弱酸性シャンプーは薄毛の髪に良いのか?
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
「素肌に優しい弱酸性」、テレビのCMなどで良く聞くフレーズです。
だけど、なぜ弱酸性シャンプーが良いのですか?
こんな質問をいただきました。
そこで、弱酸性シャンプーは本当に髪の毛に良いのか、を調べてみました。
なぜ弱酸性が良いのか
生まれたばかりの赤ちゃんの肌はほとんど中性ですが、生まれてきて直ぐに、酸性に変わります。
酸性=殺菌作用 ということで、身体表面である皮膚は弱酸性のバリアによって、外部からの細菌の侵入を防いでいるのです。
皮膚から変化した毛髪もpH5.0前後の弱酸性に保たれています。
しかし、年をとるにしたがい徐々に中性に近づき、その結果、殺菌作用が弱まり、肌荒れが起こりやすくなるのです。
肌荒れや皮膚病にではpHはがを超えてしまうことから、肌のためには弱酸性の石鹸やクリームが良いと言われているのです。
弱酸性ばかりが良いわけではない
そうすると、シャンプーを含めた全ての洗浄剤は、弱酸性にすべきなのでしょうか?
弱酸性にも弱点があります。それは、『洗浄力』です。
洗剤で洗う汚れの代表的なものは、垢(あか)、
飲食物の食べこぼし、血液など、蛋白質が多いのですが、
アルカリは蛋白を作っているアミノ酸の結合を切って、構造を変化させたりすることによって、
繊維や食器などから洗い流すことができるのです。
ですから、
酸性にすると洗浄力が落ちるのです。
洗浄力はアルカリ性にするほど強いのですが、
肌荒れなどを起こすことを防ぐために、食器や調理器具を洗う洗剤は「中性洗剤」と、アルカリ性を弱めているのです。
最近、洗剤を使わずに、
『重曹(じゅうそう)』で台所を掃除したりすることが流行っていますが、
重曹はPH8~9のアルカリ性なので、
界面活性剤などの石鹸成分が入っていなくても汚れを落とすことが出来るのです。
逆性石鹸は石鹸ではない
ちょっと話がそれてしまうのですが、、、
逆性石鹸というと、「石鹸とは逆だから酸性の石鹸?」と思ってしまうかも知れませんが、石鹸という名が付いていますが洗浄力はほとんどありません。
通常の石鹸や合成洗剤は、水に溶けるとマイナスの電気を帯びて陰イオン(アニオン)となるため、陰イオン界面活性剤と呼ばれるのですが、逆性石鹸はプラスに帯電して陽イオン(カチオン)になるので、「普通の石鹸とは逆」という意味で「逆性石鹸」と呼ばれるのです。
逆性石鹸はプラスに帯電しているので、マイナスのものに引き寄せられるのですが、細菌やカビなどはマイナスに帯電するタンパク質などからできており、逆性石鹸の陽イオンを引きつけてしまうことで細菌の細胞の構造を破壊して殺してしまうのです。
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市販のシャンプーは弱アルカリ性
一般に市販されているシャンプーは、界面活性剤の種類によって、
下記の6種類に分けられます。
また、
原料によって天然物由来と石油由来に分けられます。
- 天然物 (天然物由来)
- 石けん系 (天然物由来)
- 脂肪酸エステル系 (天然物由来)
- アミノ酸系 (天然物由来)
- 高級アルコール系 (石油由来)
- 石油系 (石油由来)
石鹸系シャンプーはアルカリ性ですが、
その他のシャンプーも大体Phが8~9の中性に近い弱アルカリ性がほとんどです。
市販品のシャンプーでは、石油系界面活性剤が安いことから、大半を占めているのが高級アルコール系のシャンプーです。
