ハゲより怖いプロペシアの副作用

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。

 

はじめに

プロペシアは男性用脱毛症の医療用医薬品です。

医療用医薬品とは医師が診療後に処方する医薬品で、

医療機関で処方を受けて服用している人は50万人、

ルネッサンスクリニックのプロペシア価格

 

個人輸入やインターネットで購入して服用している人は100万人ともいわれています。

個人で入手しているひとは、

プロペシアの副作用を充分に知っていますか?

プロペシアの副作用はハゲより怖いのです。

プロペシアを服用するなら医者の処方を受けるべきなのです。

 

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個人輸入での服用者が多い

プロペシアは男性型脱毛症における唯一の医療用医薬品です。

医療用医薬品とは、医者が診察して処方する薬のことで、薬局などで購入することは出来ません。

プロペシアは、アメリカのメルク社の製品ですが、国内ではメルク社の日本法人・MSD社(旧万有製薬)が2005年に発売しています。

プロペシアは発売されてから10数年を経過し、服用している患者は50万人程度といわれていますが、

インターネットでの個人輸入などにより服用しているヒトも含めれば150万人はいるといわれています。

 

インターネットでの購入は、医者の診察を受けなくても入手できる、

医者の診察を受けて入手するより安く手に入るなどの理由で個人輸入で服用している人が多いのですが、

プロペシアは医学の知識がないヒトが勝手に服用することは危険な薬なのです。

MSDのプロペシア

 

プロペシアを詳しく知るためには

プロペシアを詳しく知るには、「添付文書」と「インタビューフォーム」を見るのが一番です。

風邪薬などの一般医薬品にも添付文書がついていますが、医療用医薬品の添付文書は私達が見る機会はなかなかありません。

また、「インタビューフォーム」は薬剤使用の書類で、患者が目にする機会はありません。

プロペシアの添付文書

添付文書というのは、医薬品、医療機器などに付いている、警告、使用上の注意、その他の重要事項を記載したもので、医薬品の使用者や医師、薬剤師に向けて製品情報を記載した書類です。

薬事法において医薬品や医療機器には添付文書を添付することが義務付けられているのですが、患者は薬局で薬だけを手渡されますから、見る機会はありません。

 

詳しく見る >> プロペシアの添付文書

プロペシアの添付文書

 

プロペシアのインタビューフォーム

また、医薬品にはインタビューフォームというものも有ります。

インタビューフォームとは、日本病院薬剤師会が発売中の医療用医薬品に対し製薬企業に作成を依頼している書類で、添付文書では不十分な情報を補足したり、薬剤師が医薬品を理解したり評価するために提供される解説書のようなものです。

製品の薬学的特徴、製剤の安定性、注射剤の溶解後の安定性、使用上の注意の設定理由、毒性などといった薬剤師が必要とする医薬品情報で、添付文書では十分に得られない情報が記載されています。

 

詳しく見る >> プロペシアのインタビューフォーム

 

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プロペシアを詳しく知ろう

「添付文書」と「インタビューフォーム」を紹介しましたが、専門家向けの文書ですからなかなかわかりにくいと思います。

そこで、私が要点を分かりやすく解説させていただきたいと思います。

 

ポイント1 : プロペシアは前立腺の薬だった

プロペシアの有効成分は、フィナステリドという化学物質です。

プロペシアの有効成分

フィナステリドは当初は前立腺肥大や前立腺癌の治療薬として開発されたのですが、開発の途中で育毛作用があることが判明し、

服用量を1mgに下げて、男性型脱毛症の治療薬として認可されたのです。

 

ポイント2 : 男性型脱毛症にしか効果がない

プロペシアはAGAとも言われる男性型脱毛症の治療薬です。

ハゲには大きく分けてM字ハゲ、O字ハゲがありますが、プロペシアはM字ハゲの治療薬です。

M字ハゲといわれる男性型脱毛症の原因は、男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼという酵素によって産生されるジヒドロテストステロン(DHT)が発毛を阻害することによるのです。

DHTが髪の毛の成長を抑制

プロペシアは、5α-リダクターゼを抑制してDHTの産生を抑える薬ですので、男性型脱毛症以外のハゲには効果がありません。

 

ポイント3 : 誰にでも効果が有るわけではない

プロペシアの発売前に国内でおこなわれた臨床試験では、プロペシア1mgの服用で、男性型脱毛症の改善効果が認められた男性の割合は、

  • 1年間で58%
  • 3年間では78%

これを高いと判断するか、低いと判断するかは意見が分かれるところですが、医者の処方薬を1年間服用しても60%の患者しか完治しないとしたら、、、

さらに、某のクリニック等のデータによれば、薄くなっている頭部が、

フサフサになった著明改善は、前頭部で2%、頭頂部で6%くらい

だそうですから、現状維持程度の効果だと考えた方が良さそうです。

 

ポイント4 : 発毛までには6ヵ月かかる

プロペシアの服用は毎日1回服用する必要があります。

発毛効果が現れるまでに6ヵ月はかかります。

プロペシアの発毛は6ヵ月必要

上図は発売前に国内でおこなわれた臨床試験成績です。

発毛は頭頂部の写真判定で評価されましたが、統計学的に有意な発毛が確認されたのは24週以降です。

毎日飲み続けても1ヵ月や2ヵ月で発毛を実感できることはありませんから、

半年間は服用を続けることが必要です

 

