アメリカと日本の育毛剤の違い
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
今日はアメリカと日本の育毛剤の違いについての話です。
日本で売られている医薬品・育毛剤は「リアップ」と「プロペシア」。
いずれもアメリカで開発された医薬品です。
アメリカの育毛剤は日本とどう違うのか、、
現地調査の結果を報告します。
アメリカで育毛剤を現地調査
「現地調査」といっても、育毛剤を調べにアメリカに行ったわけではありません。
仕事と趣味を兼ねて(とはいっても趣味が95%でほとんど遊びです)、コロラド州のデンバーに行きました。
滞在したのはデンバーから車で2時間ばかり東に行ったエイボンという町。
ベイル、ビーバークリークといった超!超!!高級リゾートの直ぐ近くの街です。
1ヵ月間滞在したコンドミニアムの直ぐ近くには、コンビネーション フード & ドラッグ ストアであるCity Marketがあります。City Marketは、コロラド州、ニューメキシコ州、ユタ州、ワイオミング州に展開するチェーンマーケットで、アメリカの三大スーパーの1つですね。
写真は全体の1/3位で、もの凄くデカイスーパーで、中にはスターバックなどもあります。
アメリカの育毛剤の現状
食品の他にもドラッグストアーがあり、日本と同じように化粧品や医薬品もあります。
ヘアケアーコーナーにはズラッとシャンプーやリンス類(アメリカではリンスとはいわずにコンディショナーですね)が並んでいます。
育毛関係は、、、と探しますと、ありました。
でも、シャンプーやリンス類に比べてもの凄く数が少ないですね。
そして、
種類はロゲインのみです。
でも、
トニックタイプ、ムースタイプ、スプレータイプと男性用が3種類と、女性用が有りました。
ロゲインはアメリカの製品
ロゲインはアメリカの商品名で、有効成分はミノキシジルという化学物質です。
ファルマシア・アップジョンという会社が、1960年代に開発した薬で、
当初は高血圧の経口剤として開発したのですが、開発途中で育毛効果が有ることが分かり、1980年代に脱毛症治療薬として外用溶液を「Rogaine®(2%ミノキシジル)」として発売したのですね、、、。
その後、アップジョンはファイザーに買収されたのですが、ファイザーはOTC事業部門をジョンソンエンドジョンソン(J&J)に売却したため、
現在はJ&JグループのMcNEIL(マクニール社)が販売しているようです。
内服薬としては副作用が発見されたため[1]頭部に塗布する液状の外用薬として売られている。
日本では、大正製薬が一般用医薬品(大衆薬)として1999年からリアップの商品名で販売していますが米国でも一般医薬品としてスーパーで簡単に購入することができます。
注意書きを読んでみますと、
- 1日に2回、キャップで1杯の量を脱毛部分に塗ること
- それ以上の頻度や量を用いても効果は増加しない
- 洗髪後に塗布して良くマッサージしなさい
- 18歳~49歳の白人男性を対象にした臨床試験では4ヵ月で発毛が確認された
と、日本での注意書きと同じような記載ですね、、
そして、
- 18歳以下の男性は使ってはいけない
- 女性には使用してはいけない
- 心拍数が増加したときには使用を中止して医者に相談しろ
- 手足にむくみが出たら使用を中止して医者に相談しろ
ということも書いてあります。
隣に並んでいたのは、女性用ロゲインで、ミノキシジル濃度は2%でした。
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日本とアメリカの違いは価格と溶媒
アメリカの男性用ロゲインのミノキシジル濃度は5%で、日本のリアップX5と同じ濃度ですね。
価格の相違
ロゲインの価格は、写真を見ていただければ分かりますが、
1ヵ月用 : 39.99ドル
3ヵ月用 : 49.99ドル
ですから、断然3ヵ月用が安いのですが、1ドル120円として約6,000円(税抜き)です。
一方、リアップx5を3本まとめ買すると、およそ20,940円(税込み)ですから、
アメリカで買うと日本の1/3の値段
ということになります。
溶媒が違う?
