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フィンペシアはプロペシアのジェネリックではない

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。

 

はじめに

プロペシアは医者の処方箋も必要だし高いから、

プロペシアのジェネリックを個人輸入で手に入れよう!!

と思っているヒトは要注意。

プロペシアのジェネリックはまだ世界のどの国でも発売されていない。

 

 

ジェネリックとはどんな医薬品なのか

医薬品の個人輸入を代行する会社はたくさんあり、プロペシアのジェネリック品として、

  • 「フィンペシア」
  • 「エフペシア」
  • 「フィナロ」
  • 「フィナバルド」

などの個人輸入をサポートしてくれます。

 

しかし、「フィンペシア」、「エフペシア」、「フィナロ」、「フィナバルド」などは、プロペシアのジェネリックではないのです。

 

ジェネリック医薬品とは

新薬の開発には莫大な開発費用と長期の開発期間がかかります。

開発費用は300億円以上、開発期間は9~17年もかかるといわれています。

これらの研究開発努力や研究開発費の回収を保護するために、医薬品には様々な特許が設けられています。

主要なものでは、

  1. 物質特許
  2. 用途特許

などです。

 

物質特許は、「特許期間中は、他の会社は薬の有効成分を勝手に使ってはいけない」とする特許です。

用途特許は、「有効成分をある特定の疾患の治療薬として使ってはいけない」とする特許です。

新薬はこれらの特許により、申請してから20年間保護されるのです。

特許が切れた後には、「他の会社も自由に製造販売できる」ようになり、この医薬品が、「後発医薬品」、「ジェネリック医薬品」といわれるものです。

 

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プロペシアの物質特許の満了は2019年

先日、ファイザー社が、

「国内で初めてプロペシアの製造販売権を取得」というプレスリリースを出しました。

詳しく見る >>> プロペシアのジェネリックをファイザーが発売

プロペシアの国内販売はMSD社(旧;万有製薬)ですが、プロペシアの有効成分であるフィナステリドに関する特許はアメリカ本社であるメルク社が保有しています。

 

医薬品の特許は細かく複雑であり、外部から全てを知ることは困難なのですが、

メルク社のフィナステリドの物質特許が切れるのは2019年10月

と見られています。

プロペシアのジェネリックが発売されるのは2019年10月以降

なのです。

 

メルク社の特許の関係から発売は2015年10月以降とみられていたのですが、以外にも、
ファイザー社は2015年4月6日に『フィナステリド錠・ファイザー』を発売したのです。

詳しく見る >>> ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売開始

 

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フィンペシアはプロペシアのジェネリックではない

プロペシアのジェネリックは2019年10月以降でなければ発売できないのですが、フィンペシアはプロペシアのジェネリックなのでしょうか、、

フィンペシアは、インドの製薬メーカー・シプラ(Cipla)社が製造販売している製品で、プロペシアの有効成分であるフィナステリドを同量含有する医薬品です。

インドでは上に書きました国際的な医薬品に関する特許制度とは全く異なった特許制度がとっており、また、インドは医薬品の特許条約に加盟していないため、欧米では特許が切れていない医薬品の製造を勝手におこなっているのが現状です。

ジェネリックとは、医薬品の特許が切れた後に他社が製造販売する医薬品ですから、この点においては、フィンペシアはプロペシアのジェネリックではないのです。

いうなれば、インドの製薬会社がメルク社の特許を無視して勝手に作っているのです。

 

インドの製薬事情

世界のジェネリックの20%はインドの製薬会社で作られているといわれ、インドには2万社もの製薬会社があるといわれています。

1970年から2004年まで、インドには医薬品については製法特許しかありませんでした。

インドには、「同じ有効成分を勝手に作ってはいけない」という物質特許がなく、「異なる製造法」でつくれば誰でも同じ有効成分を製造販売することができたのです。

WTOなど国際的に問題となり、2005年以降はインドでも医薬品の特許が認められるように改革されましたが、2 0 0 5年度以前に開発・販売した後発薬品については引き続き生産を認めるあまい規制の改革でした。

 

さらに、特許権を有する製薬企業にはロイヤリティーを払わなければならないと定めているのですが、ロイヤリティ-払えば製造・販売を認めており、さらに特許権保有製薬企業が損害賠償請求の訴訟を起こすことはできないという、非常に身勝手な内容なのです。

 

インドの製薬企業によるジェネリックは低価格であることから、アフリカなど貧困国の医療救済に多くの製品が使われており、「国境なき医師団」などからはインドのジェネリック産業の保護の声が上がっているのですが、それとこれとは別に考えるべき問題でしょう、、、。

 

インドの製薬企業のレベル

インドには大小合わせて2万もの製薬企業があると言われています。

インドを代表する製薬メーカーとして、ランバクシー、シプラ、ドクターレッディーなどの大企業もあるのですが、その他の大部分は小規模の製薬会社で、町工場のような製薬企業もあるとのことです。

市場全体に占める売上げ額上位20社の売上高占有率が約50%という数字からもインドには中小企業が非常に多いことがうかがわれます。

 

