日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
行きつけのヘアサロンで、「レーザー育毛を取り入れようと思うけど、効果はどうなのか?」と聞かれました。
来店したお客さんに、ヘアカットの途中で15分照射して発毛促進するのだそうです(もちろん有料で!)。
1ヵ月に1回15分の照射で効果あるの?
と聞いたら、
販売メーカーは「充分効果がある!」とのだったそうですが、
本当でしょうか、、、、?
赤色LEDと、低レーザーによる発毛効果についてもう一度調べてみました。
赤色LED光によるLED療法(LEDT)と、低レーザー光線による低レーザー療法(LLLT)とはスペルもにていることから同じものと思われている方も多いようですが、全く違う発毛療法ですから、間違わないようにしてください。
既にこのサイトではLED療法についても、LLLT療法についてもご紹介していますが、今一度、両者を比較してご説明したいと思います。
赤色LEDによるLED発毛療法
赤色LED発毛は、大阪大学 医学部皮膚・毛髪再生医学寄附講座 乾准教授が研究している発毛促進技術です。
赤色のLED光を頭部に照射して発毛を促進しようというものです。
これはNHKニュースでも取り上げられました、詳しくは下記のサイトを見てください。
LEDはLight emitting diode の略で、発光ダイオードのことで、様々な色を出すことができるのですが、青色ダイオードで日本人研究者がノーベル賞を貰ったことは有名ですよね。
LED光を皮膚に当てると様々な治療効果があることは既に知られており、創傷治癒、皮膚瘻か、挫瘡、瘢痕、炎症後に非色素沈着などの治療に使われているのですが、乾准教授の研究は、赤色のLED光を毛根部に照射して発毛を促進しようという研究です。
赤色LEDによる発毛のメカニズム
青色発光ダイオードによる発毛についても研究がおこなわれていますが、
乾准教授の研究は、
LEDの皮膚への浸透は光の波長が長いほど深い、ということからLEDの波長の長い特定域の赤色光を毛根部に照射して、毛母細胞を活性化して発毛を促進しようという研究です。
その研究成果は、「LEDの毛促進作用の可能性とそのメカニズム 皮膚と美容 Vol.45 No.1 2013 」に掲載されていますが、概要をご紹介します。
剃毛したマウスの背中に赤色LED光を1週間に3回、1.0J/cm2の照射をおこなったところ、18日目以降に非照射群に比べて有意に発毛が促進された。
毛乳頭細胞から、FGF-2、HGF、IGH-1などの発毛促進因子の分泌が確認され、発毛を抑制するTNF-α、などは減少した。
結論として、
「赤色LEDは毛乳頭細胞からのHGF、Leptin、VEGF-Aの分泌を刺激し、発毛を促進する」
としていますが、HGF、Leptin、VEGFなどは、毛乳頭細胞から分泌される発毛促進物質で、毛母細胞を刺激して発毛、や毛の成長を刺激するのです。
大阪大学の赤色LEDによる発毛促進の研究は動物実験レベルですが、ヒトにおいては、 ミニョンベルクリニック・院長・小笠原正弘氏が、「可視光領域の狭帯域光照射の発毛効果についての検討; Aesthetic Dermatol 17 216 2007」 という研究をおこなっています。
このLED発毛については、現在も大阪大学で研究が進められていますが、副作用もなく、実用化されれば自宅で手軽におこなえる発毛療法できたいされるところです。
しかし、研究はまだ半ばですが、LED発毛療法は育毛サロンなどで既に実際におこなわれており、LEDを使った育毛器も現在ではネットで販売されていますが、大阪大学の研究ではLEDの波長領域が非常に重要だとしており、
大阪大学の研究 = 市販されているLED育毛器
ではないことを知っておく必要があるでしょう。
アデランスでは、小笠原正弘医師の指導のもとに、超狭帯域LED光による治療も取り入れられているようです。
Sponsored Link
低レーザー(LLLT)発毛療法
LLLT療法とは、Low level laser therapyの略で、低レーザー療法のことで、弱いレーザー光線を用いた治療法です。
大阪大学の乾准教授は、赤色LEDの毛成長促進の研究を始めたきっかけは、
「低出力レベルレーザー治療が毛成長を促進することで知られているが特定領域のLED光も皮膚を浸透するので、、、」
と述べているように、もう既に50年以上前から用いられている医療技術です。
LLLT療法は、極めて弱いレーザー光を患部に当てることによって、
- 血行を促進したり
- 炎症をやわらげたり
- 免疫力をアップしたり
することから、
- リウマチ
- 痛風、五十肩
- 腰痛
- むちうち症
- 捻挫
などの整形外科領域だけでなく、
- ストレス性胃炎
- ストレス性大腸症候群
- アトピー性皮膚炎
- 花粉症
- ぜんそく
などで幅広い診療科で治療に使われています。
LLLTによる発毛のメカニズム
低レーザーによる発毛のメカニズムも赤色LEDによる発毛のメカニズムと同じですが、まだ完全に解明されていないいようです。
- レーザー光が毛根への血流を増加させて毛母細胞を活性化
- 毛乳頭細胞を刺激して毛母細胞の発毛を促進
ということは明確です。
レーザーによる発毛が、ロゲインやプロペシアより有効かどうかについては比較した成績はないので、何ともいえませんが、
