ファイザーからプロペシアのジェネリックが発売されました。
「フィナステリド錠1mgファイザー」
です。
気になるのは価格です。
プロペシアは飲み始めたらずっと飲み続けなければなりませんから、
少しでも安い方が好都合なのですが、
「フィナステリド錠1mgファイザー」の価格は予想よりは高かったようです。
今後、プロペシアのジェネリック・フィナステリドの価格が安くなる可能性はあるのでしょうか、、
目次
ファイザーのフィナステリドの価格
ファイザーが国内でメルクの男性用脱毛症治療薬であるプロペシアの製造販売権を取得したとプレスリリースしたのは2015年の2月でした。
しかし、
プロペシアの有効成分であるフィナステリドの特許満了日は2019年10月までだと言われていますので、多くの医療関係者もプロペシアのジェネリックが発売されるのは2019年10月以降だと予想していました。
予想に反してファイザーは4月6日に、プロペシアのジャネリックであるフィナステリド錠を発売しました。
この背景には、メルクとファイザーの何らかの提携が有ったと思われるのですが、部外者には分かりません。
いずれにしても、ジェネリック発売で気になるのは薬価です。プロペシアは服用を中止すれば再びハゲることから、飲み始めたら止めるわけにはいかないので経済的負担が少しでも少ない方が良いからですね、、、。
プロペシアには薬価がない
プロペシアには薬価がありません。
薬価とは保険償還のために厚労省が統一して付けるのですが、男性型脱毛症は保険適用になりませんので、一般の医療用医薬品のように薬価がなく、また自由診療で全額患者負担になるのです。
しかし、製薬企業が医療機関に卸すときには、「希望価格」を提示します。
プロペシアの希望価格は1錠が250円です。
しかし、これは希望価格ですから、これより安く売ってはいけないということはありません。
- 1錠164円
- 1ヵ月5,400円
というような価格で処方している医療機関もあります。
プロペシアのジェネリック価格は予想より高かった
プロペシアのジェネリックの価格については、同じように薬価基準未掲載の薬で2014年に特許が切れてジェネリックの発売が開始されたバイアグラの価格が参考になります。
バイアグラの価格は50mgで1,500円ですがバイアグラのジェネリック現在の価格1,000円ですから、先行品に比べて約35%ダウンしました。
プロペシア1mgは250円で、30錠では7,500円ですから、バイアグラと同じように17%ダウンすれば4,875円ですが、
現在の価格は安い医療機関でも6,000円程度で20%のダウンに留まっているようです。
しかし、バイアグラのジェネリックの価格も発売当初は1,250円程度で17%のダウンでしたから、
時間が経てばもう少し安く処方する医療機関も出てくると思われます。
実際に、「初回4,200円」という価格で処方している、ル〇ッ〇ンス・クリニックもあるようです。
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ファイザーのバイアグラのジェネリックを検証する
バイアグラのジェネリックの価格を検証することは、プロペシアのジャネリックの価格を予測する上で非常に興味深いことです。
バイアグラのジェネリックも発売当初は高かった
勃起不全治療薬であるバイアグラをファイザーが国内で発売開始日したのは、1999年3月23日でした。
バイアグラもプロペシアと同様に、保険適用外ですから薬価未収載の医療用医薬品ですが、薬価未掲載品の特許満了し、ジェネリックが発売されたのはバイアグラが初めてでした。
バイアグラの有効成分はシルデナフィルですが、バイアグラのジャネリックを製造販売するにはシルデナフィルの物質特許と、勃起不全治療に使うという用途特許が満了になる必要があります。
ファイザーのシルデナフィルの物質特許は2013年5月17日に、用途特許は2014年5月13日に満了し、
これ以降、どの製薬会社でも「生物学的同等性」と、長期保存試験や加速試験などの「薬剤の安定性」を行い、厚労省から製造販売承認を得られれば発売を開始できようになったのです。
ジェネリックの価格は一般的に先発品よりも3割程度安くなるのが通例です。
ファイザーのバイアグラは、50mg錠が1錠1,500円程度で処方されていましたから、ジェネリックの価格は1,000円程度であろうと予測されていました。