シャンプーには賛否両論
シャンプーについて調べてみると、
- アルカリ性のシャンプーは頭皮を傷める
- アルカリシャンプーは皮脂を取り過ぎる
- シリコンは毛穴を防ぐ
- 石鹸シャンプーは毛穴に石鹸かすがつまる
出てくる出てくる、アルカリ性シャンプーへのネガティブキャンペーンが、、
しかし、
売らんがための宣伝でもあるようです。
アトピー性皮膚炎などの患者には医師は「合成界面活性剤よりは石鹸の方が肌に刺激がない」
しかし、一般の弱アルカリ性のシャンプーや石鹸が肌に悪いわけではないそうです。
練馬光が丘病院(東京都練馬区)傷の治療センター科長の夏井睦氏などが発端となり、
「入浴時の洗浄剤は必要最低限にすべき」というスキンケアの指導法が2007年ごろから広がり始めているのだという。
ヒトの皮膚は通常、皮膚常在菌により皮脂が「パルミチン酸」や「ステアリン酸」に分解されて弱酸性に保たれている。このため、食中毒や皮膚感染症の原因となる黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌は、そもそも増殖しにくい環境となっている。また、健常な皮膚は、アレルギーを誘発する大きな分子量の物質は透過させない構造となっている。これら皮膚の防御機構を最大限に発揮するには、皮膚常在菌を維持するとともに、皮膚を傷つけないようにする必要がある。
だが、界面活性剤を用いて過剰に皮膚を洗ってしまうと、保湿に必要な皮脂や皮膚常在菌までもが落ちてしまう。さらには「肌が傷つき、アレルギーの誘発や細菌感染の原因となる可能性がある」と、大嶋皮膚科医院(兵庫県赤穂市)院長の西谷茂樹氏は説明している。
米国皮膚科学会(AAD)でも、アトピー性皮膚炎の患者に対するスキンケアの方法を「洗浄剤は必要なときのみ使用する」としている。岡田氏はこれらのことから、「来院した患児や保護者に、入浴時は頭部からつま先まで全身をサッとお湯でくぐらすように指導している」と話す。
「洗浄剤を使うならば、ボディーソープよりもせっけんを用いた方がよい」。入浴時に洗浄剤を使うべきか否かの考えは違っても、この点では専門家の意見は一致していた。
合成界面活性剤を用いたボディーソープは「全身洗浄料」などと記される。せっけんとは異なり、界面活性剤の効果が薄まりにくく、流し残しがあった場合は皮膚バリアを低下させる可能性がある。そのため、「界面活性剤と比較すると、天然の油脂でできており、構造が単純なせっけんの方が肌にとっては良いのではないか」と国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)生体防御系内科部アレルギー科医長の大矢幸弘は意見を述べる。
「弱酸性だからといって、皮膚に影響を与えないのかどうかはまだ明らかではない」と岡田氏は結論づけた。
2014年2月2 6日の日本経済新聞(電子版)より抜粋
長くなってしまったが、
要するに、
- 洗いすぎが一番良くない
- 天然物由来の石鹸の方が皮膚に良い
- 弱酸性が良いか悪いかは不明
ということのようです。
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弱酸性シャンプーを使うなら
弱酸性シャンプーと一般の弱アルカリ性シャンプーの相違については以上のようなことなのですが、テレビCMや雑誌などで弱酸性を強くアピールしているシャンプーがたくさんあり、「1回使ってみたい」という方へのアドバイスです。
本物の弱酸性シャンプーを見分けてください
本物と偽物があるの?