化学物質による副作用に不安を抱く人はレーザー発毛を試してみる価値は充分に有ると思われます。
Sponsored Link
赤色LEDとLLLT発毛の比較
これはあなたが一番興味があるところで、安易に決めるわけには生きません。
厳密には、脱毛症患者を、
- 何もしない群
- 赤色LED群
- LLLT群
の3群にわけて発毛状況を比較しなければなりませが実際には不可能な試験です。
LLLT療法はアメリカで開発された技術で、日本の厚労省に相当するFDA(食品医薬品局)が、脱毛症治療において、医薬品以外で初めて認可しています。
LEDについてもNASAをはじめとする機関が研究を進めており、外傷の治療や細胞の活性化に効果があると認められていますが、発毛に関しては大阪大学で研究中の段階ですから、アメリカで承認された技術であるという点から、現時点ではLLLT療法の方が確実だといわざるを得ません。
また、レーザーはLEDと比べて、より皮膚の奥の奥まで浸透すますので、頭皮を刺激して血行を促進し、毛根部の毛母細胞と毛乳頭細胞を活性化させるということではLLLTの方が効果的だと思われます。
しかし、いずれにしても、どちらも毎日続けるということが一番大事なことですから、利便性の高い機器がより有利といえるでしょう。
Sponsored Link
LLLT療法の発毛機器
LLLT発毛療法の機器はアメリカ製が進んでいます。
アメリカでは、2010年頃からハンディータイプの小型レーザー治療器が開発され、家庭用として広く普及しています。
日本でもLLLT発毛療法の機器が販売されていますが、国内の開発メーカーはなく、国内で販売されている機器は全てアメリカの製品を日本の代理店が販売していル状況です。
入手可能な製品は、
- ヘアマックス
- アンドロヘアー
- レイモ
- X5
- i-grow
などの5~6種類の製品があります。
製品を選ぶポイント!
FDAの認可を受けた製品か?
を必ずチェックしてください。
FDAとは、上にも書きましたように日本の厚生労働省に相当する機関ですから、FDAの認可を得ていれということは、「政府機関から有効性と安全性が認められた製品」だということです。
FDAの承認を得た製品かどうかは、FDAのホームページで確認すれば良いのですが、承認された医療機器の数が非常に多いこと、申請者と現在の販売会社が異なったいたりすることから、素人が見分けることは非常に困難なので、私自身も現在日本で販売されている製品がFDAの承認を受けているかどうかの確認に難航しています、、。
確実に断言できるのは、FDAの承認を得ているヘアマックとアンドロヘアーが一番信頼できるということです。
ただし、「アンドロヘアー」は「ヘアーマックスレーザーコム」のOEM製品(外部製造委託品)ですから、ヘアマックスが一番信頼の置ける製品だと思います。
その他、国内で入手可能なLLLT療法製品としては、
- ヘアーレーザープレミアム
- ヘアレーザーX5
- レイモ
- パワーグローコム
- i-grow
があります。
-
1位:ヘアーマックス
アメリカ製でプレミアム版が 65,000円前後。 なんといっても唯一、FDAに承認されたレーザー発毛器ですから、性能では一番信頼性がある機器といえます。 発売開始も10年以上前で、モデルチェンジで改良しているのもヘアマックスだけで、アメリカでももっとも売れている製品です。
プレミアム版は充電式でレーザー数が8個、SE版はコード式でレーザー数は6個です。SE版はアメリカでは販売されておらず、海外向けのようですが、買うのであれば機能も上のプレミアムの方が最終的にはお得でしょう。Laser Combシリーズではレーザー照射口数が一番多いプロフェッショナル12が最上位機種でしたが、レーザーバンドという82個の機種が発売されました(私はこれを使っています)。
詳しく見る ⇒ ヘアマックの詳細を見る
-
2位:ヘアレーザープレミアム
アメリカ製で価格は 45,000円。 他のレザー育毛器は海外品の輸入版ですがヘアーレーザープレミアムは日本人の頭皮環境に合わせてレーザー波長を調節しているとのことです。
-
3位:ヘアレーザーX5
アメリカ製で、価格は 円。 形が他のレーザー発毛器と異なり、ちょっと変わった形をしていますが、レーザー照射口数は15個と多く、レーザー照射範囲は他の機種よりも格段に広いのが特徴。充電式のワイヤレスタイプ。
-
4位:レイモ
韓国製で、価格は43,000程度。 レーザーの照射口は1つレーザー波長は他のレーザー発毛器とは異なり、LEDも付いています。充電式。
-
5位:アンドロヘアー
スペイン製で 価格は55,000円前後。 ヘアマックスの旧式SE版のOEM製品です。OEM製品とは他社製品を別ブランド名で販売するもの、ヘアマックスと商品名が違うだけで器械自体はほぼ同じ。 しかし、価格はOEM商品にもかかわらずヘアマックスとあまり変わりませんので特にメリットはなさそうです。
ランキングは個人的な感想だと考えてください。
正式なランキングを付けるためには全ての機種で効果を試す必要があるのですが、それは不可能です、、(私が使用してのはヘアマックスだけです)。
ヘアマックスはアメリカのFDAが医療機器として唯一認可したLLLT発毛機器です
関連記事(一部広告を含む)