海外で販売されているロゲインと、国内のリアップでは溶媒が異なるといわれています。
溶媒とは、有効成分であるミノキシジルを溶かしているものです。
ロゲインもリアップも5%溶液ですが、ミノキシジルは水には溶けないため、アルコールなどの有機溶媒に溶かす必要があります。
リアップなどに限らず、多くの育毛剤を使うと頭皮がスーットした爽快感がありますが、
あれは爽快感のためにアルコールを入れているのではなく、有効成分を溶かし込むためにアルコールを使っているのですが、
頭皮にアルコールを振りかけるのは毛根部の毛母細胞に悪い影響を与えるとして、アルコールを含まない育毛剤も見られるようになりました。
詳しく見る >>> M-1育毛ミスト
さて、その有機溶媒ですが、ロゲインでは「プロピレングリコール」という溶媒が使われているそうなのです。
我国の1%製剤のリアップでは、
溶剤としてプロピレングリコールとびエタノールが使用されていたのですが、
5%のリアップx5では、ブチレングリコールとびエタノールに切り替え、
頭皮の発赤やかゆみなどの副作用をなくしたと大正製薬では述べています。
しかし、厚生労働省へ提出された臨床試験成績ではリアップx5の経皮吸収性は、海外の5%より低いと推測されているのですが、、、
今回撮影してきた説明書を見る限りにおいても、ロゲインにはプロピレングリコールが使われていないようです。
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日米男性の薄毛意識や対策に意外な差
自分の髪の毛が薄くなって、鏡をのぞいて頭皮が見えることに気付いたときにはドキッするものです。
この薄毛の悩みは男性でも女性でも万国共通でしょう、、、。
少し古いデータなのですが、万有製薬(現;MSD)が2008年に実施した「うす毛・抜け毛に関するアンケート調査」で、日米の男性では薄毛に対する差があることが判明している(2008/10/20 J-CASTニュース)
日米の20~49歳の男性約300人にアンケート調査を実施したのだが、
- うす毛や抜け毛を気にしている米国人男性 : 70.6%
- うす毛や抜け毛を気にしている日本人男性 : 53.6%
と、米国人男性は日本人男性よりもうす毛や抜け毛を気にしている男性の割合が多いのです。
「うす毛や抜け毛を気する理由」としては、
- 日本人男性の68.1%が : カッコよくない
- 米国人男性の74.1%が : 老けてみえる
と答えており、「うす毛や抜け毛を気する理由」も日米では異なっているのだ。
さらに、うす毛・抜け毛の自覚症状は、
- 日本人男性 : 34.0歳
- 米国人男性 : 31.1歳
と、米国男性の方が日本人男性よりも早く自覚症状が現れ、
うす毛・抜け毛対策にかける費用も、
米国人は抜け毛が気になりはじめる20歳代から、日本人は30歳代からお金をかけるようになる。
さらに、
日本人男性 : 月額平均3,632円
米国人男性 : 月額平均9,241円
と多く、20歳代米国人男性は月額平均月額平均2万4,225円までかけても良いと答えたという。
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米国では超音波薄毛治療器が流行
滞在中に、米国の友人数人に、「ロゲインを使っているか?」と聞いたところ、
- 使ったけど効果がないから止めた
- 効果がないと聞いたから使わない
という返事が多く、薄毛の友人7~8人に聞いたけど、「使っている」と答えた男性はいなかったですね、、、。
何もしていないのか?と聞くと、返ってきた答えは、
「ヘアマックス」を使っているよ!
ということでした。
このブログでも紹介したのですが、アメリカのテレビでももマーシャルをやっていました。
詳しく見る>>> ヘアマックスの効果が口コミで評判です
関連記事(一部広告を含む)
薄毛治療ではアメリカは日本より進んでいるのかな、、と感心しました
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