ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売開始
日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。
目次
はじめに
2015年4月6日に、
ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売開始しました。
メルクの特許期限は2019年までのはずなのに、、
どうして発売できたのでしょうか、、、その真相は?
ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売
ファイザーは、2015年4月6日に国内でメルク社のプロペシアのジャネリックを発売したことをプレスリリースしました。
ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:梅田一郎)は、本日、4月6日に男性型脱毛症用薬「フィナステリド錠0.2mg・ファイザー」、「フィナステリド錠1mg・ファイザー」を発売いたします。フィナステリドは、国内では2005年12月に先発医薬品が発売されておりますが、この成分では、国内で初めての後発医薬品となります。
詳しく見る >>> ファイザーのプレスリリース
プロペシアはメルク社の商品名で、プロペシアの有効成分はフィナステリドという化学物質です。
ファイザーのプロペシアのジェネリックの商品名は、『フィナステリド錠・ファイザー』というようですね。
『フィナステリド錠・ファイザー』には0.2mg錠と1mg錠の2種類があり、「男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする。」ということです。
効能・効果は、「男性における男性型脱毛症の進行遅延」です。
メルクのプロペシア効能・効果も同じ「男性型脱毛症の進行遅延」です。
男性型脱毛症の治療薬ですが、効果は「進行遅延」ですから、勘違いしないでくださいね。
メルクのプロペシアと同様に、薬価基準未収載医薬品のため、健康保険等の対象にはなりませんが、これは脱毛症が「疾患」として認められていないので致し方ありません。
気になる価格ですが、保険適応外ですから薬価基準未掲載で、各医療機関が勝手に決めて良いことになっていますので、「定価」というのはなく、ファイザーの「卸価格」で決まるのですが、医療機関のホームページをみてみますと、1mg5,500円~6,000円程度のようです。また、ボリュームディスカウント(大量に購入する医療機関には安く卸す)にも対応しているようですから、医療機関によってはもう少し安くなるかも知れませんね。
先発品であるメルク社のプロペシアは、1mg28錠で7,500円程度ですから、メルクのプロペシアより20%以上安いようです。
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ジェネリックの問題点
ジャネリックは先行品の特許が切れてから発売される医薬品で、発売に際しては、「先行品の特許が切れていること」が絶対的な条件です。
この特許は医薬品の国際特許規定で保証されていますので、メルク社のプロペシアの特許が切れるまではどの会社もプロペシアのジャネリックを製造販売できないのです。
メルク社のプロペシアの特許が切れるのは2019年10月だと推定されていますので、ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売するのは2019年10月以降だとみられていました。
詳しく見る >>> プロペシアのジェネリックをファイザーが発売
フィンペシアなど沢山の商品がプロペシアのジェネリックだとして販売されていますが、正しくはジャネリックではありません。
これらの製品の大部分はインドの商品です。
インドは医薬品の国際特許に加盟していませんので、物質特許が有効期間内であろうが勝手に製造販売しまっているので、ある意味では違法なのですが、何とも致し方がないことです。
詳しく見る >>> フィンペシアはプロペシアのジェネリックではない
ファイザーのプロペシアのジェネリックがプロペシアよりも約20%安いように、ジェネリックのメリットは安さですというか、メリットは安さしかないのです。
ジャネリックのメリットは安さだがデメリットは危険性
新薬は10年にも及ぶ研究開発期間と数百億円もの研究開発費を費やして生み出されるのですが、ジェネリックはコピー品ですから、研究開発費はほとんどかからず安く販売することが可能なのです。
しかし、医薬品は有効成分だけで出来ているわけではありません。
プロペシアの錠剤の重量は200mg程度ですが、有効成分は僅か1/200の1mgしか含まれていません。
その他の部分も重要な働きをする物質で出来ており、
- 有効成分を安定に保護する
- 有効成分を穏やかに血液中に吸収させる
- 有効成分が胃や消化管で失活するのを防ぐ
など、多くの隠れた技術がぎっしり詰まっており、「薬が安全に有効性を発揮する」上で重要な働きをしているのです。
インドには20,000もの医薬品会社があるそうですが、それらの多くは家内工業的な規模の会社だといわれています。
ですから、安いからといって安易に手にするのは危険もあるのです。
フィナステリドのコーティング材に発癌性のある物質が使われていたことはあなたもご存じだと思います。
詳しく見る >>> プロペシアのジェネリックは安全か
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ファイザーのエスタブリッシュ医薬品
ファイザーでは、『フィナステリド錠・ファイザー』をジェネリック(後発医薬品)とはよんでいません。
