骨粗鬆症の治療薬で薄毛が治る?
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
はじめに
現在、薄毛の医療用医薬品としては、
- プロペシア
- ザガーロ
しかありません。
リアップも薄毛の治療薬ですが、一般医薬品の分類です。
イギリスの研究グループは、
骨粗鬆症の治療薬として開発された医薬品が薄毛治療に効果がある
という研究結果を発表しました。
この、骨粗鬆症の治療薬は、プロペシアとザガーロに続く第三の薄毛治療薬になるのでしょうか?
しかし、それまでは何を使うべきか、、、
骨粗鬆症の治療薬が薄毛に有効
イギリスのマンチェスター大学の研究グループは骨粗鬆症の治療薬が薄毛に効果があるという研究論文を発表しました。
Identifying novel strategies for treating human hair loss disorders: Cyclosporine A suppresses the Wnt inhibitor, SFRP1, in the dermal papilla of human scalp hair follicles
詳しく読む ⇒ 原著論文
研究グループは、
臓器移植手術や自己免疫疾患の治療で、
免疫抑制剤のシクロスポリンAの投与を受けた患者で育毛効果の副作用がみられたのです。
シクロスポリンAでは痙攣や下痢などの副作用をがあるのですが予想しなかった毛が生えるという効果が確認されたのです。
副作用の詳細を調べたところ、
シクロスポリンAは発毛を妨げるWnt蛋白を阻害する作用により発毛を促進していることが判明したのです。
そこで同じ作用を有する医薬品をスクリーニングしたところWAY-31660という化合物が見つかったのですが、
WAY-31660はワイス社(現;ファイザー)が骨粗鬆症の治療薬として開発を進めた化合物だったというワケなのです。
A small molecule inhibitor of the Wnt antagonist secreted frizzled-related protein-1 stimulates bone formation.
詳しく読む ⇒ 原著論文
研究グループは、
WAY-31660の発毛効果はシクロスポリンAより高いことを確認しており、
臨床試験においてヒトにおける発毛効果と安全性を検証するとしています。
ニューヨークの病院の皮膚科医ドリス・デイ氏は、
薄毛治療の新薬に結び付く可能性が高いとして薄毛の恒久的な予防と治療方法として期待しているのですが、早い実現を待ちたいものです。
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リアップもプロペシアの育毛作用も副作用
今回見つかったWAY-31660は、シクロスポリンAの副作用として見つかったのですが、
現在の育毛剤も副作用として見つかっているので、WAY-31660も育毛剤として発売されるのを期待したいですね。
リアップの有効成分はミノキシジルという化学物質ですが、
ミノキシジルは高血圧の治療薬として開発されたのです。
臨床試験を終了しても使用した薬を返却しない患者が多く、
調べたところ多毛症の副作用があったことが判明したのです。
高血圧の薬としては経口薬として開発していたのですが、
育毛剤の外用薬としての開発もおこない、育毛剤としても発売に至ったのです。
プロペシアも前立腺肥大の治療薬として開発されたのですが、
育毛剤としての効果も確認されAGA治療薬としても発売に至ったのですね、、、。
ザガーロも前立腺肥大の治療薬として開発され、
適応拡大で育毛剤としても発売されるようになったのです。
更には、
関節リウマチ治療薬のゼルヤンツにおいても円形脱毛症の治療効果があることが判明し、
適応拡大で円形脱毛症の患者で使われていますし、
がんの治療薬として承認されているジャカビでも円形脱毛症患者での治療効果が報告されているのです。
イエール大学やコロンビア大学の研究グループは、
円形脱毛症で育毛効果があったゼルヤンツについて、加齢に伴う脱毛症でも効果があるかを調べていますが、
加齢に伴う脱毛症を再現したマウスにおいて毛髪の再生を確認したと報告しています。
これらの研究が加速化され、
プロペシアやリアップに続く第三の治療薬が登場することを期待したいものです。
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