日本の製薬企業である 第一三共は、2008年にインドの製薬企業トップであるランバクシー・ラボラトリーズを5,000億円近い巨額資金にて買収したのですが、たった6年後の2014年にはインドのサン・ファーマに売却することになってしまいました。

第一三共はランバクシーを買収して世界ジェネリック市場への参入を目論んだのですが、米国FDAは2014年に、ランバクシーの主要製造工場のトアンサ工場で製造された原薬を、製造基準の違反を理由に、米国に医薬品用として持ち込むことを禁じる禁輸措置を取ったことで、今後の採算性が合わないと判断し、売却に転じたとみられています。

ランバクシーは2008年にもインドのパオンタサヒブとデワスの2工場がFDAから問題があると指摘され、2013年には最新鋭のモハリ工場も禁輸措置を受けており、米国へのジェネリックの輸出が全く出来ないできない状態になってしまったのです。

最大手の生産工場においてさえ、製造工程の問題を指摘されており、2万もあるといわれる製薬企業の製造の実態は推して知るべしです。

 

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フィンペシアはどんな製品か

 国内では医師の処方箋がなければプロペシアを入手することができません。

また、プロペシアは保険適応がされませんので、1日の薬価は250円ですが、自由価格であることから180円程度で処方する医療機関もあるようです。

   詳しく見る ⇒ プロペシアを安く買うにはジェネリックか

 

インドのフィンペシアを個人輸入すると、月900円程度で手に入れることができることから人気を呼んでいるのです。

フィンペシアはプロペシアと同じフィナステリドを主成分としており、含量も1mgと同じですから、男性型脱毛症(AGA)の治療薬として個人輸入する人が多いのです。

しかし、フィナステリドはあくまでも医療用医薬品で、個人の判断で入手し、服用することは危険なのです。

厚労省も、個人輸入により服用し、薬害問題が起こっても政府は保証しないと警告しています。

 

   詳しく見る ⇒ 政府の医薬品の個人輸入に対する警告

 

フィンペシアのキノリンイエロー問題

フィンペシアの錠剤を湿度などから守るコーティング剤にキノリンイエローという色素が添加されており問題になりました。

キノリンイエローは、発癌性の危険があるため、日本では食品に添加することが禁止されている物質です。

キノリンイエローWS(Quinoline Yellow WS)黄色203号は食品添加物の一種で、EU、香港、マレーシア、オーストラリア・ニュージーランド、インドネシアでは着色食品や医薬品の着色剤として使われているタール色素です。日本では安全性が確実に証明されていないという理由で食品に添加することが禁じられています。

2012年8月から、キノリンイエローは使用されていないということですが、インド第2の製薬企業シプラ社でもこのようなことが起こっているのです。

エフペシアもフィンペシアとじシプラ社が販売しているもので、フィンペシアからキノリンイエローを除いた製品とのことですが、パッケージはロゴ以外フィンペシアとほとんど同じです。

 

ジェネリックは正規品と同一ではない

ジェネリックというと、「先行品と同じ」というイメージを持つと思いますが、先行品とジェネリックは全く異なるものです。

先行品とジェネリックが同じ点は、

先行品と同じ有効成分が含まれている

ということだけです。

プロペシアの有効成分はフィナステリドという化学物質で、1錠中に1mg含まれています。

プロペシアの1錠はおよそ250mgですから、有効成分の249倍、他の物質が含まれているのです。

このほかの物質は、

  • 有効成分の保存上の安定性
  • 有効成分の消化管での安定性
  • 有効成分の吸収性
  • 有効成分の吸収速度の調整

などの関与する重要な物質で、これらいかんで

  • 有効成分が保管中に失われたり
  • 唾液や胃液で活性を失ったり
  • 有効成分が急速に吸収されてしまったり
  • 有効成分の吸収が悪くなったり、、

と、医薬品の効果を現す上で非常に重要な役割を果たしているのです。

 

医薬品の特許は物質特許だけではない

医薬品の特許の一番重要なものは「物質特許」であるといえますが、1つの医薬品は、その他にも製造特許、製剤特許など無数といっても良いほどの特許を有しているのです。

 プロペシアはアメリカのメルク社の製品です。

国内でプロペシアのジェネリックの製造販売権を取得したファイザー社は、売上げ高世界第1位の製薬企業です。

  1. ファイザー  (アメリカ)
  2. ノバルティス  (スイス)
  3. ロシュ     (スイス)
  4. サノフィ フ (フランス)
  5. メルク   (アメリカ)

ファイザー社が製造したプロペシアのジェネリックであれば、効果も安全性も安心ですが、インドの製薬企業の製剤では非常に不安も残るのです。

 

短期間だけ服用する、例えばED治療薬などであればまだなんとか、、と思うのですが、プロペシアは飲み続けなければなりません。服薬を止めると再び脱毛するので、極端な話、一生涯飲み続けなければなりません、、、、。

 

医者も飲みたがらないジェネリックをあなたは飲みますか?

    詳しく見る ⇒ プロペシアのジェネリックは安全か?

 

ファイザー社のジェネリックであれば、、と思うのですが、、、

 

しかし、プロペシアには性機能に関する副作用があります。

    詳しく見る ⇒ プロペシアの性機能に関する副作用は本当です

 

 

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