「エスタブリッシュ医薬品」とよんでいます。
エスタブリッシュ医薬品とは、長期の臨床使用経験に基づき効果と安全性の評価が確立されており、 今後も長く使われていく標準的な治療薬です。 特許期間が満了した「長期収載品*」と「後発医薬品」が含まれ、標準治療に必須の医薬品として重要な役割を担っています。 エスタブリッシュ医薬品という考え方では、医薬品の『成分』そのものが、長い年月をかけて医師、薬剤師、患者様、 製薬企業等の共同作業の結果、集積された社会的財産であると言えます。
エスタブリッシュ医薬品の特徴
・ 特許が満了した化合物である
・ 特許期間中の化合物(新薬)よりも一般的に安価である
・ 長期の臨床使用経験に基づき、標準的な治療薬としての評価が確立
されている
・ 適正に使用するために必要な、膨大な臨床使用経験とデータが蓄積
されている
・ 長く使われてきた経験による安心感がある
ファイザーは2014年7月に、1,000人体制のエスタブリッシュ医薬品事業部を本格始動させ、2014年12月には、4成分 9品目のエスタブリッシュ医薬品を発売開始しているのです。
プロペシアのジェネリックはメルク社の物質特許が失効するであろう2019年10月以降出なければ製造販売できないのですが、今月に発売開始したということは、メルク社との何らかの契約があったのでしょう。
製薬会社では、委託販売ということは一般的におこなわれています。自社だけで販売するよりはその疾患領域に強い製薬会社に販売を委託した方がより売上げを伸ばすことが可能だからです。
ファイザーでは、ED治療薬のバイアグラを有しており、更年期男性疾患に強いことから、メルク社はファイザーにジェネリックの販売を許可したのではないかとみられています。
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ファイザーのプロペシア・ジェネリックは安全だろう
ジェネリックの安全性や有効性は先行品とは全く同じではない、
ということは医療関係者の間では常識なのですが、ファイザー社のプロペシアのジェネリックである『フィナステリド錠・ファイザー』については安全だと考えて良いでしょう。
医薬品については、上にも書きましたように、「有効成分」以外にも多くのノウハウがあり、その結果として効能が発揮できるのです。
ファイザーは世界第一の製薬会社で、多くの製薬技術を持っていますので、メルク社のプロペシアに劣らない製剤を作ることは十分可能ですし、メルク社との何らかの契約があったとみられることから、その辺のノウハウについても伝承もあったとみられています。
プロペシアとフィナステリド錠・ファイザーの効能・効果
医薬品については、「効能・効果」というものが有ります。
これは厚労省が、「この医薬品はどのような疾患で、どのような効果が期待出来るか」ということを定めたもので、製薬会社が勝手に決められるものでは有りません。
あなたは、プロペシアやフィナステリド錠・ファイザーの効能効果をご存じですか?
「男性における男性型脱毛症の進行遅延」
なのです。
進行遅延ということは、男性型脱毛症を治療して再び髪の毛を蘇らせるということではなく、「ハゲの進行を遅らせる」ということで、プロペシアを服用しても結果的には、「ハゲてしまう」のです。
またプロペシアは、服用を止めれば再びハゲの速度が加速するのです。
プロペシアを処方して貰うためには、診察料も含めれば毎月10,000円を超す費用がかかります、、、。
これなら、「M字ハゲ」に有効な育毛剤を使用した方が経済的かも知れません。
ジェネリックでも副作用は同じ
プロペシアは男性型脱毛症の唯一の医療用医薬品ですが、問題は副作用です。
多かれ少なかれ、化学物質である医薬品には副作用がつきものなのですが、プロペシアの副作用は、
- 性欲減退
- 勃起不全
- 射精障害
などの、男性の性機能に関するものなのです。
多くのインターネットのサイトでは、副作用の発現頻度は1~5%にすぎない、、と安心感を誘っていますが、国内でのプロペシアの服用者は個人輸入での服用者も含めれば150万人と言われています。
150万人の5%は、85,000人です、、、、。
この数字を低いと考えるか高いと考えるか、自分は大丈夫と思うかは貴方の判断ですが、副作用があることは間違いなく、米国では大きな問題になっています。
詳しく見る >>> プロペシアの性機能に関する副作用は本当です
男性型脱毛症ではDHTを止める必要がある
男性型脱毛症の発生原因は、男性ホルモンのテストステロンが5α-リダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)という活性の強いホルモンに変わるのですが、DHTは発毛を抑制してしまうのです。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、5α-リダクターゼを抑制する作用があります。
男性型脱毛症として多くの育毛剤が販売されていますが、これらの中には5α-リダクターゼ抑制作用のある育毛剤もあります。
(有名なリアップには5α-リダクターゼ抑制作用はありません、、、)
売れ筋の育毛剤は、
- フィンジア
- ブブカ
- チャップアップ
などですが、「ヒオウギ」、「ノコギリヤシ」などの植物成分に5α-リダクターゼ抑制作用があることが知られています。
貴方の男性型脱毛症はどの程度ですか?
- 男性型脱毛症の治療 : 効果が強いが副作用がある ⇒ プロペシア
- 男性型脱毛症の予防 : 効果は弱いが副作用がない ⇒ 5α-リダクターゼ抑制作用のある育毛剤
と考えたらいかがでしょうか。
詳しく見る ⇒ 性機能の副作用がないM字ハゲの育毛剤
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