日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
LEDといえば、青色LEDを発明したとして、赤崎、天野、中村氏らのグループがノーベル賞を貰いました。
LEDは電球や蛍光灯に比べて、
- 寿命が長い
- 電気代が安い
ということもあり、最近は一気に広まりました。
しかし、
LEDは私達の一般生活だけでなく医療分野でも広がっており、
LEDを活用した最新育毛療法が注目を集めているのです。
そして、嬉しいことに、
赤色LEDを使った育毛の研究も進んでおり、実用化ももうすぐなのです。
LEDを頭に当てればどうして髪の毛が生えてくるのか?
今日は、赤色LEDと育毛の話をしたいと思います。
薄毛に効果があるという赤色LEDとはなに?
先日、青色LEDを発明したとして、赤崎、天野、中村氏の3人がノーベル賞を貰いましたが、
赤色LEDとは赤色に発光するダイオード
のことですね。
ダイオードとは、「二極真空管や二端子半導体素子」の総称で、
LEDとは「Light Emitting Diode」のことなので「発光ダイオード」のことです。
赤色LEDは、
発光波長の中心は620nm程度で赤い色を発し、
- イルミネーション
- インジケーター
- 自動車のテール・ランプ
- 信号機など赤色表示の光源
- LEDディスプレイの赤色光源
- 液晶パネルのバックライト光源
など幅広く使われています。
この、赤色LEDは、東北大 学の西澤潤一氏が、そして、緑色LEDも西澤潤一氏が発明してるんですね。
青が一番難しかったのだそうですが、三色揃って完成ですから、西澤氏にもノーベル賞を上げたかったですね。
余談になりますが、
青色LEDを発明した赤崎、天野、中村氏の3人がノーベル賞をもらった理由は、
青色が難しかったと言うこともあるのですが、
赤+黄+青 が揃って初めて「白色」ができたのです。
ですから、青のLEDの発明でLEDが一気に広がったのです。
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赤色LEDの医療利用
青色LEDには殺菌効果が有り顔の皮膚に当てれば、
ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌しニキビを治療に効果が有ることが分かっています。
ですから、
青色LEDは、
- ニキビの跡の改善
- 細かいしわを除く
- 肌に張りを取り戻す
- 肌のコラーゲン細胞を活性化してシミやしわを除去
- 毛穴の開きなどを改善
することから、美容サロンなどで使われています。
赤色LEDにも、細胞のミトコンドリア等に作用し、細胞を活性化させ、異物や老廃物を処理する貪食細胞の活動をも活性化させることから、
- 炎症を抑える
- 皮膚の老化を改善する作用
が科学的にも確認されているんですね。
赤色LEDは、
新陳代謝が良くなり血行障害を改善するのですね。
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赤色LEDの発毛効果
さらに最近、
赤色LEDには発毛促進効果が有ることが分かってきた
のです。
NHKでも放送 されたのでご覧になった方もおられると思います。
青色LEDの光は皮膚の表面に近いところにまでしか届きません。
また緑色LEDは浅い所までですが、赤色LEDが一番身体の深くまで届くのです。
赤色LEDが一番温かく、赤外線にも近いのですが、
緑色LEDでは多少温かい程度で、青色LEDでは温かさはほとんどないのだそうです。
また、3色を同時に当てると干渉をおこして効果は少なくなるそうです。
赤色LEDによる大阪大学の発毛の研究
赤色LEDの発毛効果について研究しているのは大阪大学医学系研究科皮膚・毛髪再生医学寄付講座の乾 重樹 准教授です。
乾氏はマウスを使った動物試験で発毛を実証しています。
ヘアサイクルが休止期に入っている複数のマウスの毛を剃り、それをLED光を照射するグループと、照射しないグループにわけて実験を行いました。
赤色LED光に何らかの効果があれば、休止期から成長期への誘導が速くなり、つまり早い段階で毛が生えてくるであろう、というのが私の仮説です。
2~3日おきに週3回赤色LED照射を行いました。2週間過ぎから顕著な変化が現れました。
毛を剃った部分の皮膚は白いですが、毛が生えてくるとそれが黒くなりますが、LEDを当てたマウスでは黒い部分が増え、当てないマウスは白いままです。黒くなったところの面積を測定すると、統計的に有意に発毛したことがわかりました。
ということで、赤色LEDはネズミにおいて発毛を促進することが分かったのです。
さらに、
発毛に及ぼす赤色LEDのメカニズムを調べる目的で、
培養したヒトの毛乳頭細胞に赤色LEDを照射した後に毛乳頭細胞のRNAやmRNAを測定したところ、
- HGF
- Leptin
- VEGF-A
などの発毛をす促進する物質が有意に上昇していることが確認されたそうです。
その結果から、
赤色LEDは毛乳頭細胞の発毛増殖因子の分泌を刺激して毛髪の成長を促進している
考えられるのだそうです
アデランスの赤色LEDによる育毛研究
アデランスの研究パートナーであるミニョンベルクリニック院長の小笠原 正弘 医師も赤色LEDの発毛効果を研究しています。
独自に開発したLED照射装置を使い、超狭帯域の赤色LEDを、
薄毛に悩む男性患者10人の頭皮に20分間、週1~3回、3~8 ヵ月間照射を行い髪毛の推移を観察したところ、
有効率は100%。
その内の2名がほぼ治癒、7名が著効、1名が有効で、ほとんどの人で育毛効果が確認された。
ほとんどの人の抜け毛は減少し、長い間照射し続ければ、かなりの確率で毛が生えてきました。
実際の写真もアデランスのサイトに公開されていました。
赤色LEDの効果については、明確なメカニズムは不明だとしながら、
毛乳頭細胞だけでなく、すべての細胞を活性化させている可能性があり、
そうしたさまざまな細胞が関係して、最終的に抜け毛が減り、毛が生えてきていると思われると述べています。
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赤色LEDは夢の発毛促進器になるか?
発光ダイオードを使った療法 はNASAでも研究が進められており、
1999年にはLEDが「創傷治癒と人体組織の成長」を促進すると発表しており、
長期の宇宙滞在の際に利用可能な医療法として承認しています。
大阪大学でも寝たきりの患者の場合、褥瘡(床ずれ)の治療などへの応用が研究されており、
発毛器としても、家庭用装置が開発されれば、毎日15分赤色LEDを照射すれば抜け毛を抑え、育毛の効果が期待でき、夢が膨らみます!。
赤色LEDは夢の発毛装置か?
「ハゲを治せたらノーベル賞」といわれるほど薄毛治療は難しいのですが、
赤色LEDは薄毛治療の「夢の機械」になるのでしょうか、、、。
「赤色LED照射は、従来の飲み薬や塗り薬を代替するものになりますか?」
の質問に、
乾 重樹 准教授は、
「それは難しい。プロペシア、ミノキシジルにとってかわるほどの効果とはまだいえません。
ただ、これらと併用して使えば、さらに効果が高まることはたしかでしょう。」
と述べています。
AGAの原因は5α-リダクターゼによるジヒドロテストステロン(DHT)による発毛抑制ですから、
やはり、5α-リダクターゼ抑制作用のある育毛剤は必須なのですね、、、。
詳しく見る ⇒ フィンジアは5α-リダクターゼ抑制作用の育毛剤
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