しかし、バイアグラのジェネリックを2014年5月26日に発売した東和薬品のジェネリックの価格は1錠1,200円程度で予想よりも高かったのです。
多くのジェネリック発売で価格が下落
その後、各製薬会社からジェネリックが続々と発売されました。
- 2014年5月26日 : 東和薬品がシルデナフィルOD錠を発売
- 2014年8月4日 : 陽進堂
- 2014年8月20日 : あすか製薬(販売は武田薬品)
- 2014年9月9日 : シオノケミカル(販売はアルフレッサ)
- 2014年9月10日 : 大興製薬(販売は本草製薬)
- 2014年9月19日 : キッセイ薬品
- 2014年9月19日 : 大興製薬(販売は麻那堂製薬)
- 2014年9月26日 : 辰巳化学
- 2014年10月1日 : 富士化学工業
なんと、、、9社から発売され、その他にもマイランとテバが発売権の承認を得ているのです。
その結果、、、
1錠が1,000円程度に値下がり
したのです。
このように、
プロペシアについても他の製薬企業がジェネリックの販売を開始すれば、
プロペシアの30%ダウンの価格まで下がると思われます。
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インドのプロペシアのジェネリック
プロペシアのジェネリックと言えば、一番に思い浮かべるのが、
フィンペシアとフィナロです。
フィンペシア はインドのムンバイに拠点を置くシプラ社(Cipla Limited)が製造販売している、プロペシアと同じ有効成分であるフィナステリドを主成分にするAGA治療薬です。
フィナロ もインドのアフマダーバードあるインタス社(Intas Pharmaceuticals Limited)が製造販売するフィナステリドを主成分とするAGA治療薬です。
ファイザーのプロペシアの価格が1錠250円に対して、フィンペシアだと1錠25~32円、フィナロは1錠18~21円です。
プロペシアの年間薬剤費が91,250円に対して、フィンペシアは9,125円~11,680円、フィナロでは6,570円~7,665円で済んでしまうので、インターネットの個人輸入代行業者を通じて入手し、服用している人が沢山いるようです。
インドでは2005年まで、物質特許がなく、製造特許のみで、また、医薬品の国際特許に加盟もしていないのです。
製造特許のみということは、製造法が異なれば、物質特許や用途特許が有効であっても、どこの製薬会社の製品でも勝手に作ることが許されるということです。
各国の批判を受けて、2005年以降は改訂されたものの、国際特許が残っている医薬品でも2005年以前から製造販売されていた薬に関しては特許保有会社に多少の金額を支払えば合法的に発売が可能なのです。
欧米の製薬会社も抗議はするのですが、国際的には非合法ともいえるインドの製薬会社のジェネリックは安価であることから発展途上国の医療において必要不可欠なものになっており、先発品の製薬会社は泣き寝入りするしかないのが現状なのです。
特に、“国境なき医師団”といわれる非営利団体は、国内紛争や自然災害の被害者や貧困者の多い国では病気になっても治療費が支払えず満足に治療も受けられない人のために治療活動をしており、この活動で使われるHIV治療薬や抗生物質、一般医薬品などのほとんどはインドのジェネリック品でまかなわれているのです。
インドのジェネリックは国際法上は非合法なのですが、このような慈善事業が絡んでいることから世界の大手製薬企業では強く批判できないのです。
ネット購入ではニセモノに注意
インターネットを利用しての個人輸入ではフィナロ、フィンペシアの偽物が多く出回っていることから十分注意する必要があります。
ファイザーの調べによると、インターネットで販売されていたバイアグラなどのED治療薬のうちの55.4%が偽造品だったそうです。
さらに興味深いことに、
ネットでED治療薬を購入した人へのアンケート調査では、
- ネット上には偽造品が出回っている
- 偽造品と本物は区別できない
ということを充分に認識しているにも関わらず、
自分がネットで購入したものは本物に間違いない
と矛盾した楽観視していたそうです。
自分の毛髪のためですから多少高くても信頼できるものを選ぶべきです
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