プロペシアの育毛治療で自殺者が増えている
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
はじめに
先日、アメリカの学術雑誌に、
フィナステリドの育毛治療で自殺者が増えている
論文が掲載されました。
フィナステリドとはプロペシアの有効成分名ですね。
そうなのです、
プロペシアを使った育毛治療のあとに自殺する人が多いのです。
これは今まで何回もこのサイトで書いてきたことですが、
まだ知らない人のために詳しく説明しましょう。
プロペシア育毛治療の後遺症で自殺する人が多い
フィナステリドとは、アメリカのメルク社が開発したAGA治療薬です。
アメリカでは1997年にプロスカーという商品名で、
国内では2005年に万有製薬からプロペシアという商品名で発売されました。
プロペシアは医療用医薬品ですから医者の処方箋がなければ入手することができません。
フィナステリドはもともと前立腺肥大の治療薬として開発発売されたのですが、
AGAの原因であるDHA(デヒドロテストステロン)を作り出す5α-リダクターゼという酵素を阻害し育毛作用が有ることから育毛薬としても発売されたのです。
アメリカのBrigham and Women’s病院のDavid-Dan Nguyen博士らの研究グループは、
フィナステリドの育毛治療を受けた45歳以下のAGA患者では自殺との関連が明らかだった
との内容の論文をアメリカの皮膚科学会誌に発表しました。
Investigation of Suicidality and Psychological Adverse Events in Patients Treated With Finasteride
くわしく読む ⇒ 原著論文
研究グループは、
153カ国からなるWHOの国際データベースVigiBaseからフィナステリドで育毛治療を受けた3,200例を抽出し、
フィナステリド使用と自殺念慮および心理的有害事象の関連を解析したのです。
その結果、
フィナステリド使用者においては、
- 自殺念慮 : 356件
- 心理的有害事象 : 2,926件
が登録されており、
フィナステリド使用と自殺念慮および心理的有害事象に有意な不均衡シグナルが認められたのです。
不均衡シグナルとは統計解析の用語で簡単にいえば関連性があるということですね。
自殺念慮とは「死にたい」という気持ちの高まりですが、
特に45歳以下の若年AGA患者において自殺念慮に対する有意な不均衡シグナルが認められたのです。
研究グループは、
フィナステリドとの関連についてはさらなる研究が必要であるとして、
若い男性の脱毛症患者にフィナステリドを処方する際には自殺念慮と心理的有害事象を考慮に入れるべきであると指摘しています。
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性機能異常に怖いプロペシア副作用はポストフィナステリド症候群
プロペシアの副作用としては誰でも知っているように、性機能に関する副作用です。
に書きましたが、プロペシアには性機能に関する副作用があるのです。
プロペシアの臨床試験で性機能に関する副作用が明らかになり、
〔頻度不明〕の副作用として、
- 睾丸痛
- 男性不妊症
- 精液量低下
- 無精子症
- 精子運動性低下
- 精子形態異常
頻度が1~5%で見られる副作用は、
- リビドー減退 (リビドーとは性欲のことで、性欲減退です)
頻度が1%未満で見られる副作用には、
- 勃起機能障害
- 射精不全
- 精液量減少
などが明確になっています。
しかし、プロペシアの副作用で本当に怖いのはポストフィナステリドシンドロームなのです。
ポストフィナステリドシンドロームというのは、
プロペシアの服用を止めてから発現する副作用で、
- 性機能障害
- 肝機能障害
- 自殺行為
- 自傷行為
など、非常に深刻な副作用がプロペシアの服用を止めてから発現するのです。
欧米ではポストフィナステリドシンドローム財団が設立され訴訟問題が起きているのです。
このサイトでも2015年からポストフィナステリドシンドロームのことをお伝えしています。
2017年春に週刊現代が、
として伝えていますが、国内ではあまり問題にされていないのです。
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まとめ
今回ご紹介した論文のように、
しています。
このサイトでは、
などポストフィナステリドシンドロームについてお伝えしてきました。
プロペシアはネットの通販で簡単に購入できるのですが、
プロペシアを服用するときには必ず専門医を受診して服用するようにしてください。
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