血栓ができやすくなる
糖尿病で血糖値が上昇すると、血液の流れが悪くなります。
糖尿病はインスリンの働きが悪くなり血糖値が高くなるのですが、血糖値が高くなると赤血球の柔軟性が悪くなることから変形しにくくなり、赤血球同士もくっつきやすくなり、さらに血液が流れにくくなるのです。
また高血糖は白血球や血小板にも影響を与えるので、糖尿病の高血糖により血液はかなりドロドロ状態になっているのです。
Sponsored Link
血液の流れが悪くなると薄毛になる
どうして糖尿病が薄毛の原因になるのでしょうか?
高血糖による薄毛は頭皮の血行障害が原因だからなのです。
上にも書きましたが、血液がドロドロになると、
末梢の血流が悪くなり、
- 酸素や栄養素の供給が悪くなる
ことが、薄毛の一番の原因です。
髪の毛の成長は毛母細胞の細胞分裂で作られる
髪の毛は、髪の毛の毛根部にある毛包という部分にある毛母細胞によって作り出されます。
髪の毛は、毛母細胞の細胞分裂によって作り出されそして成長していくのです。
髪の毛の伸びるスピードは1ヵ月に0.3~0.4mmと非常に少ないのですが、髪の毛は10万本あるといわれていますから、1本に換算すると1000mも伸びるのです。
これは毛母細胞の細胞分裂によるもので、毛母細胞は体の中でも最も盛んに細胞分裂をおこなっている場所だといわれています。
頭皮の血流が悪くなれば薄毛になる
毛母細胞は非常に激しく細胞分裂をおこなっているのですから、
- 栄養素の供給
- 酸素の供給
は絶対に不可欠で、
これらの供給が滞ってしまうと毛母細胞の活性は低下してしまうのです。
高血糖は頭皮の血行を悪くして毛母細胞の活性を低下させて発毛を抑制してしまうのです。
薄毛は糖尿病の合併症
糖尿病は血液中のブドウ糖の濃度が高くなる病気です。
糖尿病の初期症状はやや疲れやすい、多尿だ、、というくらいでさしたる不都合はないのですが、放置しておくととんでもない事になるのです。
糖尿病では、高血糖が続くことによって起こる合併症が怖いのですが、糖尿病の合併症は高血糖によって、
- 血流が悪くなる
- 血管壁が傷害される
ということによって起こるのです。
糖尿病では合併症が怖いということはご存じだと思いますが、合併症は全て血管の障害によって起きるのです。
糖尿病の高血糖では糖の濃度が増したことによって粘度か高まりドロッとしているのですが、
- 粘度が高くなり血液の流れが悪くなる → 血栓ができやすくなる
- 濃度の高い糖が血管壁を傷害する → 血管壁がもろくなり破れやすくなる
(高血糖がどうして血管壁を傷害するかということについてはまだ良く分かっていません)
糖尿病の合併症は血管障害
糖尿病の合併症は、「微小血管障害」と「大血管障害」に分けられます。
「微小血管障害」も「大血管障害」も、血液中の高血糖によって血流が悪くなったり、血管壁がもろくなって破れたりすることが原因なのです。
- 微小血管障害
糖尿病性神経障害 → 毛細血管の血流障害により知覚麻痺
、最終的には壊死(細胞の死亡)糖尿病網膜症 → 網膜の血管が破れて失明
糖尿病腎症 → 腎小体の血液の流れが悪くなる腎機能が低下し、
最終的には人工透析 - 大血管障害
脳血管障害 → 血管の破裂や血栓により脳梗塞や脳卒中虚血性心疾患 → 血栓による血流停止により心筋梗塞が発症
閉塞性動脈硬化症 → 動脈が硬化し最終的には血栓で閉鎖
高血糖自体は身体に大きな変調がないのですが、放置しておけば生命に関わる合併症が引き起こされるのです。
糖尿病による薄毛は糖尿病合併症の初期症状です。
血糖値が下がれば薄毛が治る
糖尿病による薄毛は血行を回復すれば解消する可能性があります。
あなたもご存じの、リアップは頭皮の血管を拡張して血行を促進する作用のある育毛剤です。
リアップはもともと、血管拡張作用による高血圧薬として開発されたのですが、発毛作用があることから育毛薬として発売されたのです。
糖尿病による薄毛の解消は血糖低下が先決
糖尿病が原因である薄毛を解消するには、高血糖を解消することが不可欠です。
リアップのような血行促進作用のある育毛剤を使えば一時的に薄毛を解消することが可能だと思われますが、高血糖は解消されません。
高血糖が続けば糖尿病合併症を発症してしまうのです。
高血糖を放置しておけば生命に関わる事態になるのです。
高血糖を解消したことによって薄毛が解消したというコメントがWebサイトで見つけました。
糖尿病だと分かったときには、抜け毛が多く、頭頂部はスカスカ状態の薄毛でした。
糖質制限食を開始して血糖値が下がって1年経ちましたが、頭髪も見事に復活しました。
一時はプロペシアを飲もうと考えましたほどですが、現在は安物の育毛剤だけで充分維持しています。
脂物を多く摂るとハゲるといいますが血糖が原因だとは思いませんでした。
糖尿病の高血糖を解消したら、抜け毛が減り、髪の毛が復活したという嬉しい話です。
さらに、
東京医科歯科大学名誉教授で寄生虫学者の藤田紘一郎さんは、
重度の糖尿病でしたが、
糖質制限で糖尿病を治したら薄毛まで治ったというのです。
詳しく読む ⇒ 糖質制限で薄毛が治る
食事療法により血糖値を下げたところ、
- 抜け毛が減った、
- 髪の毛が太くなった、
- ボリューム感が復活した。
という声が多いようですが、毛母細胞の活性化が反映したということです。
毛母細胞の活性が低下する薄毛の特徴としては、毛がなくなるのではなく、細くなる、短くなる、、というような髪の毛になり、最終的にはうぶ毛のような毛になってしまうのです。
ほとんどハゲてしまった方の頭皮をよく見ると全く毛がないわけではなく、うぶ毛状の毛が生えているのです。
うぶ毛のような毛でも、毛根が残っているということで、毛母細胞を活性化させれば、太く長い髪の毛が生えてくる可能性があるのです。
糖尿病の高血糖を下げるには糖質制限食
そして、
糖尿病を改善するには、食事療法が最も有効な治療法です。
血糖低下薬を飲めば、血糖値は下がるのですが、服用を止めれば再び上昇し、糖尿病は全く治っていないのです。
糖尿病を治すには糖尿病体質を改善する必要がありますが、それはあなたの食事療法だけなのです。
食事療法は、糖尿病体質を改善することができます。
ただし、、、、初期の内だけで、重度の糖尿病に陥ってしまえばインスリン注射を生涯続けなければなりません。
糖尿病の食事療法にはいろいろな方法が提唱されていますが、
血糖を上げるのは、炭水化物だけなのです。
血糖値を下げるのは簡単です。
血糖を上げる炭水化物の摂取量を下げれば良いのです。
毎日のご飯を半分に、そして減らした分は肉や魚を食べて良いのです。
血糖値が高いあなたの薄毛は高血糖が原因であることは間違いないでしょう。
しかし、
髪の毛も重要ですが高血糖を早く改善しないと生命に関わる合併症が発症します
詳しく見る ⇒ 糖尿病の食事療法は糖質制限がベスト
糖質制限で薄毛が治るワケでも書きましたが、糖質制限で高血糖が治ると薄毛も治るのです。
関連記事(一部広告を含む)