ファイザーのフィナステリドの価格
つい先日、ファイザーからプロペシアのジェネリックが発売されました。
ファイザーのフィナステリドの価格はプロペシアより2割安です。
安いジェネリックは他にもあります。
でも、ジェネリックは価格だけで決めたら危険なことを知っていますか?
目次
ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売
今年2月に、ファイザーは、メルク(国内ではMSD社)のプロペシアのジェネリックについて製造販売の権利を取得したとプレスリリースしました。
詳しく見る >>> ファイザーがプロペシアのジェネリックの権利を取得
しかし、
メルク社のプロペシアの有効成分であるフィナステリドの「物質特許」が切れるのは2019年10月であろうというのが専門家の推測であったので、ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売するのは、早くても2019年10月以降とおよそ5年先であろうと予測されていたのですが、
ファイザーはフィナステリドのジェネリックを2015年4月6日に発売開始したのです。
詳しく見る >>> ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売開始
この背景には、ファイザーとメルクとの間に何らかの提携があったとみられるのですが、我々部外者には伺い知ることは出来ません。
ファイザーのフィナステリドの価格は20%安
ファイザーのプロペシアのジェネリック製品名は、
- 『フィナステリド錠0.2mg・ファイザー』
- 『フィナステリド錠1mg・ファイザー』
です。
詳しく見る >>> ファイザーのホームページ
フィナステリドとは、プロペシアの有効成分の一般名(化合物名)で、ファイザーは敢えて特別な商品名を付けなかったのですね、、、(この背景にも、ファイザーとメルクの提携関係の存在が伺えます)。
さて価格なのですが、『プロペシア』も『フィナステリド錠・ファイザー』も薬価に収載されていませんので、公定価格というものが有りません。
つまり、「男性型脱毛症」は厚労省では疾患として認定していませんので健康保険の適応がありません。健康保険の適応があれば保険償還があるために薬価が決められ、「薬価収載」されるのですが、男性型脱毛症は保険適応がないので薬価に収載されず、製薬会社の「希望価格」で各医療機関に卸されるのです。
これは、ED治療薬のバイアグラと同じなのです、、、。
メルクのプロペシアの希望価格は1mg錠が250円ですから、28錠で7,000円です。
ボリュームディスカウント制度もあり、大量の処方する医療機関には安く卸すようですから、各医療機関で異なり、安いクリニックでは28錠5,500円というところもあるようです。
さて、『フィナステリド錠・ファイザー』の希望卸価格は1mg28錠が5,500円~6,000円程度だとみられており、バルクディスカウントもあるようですので、メルクのプロペシアより20%程度安くなるのではないかというのが医療専門家の予測です。
意外と高かったファイザーのジェネリック
ファイザーのプロペシアのジェネリック価格は意外に高いな、、というのが私の感想です。
ファイザーの超有名品、バイアグラの物質特許は2013年5月17日に満了、用途特許も2014年5月13日に満了したことから、2014年5月26日に国内初のジェネリックが東和薬品から発売され、追随して陽進堂、キッセイ、あすか。テバ、日医工、などがが続々と発売し2014年度末までには合計10社からバイアグラのジェネリックが発売されています。
その価格は、、、
正規品のファイザーのバイアグラ50mgの1錠は1,500円ですが、ジェネリックは50mgの1錠が1,000円ですから、35%安くなっています。
ジェネリックは、「生物学的同等性」と、長期保存試験や加速試験などで「薬剤の安定性」を証明すれば厚労省から製造販売承認が得られるのですから、開発費はほとんどゼロで、非常に安く販売できるのです。
それに比べて、『フィナステリド錠・ファイザー』は高すぎると思われます。
その背景にはメルク社との契約が有るのでは無いかと考えられます。メルク社の物質特許が満了するのは2019年10月ですからそれ以降でなければジェネリックを販売できないのですが、メルク社との何らかの契約があったと思われます。
医薬品会社では委託販売は良くあることで、自社製品を競合他社に売って貰うことは良くあるのです。
ファイザーは販売戦略に「男性患者のQOLの向上」を掲げており、また、ジェネリック医薬品をエスタブリッシュ医薬品として新たな事業部も立ち上げていることから、プロペシアのジェネリック販売について何らかの戦略があったと思われます。
