資生堂は新たな薄毛の再生医療の臨床試験を開始する
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
はじめに
薄毛の究極の治療はなんといっても再生医療です。
国内では頭髪の再生医療の研究が進み、
でもお伝えしたように、
などが有望です。
そして、
と、既に資生堂や理研は臨床試験を開始しましたが、
資生堂の研究グループは、
これまでの臨床試験で有効性が確認されてとして新たな臨床試験を開始すると発表しました。
資生堂は薄毛の再生医療で有効性を確認
資生堂は頭髪の再生医療の事業化を目指しており、
東京医科大学、東邦大学、杏林大学と共同で、
2016年に医師主導の臨床研究を開始しましたが、
これまでの臨床試験で安全性と改善効果が認められ、
男性や女性の壮年性脱毛症の新しい治療法になり得ると判断され、
頭頂部など広範囲での新たな臨床試験を開始する
と発表しまし、臨床試験成績などはアメリカの科学雑誌に発表しまたと報告しました。
詳しく見る ⇒ 東邦大学プレスリリース
Autologous cell–based therapy for male and female pattern hair loss using dermal sheath cup cells: A randomized placebo-controlled double-blinded dose-finding clinical study
詳しく見る ⇒ 原著論文
自家毛髪培養細胞を薄毛部分に注入して安全性と有効性を確認する臨床試験において、
薄毛部分に一度だけ注射した時の、
- 有効な細胞濃度を決定
- 安全性が確認
され、男性および女性の壮年性脱毛症の新しい治療法になると判断されたというのです。
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資生堂は新たな薄毛再生医療の臨床試験を開始する
これまでの臨床試験では頭頂部の狭い範囲での再生医療でしたが、
治療法を確立するため、
- 頭頂部とその周辺のより広い薄毛部分に自家毛髪培養細胞を複数回注入し、
- 見た目でわかる薄毛治療効果と安全性を確認する、
臨床試験を開始するというのです。
資生堂らの研究グループは、東京医科大病院、東邦大医療センター大橋病院、杏林大学医学部付属病院の3施設において、
- 薄毛の男女40名程度
- 自家毛髪培養細胞を複数回注入
- 1年半~2年をかけて安全性を確認
する試験を開始するとしています。
資生堂らの薄毛の再生医療は、
- 被験者の後頭部から直径数mmの皮膚組織を採取
- 資生堂細胞培養加工センターで毛包部分の細胞を単離培養
- 被験者の薄毛の頭頂部とその周辺の広範囲の脱毛部位に複数回注入
というものです。
研究グループは、
これまでの試験で薄毛改善の効果と安全性が確認されたことから、
新たな臨床試験を開始して見た目でわかる治療効果と安全性を目指す。
としているのです。
また、
壮年性脱毛症の治療法として、いくつかの薬剤などが用いられているが、継続的服用がが必要で効果も充分ではなく、
女性の薄毛の場合には薬剤の選択肢が限られているなどの根本的課題がある、
としており、薄毛の再生医療には大きな期待が持てそうです。
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まとめ
頭髪の再生医療の現状でもお伝えしたように、
資生堂をはじめいくつかの研究グループでは薄毛の再生医療による治療の研究が行われています。
その中でも最も進んでいるのが今回ご紹介した資生堂グループの研究です。
小規模の薄毛治療では有効性が確認されていますが、
今回はじまる臨床試験では、
見た目でわかる治療効果と安全性を目指す
とのことですから大いに期待したいものです。
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