円形脱毛症の種類、原因、治療法
円形脱毛症は男女差や年齢差がなく、誰にでもみられる脱毛症です。
円形脱毛症はストレスで起こると思われていますが、円形脱毛症の原因は簡単ではありません。
また、
円形脱毛症は名前のごとく円形に脱毛すると思われがちですが、円形脱毛症には様々なタイプがあるのです。
そして、
円形脱毛症は自分で気付くより家族や美容院で指摘されることの方が多く、自覚症状もないのです。
円形脱毛症は頭髪だけでなく眉毛や髪の毛以外の体毛でもみられます。
- 小さな脱毛症がなかなか治らない
- 小さな脱毛症が増えてきた
と感じたら、皮膚科の専門医を受診してみることをお勧めします。
目次
円形脱毛症とは
日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドライン 2010ガイドラインでは、
円形脱毛症(alopecia areata)は後天性脱毛症の中で最も頻度が高い疾患
としているほど多く見られる脱毛症です。
円形脱毛症の患者は驚くほど多く、皮膚科外来を受診する3~5%が円形脱毛症に悩む患者で、日本の人口の1.2%、およそ160万人が円形脱毛症で悩んでいるといわれています。
これは日本だけでなく、
アメリカにおいても、後天性脱毛症の中で最も頻度が高いとして、人口の 0.1~0.2% に発生しているといわれています。
円形脱毛症は古くからあった
円形脱毛症は誰にでもしばしば見られ、ダレノガレ明美さんが中学高校生の頃に円形脱毛症になったということは有名ですし、
辻希美さんや戸田恵梨香さんも円形脱毛症で悩まされたといいます。
円形脱毛症はストレスでおきるといわれ、現代に多いと思われがちですが、
実は、
円形脱毛症は、 2,000 年も前に C. Celsus により指摘され、alopecia areataという疾患名は、 Sauvagesによって1,760 年に命名され、
1874 年 に Hebra と Kaposiが臨床症状や経過、治療についての論文を発表し、
円形脱毛症の概念ができたといわれている古くからみられている脱毛症なのです。
円形脱毛症は子供だけでない
円形脱毛症というと子供の脱毛症のように思ってしまうかもしれませんが、
円形脱毛症は、
- 男女の区別なく
- 子供から高齢者まで
幅広い年齢層でみられる脱毛症なのです。
円形脱毛症は頭髪だけでない
円形脱毛症というと、頭髪の脱毛症だと思いがちですが、円形脱毛症は頭髪だけではありません。
円形脱毛症は、髪の毛の一部分が丸く円形に脱毛することだと思われがちですが、
- 髪の毛だけでなく
- 眉毛
- まつ毛
- ひげ
- 全身の体毛
など、あらゆる部位の体毛で脱毛する疾患なのです。
円形脱毛症の種類と診断
円形脱毛症は、
昔は、
- 10円ハゲ
ともいわれたように
といわれるだけあって、円形に脱毛すると思いがちですが、、、、
円形脱毛症は丸くはない?
円形脱毛症は、脱毛の形状、大きさ、数などから5つに分類されています。
- 単発型 : 1カ所だけ脱毛
- 多発型 : 脱毛部位が複数
- 全頭脱毛症 : 全ての髪の毛が抜ける
- 汎発型脱毛症 : 頭髪だけでなく全身の体毛が脱毛する
- 蛇行状脱毛症 : 生え際が帯状に脱毛する
円形脱毛症で最も多いのは、「単発型」ですが、脱毛の範囲や大きさ、部位には非常に個人差があります。
そして、特徴的なことは、脱毛部分の皮膚は、ツルツルして湿疹や皮膚病変などは全く見られないのです。
さらに、
周囲の髪の毛もやや強く引っ張ると簡単に抜けてしまうことも多いのです。
円形脱毛症の診断
日本皮膚科学会では、円形脱毛症の症状を、
- 重症 : 円形脱毛症は頭部全体に対して毛が抜けた範囲が25%以上
としています。
さらに、
- 抜け毛は止まっている
- 抜け毛が続いている
が円形脱毛症の症度を判断するもう一つのとして、
- 症例1 : 抜け毛の範囲は10%だが、抜け毛が止まっている
- 症例2 : 抜け毛の範囲は10%だが、毛が抜け続いている
として、
- 症例1では : 脱毛はそれ以上は広がらないと判断
- 症例2では : 今後も脱毛が広がる可能性がある
と評価しています。
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円形脱毛症の原因
円形脱毛症は、自分で気づくよりも、家族や理髪店や美容院で指摘されて初めて気づくことの方が多いのです。
円形脱毛症は、
- ある日突然、前ぶれもなく起こることが多い
のです。
円形脱毛症の原因はストレスだと思われていましたが、
最近の研究では、
毛包組織に対する自己免疫疾患
だと考えられています。
やや難しいのですが、
- 疲労や心労などの肉体的精神的なストレスが引き金になり、
- 毛包由来の自己抗原をターゲットにした自己免疫反応が原因
と考えられているのです。
すなわち、
自分の免疫機構が髪の毛を作り出す毛包を外敵として攻撃してしまう
のが原因なのです。
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円形脱毛症の治療
日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドライン 2010ガイドラインでは、
治療の方法として、
- A群 : 行うよう勧められる
- B群 : 行っても良いが十分な根拠はない
- C群 : 行わないほうがよい
- D群 : 行うべきではない
と分類しています。
円形脱毛症は精神的ダメージや QOL 低下を重篤な臨床症状と考えた場合、あらゆる方法を用いて治療しなくてはならない皮膚疾患として位置づけられるであろう
としながら、A群の治療法はなく、
B群の治療法として、
- ステロイド局注 : 脱毛が25%以下の単発型や多発型の成人症例に用いるべき
- 局所免疫療法 : 年齢を問わず脱毛が 25~49%以上の多発型や全頭型などの第一選択肢
としています。
円形脱毛症の原因は、
- 精神的なストレス
- 肉体的疲労
という単純な原因ではありません。
- 円形脱毛を見つけて、数ヶ月を経過しても自然治癒しない
- 円形脱毛症が1ヵ所だけでなく数カ所に広がった
というときには、皮膚科を受診したすることをお薦めします。
虫歯の治療が原因だっとという症例も少なくなく、
円形脱毛症はそれほど単純な脱毛症ではなく、また別の脱毛症かなのかを見極めてもらうことも必要なのです。
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