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フィナステリドを安く買うには
プロペシアのジェネリックを安く手に入れるには他にも良い方法があります。
あなたもよくご存じの、「個人輸入」です。
これは全く合法的ですので大いに活用してください。
個人が、自己使用の目的で、国内では未承認の医薬品を海外から輸入することは法律的に認められているのです。
しかし、
- あくまでも個人使用に限る
- 1ヵ月の使用量だけ
という制限があるので、大量に輸入して販売することは出来ません。
ですから、「輸入代行」という形で代行業者が存在しているのです。
プロペシアのジェネリックはファイザー以外に無い
個人輸入代行会社が、「プロペシアのジェネリック」として輸入代行しているのは、正規のジェネリックではありません。
メルクのプロペシアの物質特許が切れるのは2019年ですからそれまでにジェネリックを製造販売することは出来ないのです。
しかし、フィンペシアなどの製造国であるインドは国際医薬品特許に加盟していないので、勝手に製造販売している状況なのです。
インドの製薬会社の状況
上記のような背景から、インドでは製薬業が盛んであり、20,000社を超す製薬会社が存在するといわれていますが、家内工業的な怪しい製薬会社も沢山あるそうです。
第一三共製薬がインドの最大手のジェネリックメーカであるランバクシー社を5,000億円で買収したのですが、わずか6年で売却することになったことをご存じだと思いますが、その理由は、アメリカがランバクシーの主力製造工場の製品には品質上で問題があるとして禁輸処置を講じたからです。
最大手のジェネリックメーカーでもこの有様ですから、20,000社もあるといわれる製薬企業の程度が分かるというものです、、。
詳しく見る >>> プロペシアのジェネリックは安全か
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ジェネリックのメリットは価格だけ?
政府は医療保険費抑制の一環として、ジェネリック医薬品の使用促進政策を進めています。
ジャネリックの普及は、患者の医療費負担を軽減するとともに、医療保険財政の改善に資すると考えられるが、国内のジェネリックの使用割合は、平成23年9月時点で39.9%で、欧米諸国に比べて普及率が低く、平成30年3月末までに、60%以上にする、というジェネリック使用促進施策を進めています。
詳しく見る >> 政府のジェネリック推進政策
ジェネリックのメリットは安いだけ?
しかし、医療保険財政の中で薬剤費の占める割合は15%に過ぎません。
その15%が3割軽減したとしても、政府の財政に大きな影響は無いはずなのですが、果たして我々、患者側のメリットはどうなのでしょうか。
テレビコマーシャルでは、
- ジェネリックは先行品と全く同じ
- ジェネリックの効果は先行品と同じ
といっていますが、これは間違いです。
同じ有効成分が同じ量だけ含まれている
というだけで、「全く同じ」でも「効果が同じ」ではないのです。
例えば、プロペシアの錠剤は200mg位の重さで、有効成分であるフィナステリドが1mg含まれていますが、その他の199mgは、先行品とジャネリックでは全く違うのです。
199mgの部分には、
- 有効成分の安定性を保つ
- 有効成分の吸収をよくする
- 有効成分の血中濃度を一定に保つ
など、薬の効果に関するノウハウがぎっしり詰まっているのです。
ジェネリックでは、「生物学的同等性」と、長期保存試験や加速試験などで「薬剤の安定性」を証明すれば厚労省から製造販売承認が得られるので、「薬の効果」や「薬の副作用」などは全く調べられていないのです。
医者も飲まないジェネリック
メドビア社が医者を対象におこなったアンケート調査では、
ジェネリックを積極的に服用している : 11.9%
との結果が得られています。
また、服用するのは、「胃薬」、「風邪薬」などで、慢性病の薬ではジェネリックを服用しない、と答えています。
その理由は、効果が異なる、効き方が違う、副作用が心配、、などと答えています。
このブログでは、あえてジャネリックを否定するつもりはありませんが、
薬剤費が安くなることは好ましいことですが、現在のジェネリックの審査基準では、
- 「生物学的同等性」
- 「薬剤の安定性」
の2点しか調べられていないということだけは知っていただきたいと思っています。
プロペシアのジェネリック、「フィナステリド錠・ファイザー」の価格は2割安です
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