そうです、弱酸性であることには間違いないのですが、石油系合成界面活性剤のシャンプーに弱酸性であるアミノ酸を配合しただけで弱酸性シャンプーだとして販売している製品も多いのです。
石油系の合成界面活性剤に少しだけアミノ酸を配合して作られているものも弱酸性シャンプーとして販売することが許されているのです。
さらに、弱酸性シャンプーと銘打ったシャンプーでも、Ph6.5程度のシャンプーが多いのですが、これは髪にとってはアルカリ性のシャンプーなのです。
シャンプーがPh6.5の弱酸性でも、髪はPh5.5ですから、髪にとってはアルカリ性なのです。
弱酸性シャンプーならアミノ酸系シャンプー
弱酸性で、適度な洗浄力あり、、というのはアミノ酸系シャンプーだといえます。
しかし、高級アルコール系界面活性剤にアミノ酸を混入しただけのシャンプーと、本来のアミノ酸系シャンプーを見極めるのは成分表を見る必要があります。
商品のラベルの成分表示に、
「ココイル~」、「ココアン~」、「ココミド~」などと記載されているのが、本当の弱酸性シャンプー
だということを覚えておいてください。
「ココイルグルタミン酸TEA」など、ヤシ油脂肪酸の成分が含まれていることを意味しており、
これらが主成分ならアミノ酸系シャンプーに間違いありません。
弱酸性シャンプーと謳われていても、
「ラウリル硫酸~」「ラウレス硫酸~」という表記があるものは石油系界面活性剤にアミノ酸を配合しただけのシャンプー
だと判断してください。
本当の酸性シャンプーはpH5.5以下
多くの弱酸性シャンプーはpH6.5程度で、酸性であることには間違いがないのですが、
髪がpH5.5ですから、髪にとってはアルカリ性シャンプーになってしまいます。
髪にとっての酸性シャンプーはpH5.5以下である必要があります。
その意味で、本当の酸性シャンプーはベルジュバンスシャンプーやCUシャンプーです。
ベルジュバンスシャンプーはpH4.7、CUシャンプーはpH3.8です。
ベルジュバンスシャンプーは、日本弱酸性美容協会の加盟の美容室などで販売(最近はAmazonでも購入出来るようです)しており、髪だけでなく全身を洗うことができるそうですが、シャンプーで身体を洗うのは少々抵抗がありますね、、。
CUシャンプーは、pHが酸性だけでなく、ノンシリコン、10種のオーガニックエキス、γドコサラクトンを含有するなどの、9つものアピールポイントが有ります。
詳しく見る ⇒ 女性に人気の弱酸性シャンプー
詳しく見る ⇒ 男性にも人気のCUシャンプー
CUシャンプーを購入しました
そこで早速、
CUシャンプーを購入してみました。
ボトルの形はまあ、一般的なポンプ式の容器ですが、濃いグリーンの落ち着いた色合いで、正面部分には英語の説明で日本語がないのでおしゃれです。
もちろん、背面には成分や注意書きが書いてあります。
溶液は無色透明、他のシャンプーより粘度が高いような気がします。
そして、泡立ちが良い!!。きめの細かい泡がたくさん立ちます。
説明者には、手にとって充分泡立ててから髪の毛に、、と書いてありますが、やはりその方が良いようですね。
家内に言わせれば、
やや泡切れが悪い、、
といっていましたが、私はそんな感じがしませんでした。
私は、シャンプーの後に必ずリンスをするのですが、試しにリンスなしにしてみましたが、乾いてからも乾いてからも手ぐしで指が入るのには驚きました!
もちろん、女性の方や髪が長い方はリンスをした方が良いでしょうが、リンスなしでもOKというのはやはり弱酸性の効果なのでしょうね。
弱酸性のシャンプーを選ぶポイント
日本弱酸性美容協会は弱酸性美容法を提唱し、弱酸性のシャンプーやパーマ剤などの普及をはかっていますので弱酸性美容に興味のある方は、日本弱酸性美容協会のホームページ(http://jakusan.net/beauty/)をご覧下さい。
弱酸性シャンプーを使わずとも、
洗いすぎをしなければ一般の弱アルカリ性シャンプーでも大丈夫だが、
傷んだ髪や薄毛予防には弱酸性シャンプーが効果的
弱酸性のシャンプーを購入するときにはpH5.5以下の製品を選ぶ
というのが結論です。
次回は、アミノ酸系シャンプーについて調べてみますので、お待ちくださいね。
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