ポイント5 : 服用を止めたら再びハゲる

プロペシアの作用は、上に書きましたように、

男性型脱毛症の原因である、ヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑えるために5α-リダクターゼを抑制するというものです。

DHTの産生が抑えられれば発毛が促進する方向に動きますが、プロペシアの服用を止めれば再びDHTが産生され、発毛が抑制されることになります。

男性型脱毛症を治療するためにプロペシアを飲み始めたら、

プロペシアは生涯にわたって飲み続ける必要があります。

 

ポイント6 : 性機能と肝機能への副作用がある

プロペシアの副作用として、性機能障害、肝機能障害が上げられています。

性機能に関する副作用は、

  • 性欲減退
  • 勃起障害
  • 射精障害

です。

発現率は、1~5%です。

プロペシアには勃起不全の副作用がある

プロペシアを処方している発毛クリニックや個人輸入代行会社では、「たった1%」と過小評価していますが、性欲減退、勃起不全の性機能に関する副作用があることには間違いがないのです。

詳しく見る >>> プロペシアの性機能に関する副作用は本当です

プロペシアの副作用

また、プロペシアには肝機能障害の副作用も報告されています。

肝臓に不安のある方は服用するべきではないので、受診時には肝機能の検査をして貰う方が賢明です。

また、プロペシアの服用中に体がだるさなどの異常を感じたら担当医に必ず相談することが必要です。

 

ポイント7 : 未成年男性と女性は服用してはいけない

プロペシアは男性型脱毛症の医薬品ですが、

20歳未満の男性は使用できません。

これは、国内での臨床試験が成人男性を対象にしておこなわれたため、未成年男性での使用成績がないためで、今後も未成年男性への適応が認可される可能性はありません。

未成年男性が使えば“害がある”というわけではありませんが、副作用の1つに「性機能に関する副作用」のあることが明記されていますので、服用しない方が賢明でしょう。

 

また、女性も服用することは許可されていません。

プロペシアの有効成分であるフィナステリドは男性ホルモンに関与する薬であるためです。

さらに、「妊婦は触れることも禁じられ」ています。もしあなたが服用中で奥さんが妊娠中であれば注意してください。

また、お子さんがおられるのであれば厳重に保管してください。

 

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ポイント8 : 前立腺癌の検診では要注意

プロペシアは前立腺肥大や前立腺癌の治療薬として開発された薬です。

プロペシアは、男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼという酵素によって産生されるジヒドロテストステロン(DHT)が発毛を阻害するため、5α-リダクターゼを抑制してDHTの産生を抑えるのですが、DHTは前立腺細胞の増殖にも関与しているので、プロペシアを服用しているヒトにおいては前立腺癌の検診で正常な検査成績が得られないためです。

プロペシア服用しているヒトは、前立腺癌の検診では服用していることを医師に伝えることを忘れないようにしてください。

前立腺癌の発見が見落とされる可能性があります

 

ポイント9 : 服用者は献血をしてはいけない

プロペシアを服用しているヒトは献血をしてはいけません。

これは、男性ホルモンに影響を与えるプロペシアに有効成分であるフィナステリドが妊娠している女性や授乳中の女性に輸血されることを防ぐためです。

どうしても献血する必要があるときには、プロペシアの服用を約1ヵ月間中止し、それから献血してください。

 

ポイント10 : プロペシアにまだジェネリックはない

プロペシアは、

  • 薬代が高いから
  • 医者の診断が必要だから

という理由で、「個人輸入」で入手して服用している方が正規のプロペシアの服用者の倍以上の100万人もいると推定されています。

医薬品を、「個人輸入」して服用すること自体は違法ではありませんし、個人輸入代行業者に手続きを委託することも悪いことではありません。

 

しかし、これらの個人輸入先は大部分がインドで、「プロペシアのジェネリック」と謳っていますが、実際にはプロペシアのジェネリックではありません。

プロペシアにはまだジェネリックはない

 

メルク社のプロペシアの特許が切れるのは2019年でそれまではどの製薬会社もプロペシアのジェネリックを発売してはいけないことになっているのですが、インドは医薬品の国際特許に加盟していないことから勝手にプロペシアの類似品を作っているのです。

 

詳しく見る >>> プロペシアのジェネリックをファイザーが発売するのか?

メルクの特許の関係からファイザーの発売は2019年10月以降とみられていましたが、以外にもファイザー社は2015年4月6日に『フィナステリド錠・ファイザー』を発売したのです。

詳しく見る >>> ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売開始

個人の責任で服用するファイザーがプロペシアのジェネリックを発売開始のですから、他人の私がとやかく言うことはないのですが、医薬品会社で開発製造に関与していた私としては、インドの医薬品についてはあまり良い印象を持っていません。

 

詳しく見る >>> プロペシアのジェネリックは安全か?

 

確かに、1/3の価格で入手できるのですから魅力的ではありますが、たかだか6,000円/月です。

プロペシアを飲むのであれば医者の診断を受けて正規品を飲みましょう

あなたの健康のためです!!

 

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